赤いコートを買う

年をとると何でも無難な方を選択してしまう傾向にある。

変化を好まず現状維持を求めてしまう。洋服選びもそうだ。基本的にグレーや紺色、黒を選んでしまう。それらの色は私にとって、無難な色なのだ。
買って後悔することも滅多にないし、周りの人に溶け込み、目立たない色なのだ。
が、どうしたことだろう。今年は赤いコートが欲しいと思った。それも、くすんだえんじ色ではなく、明るい赤がいい。
昔、誰かのエッセーで、女性が赤い服を着る時は、何か挑戦的な心情であることが多いと書かれていたことを思い出す。
攻める気持ちか。

最近は現状維持が精一杯であった。しかし、心の奥底で、何かに挑戦したい何かを変えたいと思っているのかも知れない。
そうだ。あのコートを着てイルミネーションがギラギラの都会を歩こう。白いスラックスと合わせてもいいかも。
ただ、サンタに仮装しているおばさんと思われる可能性大だね。