
この日、おねえ子はユネスコキャンプが7時40分集合だった。
6時に起きて荷物を揃え
(キャンプに同行する看護婦さんが
昨日足りないものを届けてくれていた)
7時に実家を出た。
本当はチビ子も連れて行けば実家に戻ることなく自宅に行けたが、
チビ子はよく寝ていたので旦那に託して出た。
第一起こして早く行くとその分私が疲れるもの・・・。
実家を出て半分近く過ぎた所だった。
「メガネ忘れた!」
おねえ子~~~~~いつも行く場所友達ならいざ知らず、
初めて会う友達の顔も見えなかったらシャレにならないよ!
慌てて旦那に電話して持って来て貰った。
ギリギリだー!!
8時出発のバスが正に出発しようとした所を停めて乗せてもらう(恥ずかしすぎ)
まあ最悪、後から自家用車で送って貰えるんだけど、
バスでのレクリエーションから参加したいよねえ・・・。
普段なら本人のせいにしてバスは諦めるけど、この日は諦められません。
旦那はそのまま自宅に向かったのでチビ子はどうしてるやら…。
実家に戻ると意外にもニコニコ顔でいとこのりゅうくんとご飯を食べていた。
いとこパワー万歳!
チビ子の支度をして再度出発。
自宅手前でレオちゃんの元の飼い主と嫁いだ娘さん(私より年上)に出会った。
「この度は大変でしたね レオ、うちに引き取ります」
「実は…親戚の家に預けていたんですが、昨晩逃げてしまって…
申し訳ありません」
「いえいえ、いいんですよ 長い間ありがとうございました」
↑まるで死んだみたいな言い方
「いえ、家族でしたから…本当に楽しかったです」
そう、引っ越してきてから最初の四年は近所で一番幼く慣れていた犬として、
次の四年はうちの家族として、レオちゃんはずっとそばにいた。
最期まで面倒を見るつもりがこんなことになって…
もっと美味しいものをいっぱい食べさせて、
もっと一緒に散歩してやれば良かった。
人が亡くなっても犬が死んでも、いつも後悔ばかりが残るのだ。
自宅に着くと、なんと荒木くんのママが先に着いていた。
しかもパパまで連れて。
私の友達が来たのは初めてだったので話が弾み、気持ちが明るくなった。
よりにもよって寝室に布団を敷きっぱなしで出かけていたので
それを見られるのは恥ずかしかったが、
荒木ママは「うちも布団上げるのは友達が来るときだけよ~」と笑った。
本当でないとしても救われる。
「うちのゆうとはね、寝るときパジャマを着ないんよ」とか。笑。
「ここ、いいとこやね~」と言う荒木ママの明るさが救いだった。
昨日3部屋の泥出しがやっとだったので、今日の目標はあと2部屋だったけれど、
旦那と4人でなんと午前中でこの2部屋が終わった。
荒木夫婦にお礼を言ってお昼を食べに出た。
荒木夫妻が途中の川で長靴を洗っている様がとても明るくて救われた。
私が食欲が無いのでお昼はビュッフェ形式の食堂に行った。
私はひじきと冷奴だけとった。昨日よりは食べられるようになってきた。
食べている途中、おねえ子の担任の先生から着信があった。
お店の外に出て話す。
「お母さん、大丈夫でしたか!?」
「・・・家は大丈夫じゃなかったです・・・」
ここでまた涙がこぼれた。
家が埋まっていること、おねえ子が一人で留守番していたことを説明した。
先生は相槌を打って励ましてくれた。
午後になると、昨日来てくれた義弟と旦那の後輩が来てくれた。
後輩の方は忙しいサラリーマンなのに・・・申し訳ない。
少し遅れて宇部の義兄が来てくれた。
「災害ボランティア休暇下さいって言ったら、親族はダメって言われたよ~」
親族・・・ダメなんだ。
なんと5年生の甥っ子も一緒だった。
ちなみに旦那は会社が災害特別休暇を8日間とれるよう手続きしてくれた。
大きな泥を一応出したので、次に何をしようと迷っていた私たちだったが、
義兄がリーダーシップを発揮して
「よし、この部屋をある程度綺麗にしよう」と
リビングにあるものを全て床の間部屋に移動し始めた。
捨てるものを分別すれば量は減るけれど、時間がかかりすぎる。
途中から分別せずにランダムに袋に入れてよけていった。
リビングの隅の泥をかきだし、川から水を汲んでデッキブラシで洗った。
ほんのりと元のフローリングの色が見えたときは感激した。
なんだか家が直っていくような気がした。
元々古いフローリングがゆるい部分があったせいで、
2日間の作業で床が抜けた部分もあった。
どうせ張替えだからいっか!
