- 寄せ木造り
- 割り矧ぎ造り
- 玉眼
- 彫像の目をより本物らしくみせるため水晶をはめ込む技法。寄せ木造りの彫像は頭部も内部がくりぬかれて空洞になっている。そこに眼の部分に穴を開け、内側から目よりやや大き目の薄く磨いた水晶を当てる。裏から水晶に直接、瞳や目尻・目頭のくま、あるいは毛細血管を描き、綿または紙をあてて白眼を表す。最後にこれを木片で押さえて竹釘で留めて完成。この技法を使った現存最古の仏像は仁平元年(1151年)奈良長岳寺の阿弥陀三尊像である。瞳に水晶を嵌める技法はエジプトにもあり、ギリシャ彫刻などでもエマイユを使っている例や、中国では宝玉やガラス珠を入れた作品がある。黒目を黒石で表した奈良時代の東大寺戒壇院の四天王像もそうした例に含まれよう。しかし、玉眼のように目全体を実際の目のように表す技法は、他のどの国にも見出させず、日本独自の技法である。運慶は仏像の種類によって瞳の色や大きさを微妙に変え、それぞれの個性にあわせた見事な演出を行った。
- 金銅仏
- 蝋型
- 土型
- 木型
- 興福寺八部衆像
脚注 [編集]
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- ※岩崎和子監修 『仏像がわかる本 基本の種類と見わけ方』
- イラストは飯島満 (淡交社、2001年)、ISBN 4-473-01848-2 を参照。
参考文献 [編集]
- 瓜生中 『仏像がよくわかる本 種類、見分け方完全ガイド』(PHP文庫 1998年)
- 水野敬三郎監修 『日本仏像史 カラー版』(美術出版社、2001年)
- 河原由雄監修 『仏像の見方見分け方 正しい仏像鑑賞入門』(主婦と生活社、2002年)
- 江里康慧 『仏像に聞く 鑑賞を深めるための基礎知識』(ベスト新書 2003年)
- 松濤弘道 『仏像の見方がわかる小事典』(PHP新書 2003年)
- 真鍋俊照編 『日本仏像事典』(吉川弘文館、2004年)
- 宮治昭 『仏像学入門 ほとけたちのルーツを探る』(春秋社、2004年)
- 宮元健次 『仏像は語る 何のために作られたのか』(光文社新書 2005年)
- 瓜生中 『仏像はここを見る 鑑賞なるほど基礎知識』(祥伝社新書 2005年)
- 『仏像の本』 (ブックス・エソテリカ:学習研究社 2007年) 図版多数
- 瓜生中 『知っておきたい仏像の見方』(角川ソフィア文庫 2007年)
- 紺野敏文 『奈良の仏像』(アスキー新書 2009年)
- 長岡龍作 『日本の仏像 飛鳥・白鳳・天平の祈りと美』 (中公新書 2009年)
- 沢村忠保 『仏像の見方 正しく理解する仏像のカタチ』(誠文堂新光社、2009年)
外部リンク [編集]
関連項目 [編集]
仏像に関連するマルチメディアがあります。