私が昔バイトしてた雑貨屋で
起きた万引きの話をば。
雑貨屋と言っても、オシャレな
物品を扱っているのではなく、
よく商業施設にある女子小学生〜高校生が
好きそうな文具、雑貨、カバンなどを
扱うお店だった。
ちょうど、たれぱんだやアフロ犬の
全盛期頃かな。
新人の頃、店長に、
『レジ打ちの時、必ずペンポーチを
開けて確認してほしい。この中に
鉛筆やら消しゴムが入ってるとき
あるねん。要は万引きや。特に小学生に多い。
おとなしそうな子ほどするねん。
中に、型を整えるための緩衝材が
入ってるから、それを抜き取るために
開けるというのを装って確認してほしい』
と言われた。
（ペンポーチとは、こういう筆箱）
いや〜ビックリしたね。
年端もいかないイタイケな女の子が、
そんな姑息な技思いつくものなのかと。
いやはや、私でも思いつかんで。
実際レジを打つとき、ペンポーチを
確認しても緩衝材の他に文具が
入っていることは少なかった。
そんなある日。
女の子二人組がレジに来た。
いつものようにレジを打とうと
ペンポーチを持ち上げると、
開けて確認するまでもなく明らかに重たい。
私は、女の子達の様子を窺いながら、
これみよがしにファスナーを開けた。
鉛筆数本と消しゴムが入っていた。
女の子達は、バツの悪そうな顔をしていた。
『これが入ってたけど、これも買うのかな？』と
聞くと、要りませんと目を泳がせながら答えた。
私はそれらを抜き取り、
ペンポーチだけを売ったのだが、
いやいやいや〜かなりショックやったよ。
確かにおとなしそうで、まだ小学3,4年の
女の子達だった。
結構長い間そこでバイトしてたけど、
そういう万引き未遂は2,3件だったので
思いの外少ないと言えば少ないのかもだけど。
純粋に、あの店はペンポーチ開けるから
この手は通じないとの認識かもだけど。
こんなパターンもあった。
私が整理整頓をしていると、
母親とその娘達であろ3人が
申し訳なさそうな面持ちでやってきた。
母親は、
「すみません！！うちの子がここで
万引きしたみたいです。見慣れない
文具を持っていたので問いただしたら、
ここで二人で盗ってきたと。
大変ご迷惑をおかけしました！
購入させていただきます！」と
謝罪してきたのだ。
あんた達も謝りなさい！！と母親が言うと、
「ごめんなさい」と頭を下げた。
盗んだものをレジに置いてくれたのだが、
それはそれは想像を絶する量で
たまげたわよ！！子供の万引きレベルじゃ
なかったな。レジ打つだけでも大変やった。
やれやれ。
あの時代であのレベルの万引きが
出来るんだから、今なんかもっと
酷いかもしれない。
“トレーナーの袖口に商品を隠し入れる”
なんて古典的万引き手段は、鼻で笑われる
レベルなんだろうな。
あの時万引きが見つかった女の子達、
もうあんな罪悪感味わうのは
二度といやだ！と思って成長して
くれてたらいいのだが…。
ではでは、またね！
💐KT's こぼれ話💐
ペンポーチに商品を入れたまま売り場に
置かれたと思しきものを、たまたま
別の人が買うパターンが稀にあった。
そういう人は、ペンポーチを開けても
万引き目的の子達とは全く反応が違う。
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