午後は人数が増えたので、私は泥にまみれた衣類を川で泥落としした。
とてもそのままでは洗濯することも出来ないけれど、
川の流れが速いので泥が結構落ちた。
こうして出てきた洗濯物は、旦那の後輩が引き受けて帰ってくれた。
5年生の甥っ子は義兄についてデッキブラシをかけたり、
椅子を川に洗いに来たりとせっせと働いていた。
ショックを受けてないだろうか。
「あっくんごめんね。」
「何が?」
「夏休みなのに、えらい(疲れる)やろう」
「別に・・・暇だったから」
そっけない言い方だが、すごく優しい子だ。気を使ってるのだろう。
旦那が「あっくん、今年の自由研究はこれで決まりだな」と言った。
「叔父さんの家が被災しました。被災って分かるか?
僕は泥を落とすお手伝いをしました、って」
皆が笑った。なんだか嬉しくなった。
ブレーカーを上げてもすぐ落ちてしまうので中国電力に電話すると
小さなブレーカーで部分的にあげる方法があるという。
試してみると5つの内、2つは上がった!
リビングが生きていたのでシーリングファンが回った。涼しい!
おまけに室外機が少し泥に埋まって諦めていたクーラーも動いた。
嬉しい!まだローンが19回残ってるんだもん。
はっと気づいて、冷凍庫に残っているものをクーラーボックスに詰めた。
レンジですぐ食べられるものは一人暮らしの義弟に持たせた。
午後2時。おねえ子が親しいもえちゃんが住んでいる
隣に地区に避難勧告が出たという。
ため池が決壊するおそれがあるらしい。
私達を心配した友達から私にも旦那にも連絡が入った。
幸い、うちの地区は避難勧告は出なかったので夕方まで作業した。
昨日からヘリが何度も何度も空を飛んでいる。
昨日は小野方面に救急車が何度も往復していた。
小野はきっとここよりひどい。
でも、私たちだって心身共にかなりの打撃を受けてるのに。ジレンマ。
市役所は相変わらず誰一人来なかったが、
県会議員や市議会議員、東京から来た誰かの秘書、
そして元外相の高村夫人などが通った。
誰でも良いから少しでも状況を見て何かを感じて欲しいと思った。
おねえ子がいないので、チビ子がぐずるかもと思ったが
意外にもチビ子はりゅうくん(甥っ子)と仲良く遊んでいた。
この日は前日よりは胃が痛まずすんなり眠れた。
余談だが、旦那のお義母さんが少しおかしいという話が出た。
確かに普段ならまっさきに現場にかけつけて
洗濯物を自分で奪い取ってでも持ち帰るような人なのに、
この2日、全く現場に行きたがらず、
「どうしよう、どうしよう」と言いながらフキを摘み、
それを煮付けて近所に配っているそうだ。
おそらくパニックになって逃避行動に出ているのだろうという話だった。
そりゃあ、息子の家が被災したらパニックにもなるだろう。
私達のせいでお義母さんまでがこんなことになって申し訳なかった。
つくづく、私の実家が遠くてよかったと思った。
6時に起きて荷物を揃え
(キャンプに同行する看護婦さんが
昨日足りないものを届けてくれていた)
7時に実家を出た。
本当はチビ子も連れて行けば実家に戻ることなく自宅に行けたが、
チビ子はよく寝ていたので旦那に託して出た。
第一起こして早く行くとその分私が疲れるもの・・・。
実家を出て半分近く過ぎた所だった。
「メガネ忘れた!」
おねえ子~~~~~いつも行く場所友達ならいざ知らず、
初めて会う友達の顔も見えなかったらシャレにならないよ!
