雨の里山
一昨日、殿からのメールをチェックした後、ご主人様は雨の中、木更津にあるM銀行へ出かけた。片道40分の道程である。
アクアラインが開通して以来、千葉県側基点近辺にある木更津市は、大型アウトレット店ができたりして景気は上々のようだ。
ご主人様は以前から使っていた大手銀行の支店が木更津にあったので、里山移住後そこで口座をひとつ開設した。ショッピングにはあまり関心がないので、評判のそのアウトレットへはまだ行っていないが、時々その銀行へ出かけて行く。
里山から久しぶりに小都会に出てきたご主人様が銀行へ入って行くと、笑顔爽やかな担当女性職員が応接してくれた。
その爽やかな笑顔につられて、ご主人様は楽しい里山暮らしの話をさせていただき、ブログの宣伝などもし、用事を済ませて気分良く駐車場まで歩いて行った。
駐車場までの裏道路地を歩いていた時、なにやら賑やかな音楽が聞こえてきた。
まだ午前中で浮かれて騒ぐ時間ではないが・・・と、一瞬とまどったが、それはパチンコ屋から流れてくる景気の良い音楽であった。
「そうか、都会では朝からこんな音楽をかけてテンションを上げているのか・・・」
久しぶりに聞く、その賑やかなというか、騒々しい音楽に、さっきまでのすがすがしい気分はどこかへ行ってしまい、少々複雑な気持ちになった。
どのような人達が平日の朝から熱心にパチンコ台に向かっているのかは存じませぬが、もう少し健康的で生産的な事をされるのが、御自身の身のためではござらぬか・・・・・。
すがすがしく新鮮な空気の里山で小鳥の鳴き声を聞きながら、野菜やワンちゃんの世話をする方が、どれほど気持ちが良いことか。気持ちが良いということは健康に良いというであります。
これから先々の健康問題、年金対策、そして災害に対する備えなどなど、将来のことを考えたら、このような所で朝からのんきに遊んでいる場合ではござらぬのではござらぬか?
百歳まで元気で長生きしたければ、里山暮らしを行うべし! いつやるの? 今でしょう!
そんなひとり言をブツブツと言いながら、ご主人様は車に乗り込み、エンジンをかけた。
ラジオでは高田文雄のトーク番組をやっており、その日のゲストはなんと天下の大御所タケシ様である。抱腹絶倒の掛け合いトークが展開され、ご主人様の気分は一気に天界まで駆け上がった。
なんともバカバカしい話が最高に面白い。ご主人様は車の中で笑い転げそうになった。
木更津から君津へ向かう幹線道路は、折からの大雨で川のような流れになり始めていたが、ご主人様は昼食代わりに用意していたバナナと菓子パンと缶コーヒーをアイスボックスから取り出し、ハンドルを慎重に握りながら、鼻唄まじりで食べ始めた。
タケシ殿の爆笑トークの後、ラジオでは明日(7日)のAKB48総選挙を報じていた。
雨の道を走る車の中ご主人様は考えた。
ニッポンは平和である。平和過ぎるほど平和である。
そして不思議な国である。
世界の人々は「奇跡の国」とニッポンを表現することがある。
奇跡の国を造り上げたそのエネルギーの源はどこにあるのか・・・・・
静かな里山で、ご主人様はそのことを考えつづけている。