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合言葉はヒュッゲ

映画 PLAN75

封切日に観たのですが、話題作だし、超高齢化社会への問題提起として、ぐっと心に刺さるのですが・・・

なんだかね、散らかった部屋に置き去りにされた気分。倍賞千恵子演じる主人公ミチが安楽死収容所?を逃げ出して野山から街を見下ろす。遠くに聳える山から朝日が登る。じわじわと。その風景は美しいんだけど、これからどうする?持ち金も賃貸住居も処分したよね?身寄りないよね。

この衝撃作の内容については、詳しくの説明を省略します。なんか、口が重くなる。

孤独死か、安楽死か。身寄りのない、または家族との関係が希薄な貧困老人にとっ
て人生つまり、死に方を選ぶ権利はないのか?

年を取ってからの人生は長くて辛い。でもリタイヤした後の生活を謳歌している富裕層、またはナチュラルで無欲な生き方を選ぶ幸せな高齢者もいる。

この映画の主人公は、2度の離婚を経験し、身寄りはない。年金も少ないのか、78にしてホテルの清掃員をしながら食い繋ぐ。

それでも健康体で、介護は必要なさそうだし、少ないながら仲間もいて粛々と毎日を送っていたが、リストラや友達の孤独死を目の当たりにしてPLAN75への加入を決める。

最期の日までのフォローとして、行政から委託されたコールセンター職員が電話をする。
そんな希薄な関係でも人は死を前にすると不思議なほど親近感を湧かせて、違反と知りつつ外食やボーリングの相手を頼む。

子どものいない主人公が孫娘のように慕ったコールセンター職員。名前ではなく先生と呼んでいたのが印象的だった。

もう一人、磯村勇人演じる行政マンの叔父が対象者として現れる。
疎遠だった訳ありの叔父の私生活に触れ、行政マンは、自分の仕事に疑問を感じ、遂には収容所へ叔父を迎えに行く。しかし、叔父は既に帰らぬ人。

亡くなった高齢者は、まとめて火葬され共同墓地へと埋葬される。
いたたまれず、叔父の亡骸を自分の車に乗せ火葬場を探し迷走。

孤独な叔父をせめて自身の手で葬りたいとの優しさは十分に伝わる。車のフロントガラスを打ち付ける雨はまるで本人の涙、そして天からのお悔やみにも取れる。

火葬場の予約時間が迫り、焦りながら車を暴走させる中、パトカーの追跡サイレンが鳴り響く。
スピード違反で捕まった後、どんな展開が待っているのか?

もう少しいろんなパターンの高齢者の人生に焦点を当てて欲しかった。

映画の冒頭には、障害者を殺害するシーンや病気の娘を祖国に残し出稼ぎに来た外国労働者である若き母も出て来る。彼女は高時給の収容所で雑役をする。
遺品バックから出てきた札束に作業の手が
止まる。で?どうする?

正直な感想として、PLAN75とタイトルをつけたなら、高齢者を中心にもう少し掘り下げてほしかったかな。




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