■古事記の出雲神話の最大の英雄はオオクニヌシだ。オオクニヌシはスサノオの六代孫。
出雲神話は国つ神の物語だが
オオクニヌシのために出雲神話は書かれている
■古事記は出雲についての多くは比喩の形をとる。それは編纂者である藤原不比等がありのままを記すのを許さなかったからだ
古事記の出雲神話の部分は、オオクニヌシ=出雲族を慰霊鎮魂するために、出雲族の事績を神話化するという目的で書かれている。だが、その神霊のカリスマ性までは許容できなかった。もしカリスマ化することになれば、再び大和朝廷の脅威となる
そこで比喩によるリアリティーの喪失がはかられた。まるで子供向けの童話のように
■古事記では、オオクニヌシは天孫ニニギに、みずから開拓してきた国を簡単に譲り渡した。息子二人はちょっと抵抗するが、オオクニヌシは自分のために立派な隠居所を建ててくれることを条件に、譲り渡す決意をした。その隠居所が出雲大社だ
オオクニヌシは隠居して
幽世(あの世)の主宰神となり
現世(この世)とは関わりない神となった。これは死を意味する
■現実の大和朝廷は国を譲られたが、オオクニヌシでなく国つ神から譲られたと言い、出雲の国造は国譲りを認めていない
オオクニヌシは国つ神の象徴
オオクニヌシは多くの別名を持つ
オオクニヌシは実体が定まらない
オオクニヌシは特定の固有性がない
大和地方(元々の出雲)を支配していたスサノオの末裔たちを征伐し、その末裔たちを合わせて出雲大社に祀りあげることによって、大和政権は成立した。オオクニヌシとは、スサノオの末裔たちの集合体の神名である
多くの血が流され
大和朝廷に対する怨みも残った
出雲大社はその鎮魂の社
オオクニヌシ〈出雲族、スサノオの末裔〉たちは鎮魂されなければいけないような死に方であった
大和によって出雲族が征服された事実を国譲りという美談に変換したのが古事記の出雲神話である
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