慌てて旦那に電話して持って来て貰った。
ギリギリだー!!
8時出発のバスが正に出発しようとした所を停めて乗せてもらう(恥ずかしすぎ)
まあ最悪、後から自家用車で送って貰えるんだけど、
バスでのレクリエーションから参加したいよねえ・・・。
普段なら本人のせいにしてバスは諦めるけど、この日は諦められません。
旦那はそのまま自宅に向かったのでチビ子はどうしてるやら…。
実家に戻ると意外にもニコニコ顔でいとこのりゅうくんとご飯を食べていた。
いとこパワー万歳!
チビ子の支度をして再度出発。
自宅手前でレオちゃんの元の飼い主と嫁いだ娘さん(私より年上)に出会った。
「この度は大変でしたね レオ、うちに引き取ります」
「実は…親戚の家に預けていたんですが、昨晩逃げてしまって…
申し訳ありません」
「いえいえ、いいんですよ 長い間ありがとうございました」
↑まるで死んだみたいな言い方
「いえ、家族でしたから…本当に楽しかったです」
そう、引っ越してきてから最初の四年は近所で一番幼く慣れていた犬として、
次の四年はうちの家族として、レオちゃんはずっとそばにいた。
最期まで面倒を見るつもりがこんなことになって…
もっと美味しいものをいっぱい食べさせて、
もっと一緒に散歩してやれば良かった。
人が亡くなっても犬が死んでも、いつも後悔ばかりが残るのだ。
自宅に着くと、なんと荒木くんのママが先に着いていた。
しかもパパまで連れて。
私の友達が来たのは初めてだったので話が弾み、気持ちが明るくなった。
よりにもよって寝室に布団を敷きっぱなしで出かけていたので
それを見られるのは恥ずかしかったが、
荒木ママは「うちも布団上げるのは友達が来るときだけよ~」と笑った。
本当でないとしても救われる。
「うちのゆうとはね、寝るときパジャマを着ないんよ」とか。笑。
「ここ、いいとこやね~」と言う荒木ママの明るさが救いだった。
昨日3部屋の泥出しがやっとだったので、今日の目標はあと2部屋だったけれど、
旦那と4人でなんと午前中でこの2部屋が終わった。
荒木夫婦にお礼を言ってお昼を食べに出た。
荒木夫妻が途中の川で長靴を洗っている様がとても明るくて救われた。
私が食欲が無いのでお昼はビュッフェ形式の食堂に行った。
私はひじきと冷奴だけとった。昨日よりは食べられるようになってきた。
食べている途中、おねえ子の担任の先生から着信があった。
お店の外に出て話す。
「お母さん、大丈夫でしたか!?」
「・・・家は大丈夫じゃなかったです・・・」
ここでまた涙がこぼれた。
家が埋まっていること、おねえ子が一人で留守番していたことを説明した。
先生は相槌を打って励ましてくれた。
午後になると、昨日来てくれた義弟と旦那の後輩が来てくれた。
後輩の方は忙しいサラリーマンなのに・・・申し訳ない。
少し遅れて宇部の義兄が来てくれた。
「災害ボランティア休暇下さいって言ったら、親族はダメって言われたよ~」
親族・・・ダメなんだ。
なんと5年生の甥っ子も一緒だった。
ちなみに旦那は会社が災害特別休暇を8日間とれるよう手続きしてくれた。
大きな泥を一応出したので、次に何をしようと迷っていた私たちだったが、
義兄がリーダーシップを発揮して
「よし、この部屋をある程度綺麗にしよう」と
リビングにあるものを全て床の間部屋に移動し始めた。
捨てるものを分別すれば量は減るけれど、時間がかかりすぎる。
途中から分別せずにランダムに袋に入れてよけていった。
リビングの隅の泥をかきだし、川から水を汲んでデッキブラシで洗った。
ほんのりと元のフローリングの色が見えたときは感激した。
なんだか家が直っていくような気がした。
元々古いフローリングがゆるい部分があったせいで、
2日間の作業で床が抜けた部分もあった。
どうせ張替えだからいっか!
