ぶどうの木

建築設計、施工

根伐工事と地山の管理

2015年11月11日 | 建物の構造
記事投稿 2015年12月15日

地盤掘削時の地盤崩壊

地盤掘削を進めると土留め壁や掘削底面に力がかかり、地盤に様々な現象が起こります。


ボイリング( Sand Boil )

透水性の大きい砂質土地盤で鋼矢板土留め壁を用いて掘削する場合は、掘削の進行に伴って土留め壁背面側と掘削面側の水位差が除々に大きくなる。この水位差のため、掘削面側の地盤内に上向きの浸透圧が生じ、この浸透圧が掘削面側の地盤の有効重量を超えるようになると、砂の粒子が湧きたつ状態となり、この状態をボイリングという。

ボイリング現象の再現


Sand Boil Forms -- Sand Volcano [educational]




パイピング(soil piping)

パイピングは,土中の浸透水によって水みちができることにより生じる土粒子の移動現象をいう。

砂質土の掘削で地下水、河川など水の影響を受け、掘削底面の地盤から砂質土が沸騰するように吹き出る現象。局所的なクイックサンドをいう。
土留めを、鋼矢板、SMWなど遮水性の高い工法を採用した場合に要注意。パイピング(piping)は同じ意味で使われてるようです。

地中の水を排水することで、抑止することができる。薬液注入し底盤の地盤改良をする。

Piping Failure.wmv



Soil Erosion under a Dam: Classroom Demonstration from Grounded!




液状化(quick sand)

砂質土の地盤が地下水などの水を含んだ状態で、地震などの振動を受けると、液体のように流動する。建物が傾いたり、地盤が割れたり膨らんだりする。

液状化の実験2




ヒービング(heaving of the bottom of the excavation)

沖積粘性土地盤のような軟弱地盤の場合には、掘削の進行に伴って鋼矢板土留め壁背面の土の重量などにより、土留め壁背面の土が掘削底面へ回り込んで掘削底面の隆起、土留め壁のはらみ、周辺地盤の沈下が生じる。この状態をヒービングという。



軟弱な粘性土(N値が3以下)の掘削で、土留め背後の土が土留め壁の下を通りに押し出される現象。掘削底面全体が押し上げられる。最終的に土留め壁の崩壊に至る。根土留め壁の根入れを十分深くすること。



盤ぶくれ


粘性土と砂質土が交互する地盤を掘削する時、掘削底が被圧滞水層の地下水揚圧力で隆起する現象をいう。





掘削底面下に粘性土地盤や細粒分の多い細砂層のような難透水層があり、その難透水層の下に水圧の高い透水層が存在する場合は、掘削底面に盤ぶくれが発生する。


水を通さない難透水層の掘削で、その下に地下水、地下水を含んだ通水層で構成されているところに、掘削を進めていった場合、以前は地盤の載荷重と地下水圧とで均衡が取れいたものが、掘削されることで地盤荷重が減らされ、地下水圧が掘削底面を全体を押し上げる現象。最終的にボイリングを起こし地盤の崩壊に至る。

地下水をくみ上げ、帯水層の水圧を下げる。底盤の地盤を改良し止水性を持たせる。




掘削状況 地盤の監視
掘削底面の破壊現象に対して、掘削底面の隆起状況を目視点検による監視や観測井、間隙水圧計などで計測管理する。







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