みかんのつぶやき。植物とか妄想とか愚痴とか情報のゴミ。

西瓜

昔は西瓜って今ほど

高かったのだろうか。


何しろその頃自分で

購入していないので

価格の比較は出来ないが。


子供の頃は家族が多かった。

西瓜は井戸水で冷やされていた。

それを大きなお盆に乗せて

濡れ縁にもって行く。

切る前に父が

「どれ、熟れているかな」と

西瓜をペシペシ叩くのは

いつものお約束。


包丁を入れるとピシッといって

弾けるように割れる。

果汁滴る赤い果肉が顔を出す。


形、大きさ様々に

切り分けられた西瓜。


大きい西瓜を選ぶのは兄、

小さくて尖んがった西瓜を

選ぶのは私。

少し塩をふりかけて食す。


蚊取線香のかおりが漂う

濡れ縁で星を見ながら

食す。


誰かが

「あれ、今日はみかんの

誕生日だったね。

みかんの誕生日は

いつも西瓜たべてるなあ。」

と言い出す。


ああ、そうだったんだ。

西瓜はバースデーケーキの

変わりだったのか~


まあ、いいや。みんなで食した

西瓜は美味しかった。


あれから幾年月。

思えば私以外の家族は

みんな天界に去った。

兄も若くして去った。


今はスーパーで8分の1の

西瓜をたまに買う。

そして、持て余す。


甘味は現在の西瓜の方が

強いだろうが

美味しさは思い出の中の

西瓜には敵わないのである。

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