イグアナの娘というタイトルにまず想像力をかきたてられます。ラストにはおとぎ話要素のあるオチがついていて、それを神秘とするか非現実だとがっかりするかはそれぞれでしょう。
原作は萩尾望都さん。昭和の漫画家なのにその知名度たるや揺るぎませんね。
私はドラマから入ったのですが、原作にも触れてみたいです。
心理学的には母娘の依存を伴う確執。現代の若者なら共感できるルッキングへの渇望と読む人もいるか?
娘を愛せない母と母からの愛を乞う娘。1対1じゃなく、妹は溺愛されてるという事実が更に娘から自信を奪っていく。
母は長女に冷たく、でも本当はとても愛していて、自分の中の不安や心配を隠す事で遠ざけている。
かわいい容姿なのに母にとってイグアナにしか見えない娘とその母に感化され鏡に映る自己はイグアナであると認識してしまう娘。同一化って奴?
深層心理って井戸より深いなと感じる。
その穴の深さと暗さにおじけづいて本音を誤魔化しちゃうのかな。
ラストに隠された真実が明らかになるのだけど、この物語に秘められたメッセージは受け取る人それぞれのどこかに響くと思うので書かずにおこう。
素晴らしい作品で、エルトンジョンの♪ユアソングがエンディング曲で流れるとまた涙しちゃう。