午後は人数が増えたので、私は泥にまみれた衣類を川で泥落としした。
とてもそのままでは洗濯することも出来ないけれど、
川の流れが速いので泥が結構落ちた。
こうして出てきた洗濯物は、旦那の後輩が引き受けて帰ってくれた。
5年生の甥っ子は義兄についてデッキブラシをかけたり、
椅子を川に洗いに来たりとせっせと働いていた。
ショックを受けてないだろうか。
「あっくんごめんね。」
「何が?」
「夏休みなのに、えらい(疲れる)やろう」
「別に・・・暇だったから」
そっけない言い方だが、すごく優しい子だ。気を使ってるのだろう。
旦那が「あっくん、今年の自由研究はこれで決まりだな」と言った。
「叔父さんの家が被災しました。被災って分かるか?
僕は泥を落とすお手伝いをしました、って」
皆が笑った。なんだか嬉しくなった。
ブレーカーを上げてもすぐ落ちてしまうので中国電力に電話すると
小さなブレーカーで部分的にあげる方法があるという。
試してみると5つの内、2つは上がった!
リビングが生きていたのでシーリングファンが回った。涼しい!
おまけに室外機が少し泥に埋まって諦めていたクーラーも動いた。
嬉しい!まだローンが19回残ってるんだもん。
はっと気づいて、冷凍庫に残っているものをクーラーボックスに詰めた。
レンジですぐ食べられるものは一人暮らしの義弟に持たせた。
午後2時。おねえ子が親しいもえちゃんが住んでいる
隣に地区に避難勧告が出たという。
ため池が決壊するおそれがあるらしい。
私達を心配した友達から私にも旦那にも連絡が入った。
幸い、うちの地区は避難勧告は出なかったので夕方まで作業した。
昨日からヘリが何度も何度も空を飛んでいる。
昨日は小野方面に救急車が何度も往復していた。
小野はきっとここよりひどい。
でも、私たちだって心身共にかなりの打撃を受けてるのに。ジレンマ。
市役所は相変わらず誰一人来なかったが、
県会議員や市議会議員、東京から来た誰かの秘書、
そして元外相の高村夫人などが通った。
誰でも良いから少しでも状況を見て何かを感じて欲しいと思った。
おねえ子がいないので、チビ子がぐずるかもと思ったが
意外にもチビ子はりゅうくん(甥っ子)と仲良く遊んでいた。
この日は前日よりは胃が痛まずすんなり眠れた。
余談だが、旦那のお義母さんが少しおかしいという話が出た。
確かに普段ならまっさきに現場にかけつけて
洗濯物を自分で奪い取ってでも持ち帰るような人なのに、
この2日、全く現場に行きたがらず、
「どうしよう、どうしよう」と言いながらフキを摘み、
それを煮付けて近所に配っているそうだ。
おそらくパニックになって逃避行動に出ているのだろうという話だった。
そりゃあ、息子の家が被災したらパニックにもなるだろう。
私達のせいでお義母さんまでがこんなことになって申し訳なかった。
つくづく、私の実家が遠くてよかったと思った。
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