それは宿毛からはじまった

初めて立って見た高知の最西南端にある宿毛(すくも)は夢に描いたよりも今も美しかった。夢を形にする人々と出会った。

じゃこてん

2014-05-02 01:09:18 | 宿毛のこと
大好物になったんです。
「じゃこてん」。

これは香川県丸亀のコンビニにありました。
四国、九州、そして五島列島など、このあたりでは「てんぷら」ってよばれる食べ物です。
東京育ちの私は「テンプラ」って言えば、小麦粉を卵と氷水で溶いて海老や烏賊、キス、そして薩摩芋とシソの葉、シシトウをくぐらして油で揚げて、大根おろしを添えた天つゆで食べるものだと思っていました。

ところが違ったんですね。
魚をすり身を揚げたものを「てんぷら」って呼ぶんですね。
東京風おでんの茶色い汁の中にいる甘くて粉だらけの錬りモノ「サツマアゲ」とも違う。
もっと魚の風味が強いんです。
自家製の「つみれ」を平らにして揚げたような感じです。
養母の実家のある九州は大分の家庭でつくるエソの身をすり鉢で掏って卵白と山芋を加え塩で味を調えた「しんじょ」にも似ていなくもない。
私はこれが大好きだけど、東京でエソは見たことがないから作れない。
鰹節や化学調味料ではなくてね、刺身を取ったあとの魚のアラで作る出汁の澄まし汁に「しんじょ」を貝杓子ですくって落とすと、半月型の白い「しんじょ」がぽっかり浮いてくる。
これはうまい、とてもうまい。

一般に、西の方では夕食の膳に澄まし汁が出る。
東の方では夕食でも味噌汁が出るらしいが、父も養母も西出身者だったので夕食には透明な潮汁や澄まし汁だった。
そんな実家だったのに、どうしてか「テンプラ」は関東風だったけどね。

ちなみにウィキペディアによると、真薯(しんじょ)とは日本料理の一。「糝薯」「真蒸」「真丈」といった表記もされ、「しんじょう」と呼ばれる場合もある。
エビ、カニ、魚の白身などをすりつぶしたものに、山芋や卵白、だし汁などを加えて味をつけ、蒸したり、ゆでたり、揚げたりして調理したもの。お吸い物やおでんの具にしたり、直接薬味をつけて食べるなどする。エビを使ったものをエビ真薯、カニを使ったものをカニ真薯という風に呼ぶ。

八百善の四代目当主、栗山善四郎によって著された江戸料理の献立集、『料理通』(1822年)によれば卵白だけを加えたものをかまぼこ、山芋と卵白を加えて練ったものを真薯というとされているらしい。