ひょんなご縁で随分昔のシルクハットを頂く。
一個入りの箱は見たことがあるが、2個入りのは初めて。
きちんと立ててしまえるように出来ている。おまけに固定用のバネには傷つき防止のため、シルクのお座布団まで。
在りし日のオーナーの写真が添えられて。 正装のお姿。
学者さんだったそうだ。
よもや今頃わたくしの家にこれが来ようとは、生前チラともかすめはしなかったはず。
この2つのシルクハットにどんな使い方の違いがあったのか。興味はつきない。
どちらもわたくしがヅラ無しで被って丁度いいくらい小さい。
この時代の男性は頭が小さかったのだろうか。
学者様で頭が小さいということは、頭の良し悪しは大きさで決まるわけではない・・・ということが、証明される。
帽子はコスチュームともども、その時代の生活習慣が浮かんでくるもんだが、何でまたこんな形の帽子が一般的になったんだろうか。
ことさらシルクハットには不思議な魅力が漂う。
イギリス紳士もかぶったかもしれないが、手品師が鳩を出したり、サーカスの団長が挨拶したり、ロック歌手がコインを並べて括り付けてみたり、キ〇ガイの帽子屋が被っていたり、何か、正式なものからイカガワシイものへ自由に移動するところがよい。
そもそも男性のものだったかもしれないが、ジャン・ポール・ゴルチエはショーの中で美しいドレスのモデルたちにこれを被せているし、ジェンダーも何も、あらゆる決め事を超えてしまう魅力があるのであります。
確か飛行鬼もこれをかぶっていたわね。
人間であるかどうかも超えて。
どんなお衣装にもマッチする魅力。
タキシードにもドレスにもジーンズにも。
この帽子を丁寧に作って「A.N.」とイニシャルを入れてお届けした帽子職人の事を考えたり、これを受け取って、丁寧に被って、使用後は丁寧に箱に入れて鍵をかけたオーナー(あるいはその夫人) のゆったりとした生活を思う。
暮らしや仕事が丁寧であるということは、何と素晴らしいことか!
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