由美ちゃんのうたた寝日記

日常の些細なことを感じるままに書いています。

政治の私物化

2017-06-17 17:53:23 | 日記
 我が家で取ってる今朝の新聞の記事が、端的に自分の思いを語ってくれていたので、紹介する。

   識者インタビュー「共謀罪と国会」  作家 高村薫さん


    国民欺く政治 一線越えた

国会は死んだのかもしれない。

「共謀罪」法を成立させた国会を見てつくづく感じた。

 安倍内閣に支持率50%を与えている私たちの責任でもある。

代わる人のいないことが高支持率の要因の一つだが、そうだとしても常識的な判断力が働いていれば、

「ノー」と言うべき状況だ。

今の政治状況は、明らかに超えてはいけない一線を越えているのだから。

有権者の多くが、まだこの政治にげたを預けているのは、戦後72年の繁栄と安定に寄りかかっている慢心

だろう。


      政府のうそ

 国際組織犯罪防止条約の批准には「共謀罪」法が必要、という政府の入り口の説明からしてうそ。

テロ対策というのもうそ。政府が国民に対してうそをついた時点でアウト。「共謀罪」を刑法として

詳細に検討するのは、一般国民にはハードルが高いので、国会では一般人も共謀罪の対象になるのか、

というところに議論の焦点が絞られたが、そこまで単純化しても政府はまともに答えなかった。


 国民を欺いてまで成立させた共謀罪法の意義について、政府、与党は初めから国民に説明する言葉も

持っていない。反体制的な異論や労働運動を封じ込める、警察の介入をしやすくする、それに資する

法律があったらいいね、ということでやっただけ。安倍政権の発想の母体となっている保守系団体

「日本会議」の空気、もしくは情緒が、必要性さえ明らかにしないまま、既遂処罰という刑法の大原則を

変えてしまった。

 共謀罪法審議や安倍首相の答弁に象徴されるように、政治家にはいまや国会が言論の府であるという

意識はないし、国民もそれに慣らされてしまっている。


政治の言葉を国民に届けるにはたいへんな労力が必要だが、今の政治家はそこをすっ飛ばす、平気でうそ

を言う、ねじ曲げる。安倍首相も絶対に真正面から向き合わない。

 この流れは、不可逆的だろう。かっての日本もこれに似た大政翼賛の政治が続き、最終的に300万人が

死んでやっと止まった。政治のうそや欺瞞が有権者に伝わっていない以上、政権と戦う姿が国民の目に

はっきり見えるようなメディアが必要ではないか。



       欠ける理性

 安倍首相の憲法改変発言は、悲願と言われる割に軽い。彼には国民に向けて持論を展開するだけの

論理はない。あるのは底の浅い情緒だけ。それを国会も有権者も認めてしまっているのは、日本の社会が

情緒で動いている証左。

 一人の為政者の情緒で憲法をいじられてはたまらない。私たちは長年、現に存在する自衛隊と9条に

折り合いを付けてきた。あえて現状に合わせようと一筆書き込めば、必然的に集団的自衛権に一層近づく

余地を与えることになり、デメリットのほうが大きい。ある意味「なあなあ」でいることが国民の知恵、

理性。私たちの社会に欠けているのはそういう理性ではないか。今回の森友、加計学園問題は、政治の

私物化としか言いようがない。それができてしまうのが不思議。


 政治家が育っていない寒々とした荒野。

国連の関係者が懸念を表明するような切羽詰まった社会状況にある今、政治がしていることを、強く

疑ってみるとき。軌道修正は、私たち有権者にしかできない。

 (内容一部省略)



  家族や友人等、自分にとって大事なのはみな同じ。しかし森友、加計問題は、一国の総理が国民の

税金を自分の友人や親しい人たちのためにつぎこもうとしている、という疑惑。


「政治の私物化」加計問題が表面化してから、この言葉が、私の頭のなかでぐるぐると回っている。