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共和党大会はじまる トランプ色の政策要綱を採択
7月19日 10時10分
アメリカ大統領選挙に向けて、8年ぶりの政権奪還を目指す野党・共和党の全国党大会が日本時間の19日未明から始まり、トランプ氏を党の大統領候補に正式に指名することになっています。初日は、貿易政策などでトランプ氏の主張を反映した党の政策綱領を採択したのに続いて、外交や安全保障をテーマに政治家などが演説することになっています。
4日間の日程で行われる共和党の党大会は、中西部オハイオ州のクリーブランドの屋内競技場で、各州から選ばれた代議員や一般の共和党員などが参加し、18日午後(日本時間の19日未明)に始まりました。
冒頭で出席者全員が、南部ルイジアナ州で前日に起きた銃撃事件で犠牲になった3人の警察官などに黙とうをささげました。
会場では、日本時間19日朝6時前に選挙戦で事実上の公約となる党の政策綱領が採択されました。この中では、まず貿易政策については、トランプ氏が離脱を明言したTPP=環太平洋パートナーシップ協定について直接の言及はないものの、「アメリカ第一主義に基づいたよりよい内容の貿易協定が必要だ」としています。また、移民政策については、「アメリカ南部の国境を守る壁を築くことを支持する」ともしており、メキシコとの国境沿いに壁を築くべきだとして、トランプ氏の主張を色こく反映したものとなっています。
党大会はこのあと、日本時間の19日午前9時から、「アメリカの安全」を議題に外交や安全保障について、政治家や俳優などおよそ20人が演説するとともに、トランプ氏の夫人のメラニアさんも演壇に立ち、トランプ氏への支持を呼びかけることになっています。党大会は、2日目の19日には、トランプ氏とインディアナ州のペンス知事を党の正副大統領候補に正式に指名するになっています。
一方、今回は、前回の大統領選挙で共和党の候補だったロムニー氏やブッシュ前大統領などは出席せず、トランプ氏と党主流派の間の溝も浮き彫りとなっていて、トランプ氏としては、党大会で結束を演出して本選挙に向けて弾みをつけたい考えです。
トランプ氏指名に反発 混乱も
共和党の党大会は18日、トランプ氏を指名するための手続きを進めようとしたところ、トランプ氏に反発する代議員らがこれに異を唱え、議事運営が一時、止まるなど混乱する異例の事態となりました。結局、トランプ氏に反発するグループの訴えは聞き入れられませんでしたが、共和党内で、トランプ氏への不信感が依然として根強いことを示すものとなりました。
会場周辺 抗議活動で警備強化
会場の周辺ではトランプ氏に対する抗議活動も始まっています。このうち、会場近くの公園で行われた集会では、人々が「トランプ氏は、人種や性別、宗教に基づく差別をやめるべきだ」などと訴えていました。カリフォルニア州から来たという男性は「トランプ氏が大統領になってしまうのではないかと心配しています。彼は偏見に満ちあふれ、この国の人種差別を悪化させている。このままではこれまでで最悪の社会の分断を招いてしまう」と話していました。
また、郊外では、トランプ氏が厳しく対応すべきだと主張するメキシコからの不法移民について権利の擁護を訴える団体など数百人が集まり、中心部に向けてデモ行進を行いました。
一方、党大会の会場周辺には、トランプ氏の支持者やイスラム教徒を批判する保守派の団体も集まり始め、トランプ氏に反対するデモ隊との間で衝突が起きることが懸念されています。
また、このところ、捜査現場での黒人の扱いに対する反発から、警察官が銃撃されて死亡する事件が相次いでいるため、警察は不測の事態に備え警戒を強めています。今回の党大会に合わせて、警察やFBI=連邦捜査局などは、各地からの応援を含めおよそ5500人の態勢で警備に当たっていて、クリーブランド中心部にはおよそ6キロにわたる鉄製のフェンスを使った立ち入り制限区域が設けられるなど、市内はものものしい雰囲気に包まれています。
「党内結束に導く」前選対幹部アメリカ大統領選挙に向けて、共和党のトランプ氏の選挙対策本部長を務めたルワンダウスキ氏がNHKの取材に応じ、トランプ氏は共和党員の支持を広げていて、党内を結束に導くことができると強調しました。
コーリー・ルワンダウスキ氏はトランプ氏の陣営の選挙対策本部長を務めた側近で、トランプ氏の過激な発言を前面に打ち出し支持の拡大を図りましたが、陣営が選挙戦略の転換を目指すなかで、先月解雇されていました。ルワンダウスキ氏は今も、トランプ氏を支持する立場を示しており、党大会が行われているオハイオ州クリーブランドで18日、NHKの取材に応じ、「われわれの選挙戦でトランプ氏の支持者は増え続けた。トランプ氏は、共和党員を団結に導いている」と述べ、党内の結束に自信を示しました。
一方、4年前の大統領候補のロムニー氏など共和党の重鎮が党大会を欠席し、主流派との溝が浮き彫りとなっていますが、「それは彼ら次第であり、彼らに義務や責任があるわけでもない。党大会が成功することには変わりない」と述べ、影響はないと強調しました。
また、トランプ氏が、在日アメリカ軍の駐留など日本との同盟関係の見直しを主張していることについて、「トランプ氏は日本と優れた関係を築いていくだろう。トランプ氏はアメリカ国民を安全に導く人たちと協力するつもりだ」と述べ、日本との関係は重視するという見方を示しました。
党内が結束に向かうことに期待
共和党主流派の重鎮、クエール元副大統領はNHKのインタビューに応じ、トランプ氏は自由貿易の在り方など政策面でも主流派との溝を埋めようとしているとして、今回の大会を通じて党内が結束に向かうことに期待を示しました。
クエール氏は、1989年から当時のブッシュ大統領の下で副大統領を務めた共和党の重鎮で、今回の大統領選挙ではトランプ氏への支持を表明しています。
NHKのインタビューに対し、クエール氏は「トランプ氏の指名を阻もうとする勢力はメディアの注目を集めてはきたが、全くの少数派で試みが成功することはない」と述べ、党大会では大きな混乱なくトランプ氏が大統領候補に指名されるという見方を示しました。そして、トランプ氏が党の主流派が重視する自由貿易に否定的な考えを示してきたことについて、クエール氏は「本人は穏健な姿勢も見せ始め、輸入品に45%もの関税をかける話はしなくなった。妥協の術を心得ている人物なのでビジネスと同様、政治の世界でもうまく取り引きするだろう」と述べ、トランプ氏が政策面でも主流派との溝を埋め、党内が結束に向かうことに期待を示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160719/k10010600441000.html
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
本稿はその保管用記事です。
■ 2010年3月2日
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