シナトラが歌って、今やおっさんのカラオケ得意曲の定番となった「My Way」。
オリジナルはフランスの曲だった・・・ということはシャンソン歌いの間では有名です。
しかし、それを作って歌ったオリジナルシンガーがこんな奴だったとは!
というわけで、昨夜見た映画。
60年代~70年代にかけてのフレンチポップススター「クロード・フランソワ」
そっくりな俳優が演じている。
フランスのスーパースターだったようだが、その実、大変な策略家であり、嫉妬の塊、ナルシスト、パクリ魔・・・・など、形容のしようがないイヤな面が描かれていて、何だか逆宣伝みたいな映画です。
裏返してみれば、商売熱心で、好奇心旺盛な努力家なので、アメリカで流行っているものとか、何でもいち早く取り入れ、ヒットに結びつけるし、歌の他にも自分のそっくりフィギュアを作って売ろうとか、自分ブランドの香水の発売とか・・・。
まあ、実業家として成功したと言えるでしょう。
またまたそれを裏返せば、強引で嫉妬深く傲慢なので、グルーピーは沢山いたにも関わらず、最初の妻はジルベール・ベコーに取られ、フランス・ギャルを恋人にするも逃げられ、2番目の妻は子供を連れて逃げる・・・という、当然の結果も数々あるわけです。
浮き沈みの激しい芸能界でトップの座を守ろうとする人生は、華やかであり、同時に電気代にも事欠くような台所事情もあったようです。
その上、ポールアンカが「マイ・ウエイ」として英語詞を書き、フランク・シナトラによって世界的ヒット曲になった例の「Comme d'habitude」の原作者だと言うのに、ホテルのロビーでシナトラを見かけた時には声も掛けられなかった、「チビでガニ股」コンプレックスもあったらしく。
傲慢と卑屈は裏表なのでしょう。
まったくイヤな男だ・・・ということを感じた映画でした。
でも、ベコーやダリダやブレルがオランピアでブイブイ言わせていた時代の様子がよく分かって面白かったことも付け加えておきましょう。
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