湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
このような生活に変わったらブログが更新されないかもしれません。

◇ボロボロのサンダルとの別れ

2015年03月22日 15時34分11秒 | ちょっとした出来事?
昨年の春頃から仕事時(某職業訓練校の寮の管理人)に使っていた
上履き用サンダル(*)に暇を出しました。

     * : この履物はスリッパに分類されるかと思いますが、
        サンダルとスリッパの定義が曖昧なので
        ここではサンダルと呼ぶことにします。

仕事に必要だろうと勤務初日(昨年4月)に上履き用のシューズを持って行ったのですが
他の舎監さんに倣って私もサンダルに替えていたのです。

最近、このサンダルが要因(?)となり何回か段差で躓き弁慶の泣き所を打ってしまいました。

   ※これが自宅での出来事でしたら大げさに痛がっていたかもしれません。

最初は階段を上っているときでした。
躓いた原因がわからず、筋力が衰えてきた(腿のあげ方が足りない)のかなと思っただけでした。

2回目に転んで脛を打ったとき、
以前には無かったことが立て続けに起きたので、さすがにおかしいと思い、
原因を考えました。

サンダルを見て分かりました。
先っぽのところが口を開けていたのです。

少し(1cm程度)裂けて下に拡がっているだけでしたが
これが階段を上るときに引っ掛かったのだと推測されました。

   ある調査によると
   高齢者が転んだときに履いていた物として
     ・屋内ではスリッパが第1位(38%)
     ・屋外ではサンダルが第1位(45%) だそうです。

   スリッパやサンダルは一般的に踵が覆われていないのでズレやすく
   また、床が濡れていると滑りやすいので危険性の高い履物だと書いてありました。

   特に高齢者の方はご注意ください。


つま先が引っ掛からないように気を付けて履いていたのですが
みるみるうちに裂け目が拡大し、
甲のベルト部分も千切れて。このような状態になったのです。
(寿命がきていたのでしょう)

・お世話になったボロボロのサンダル
 【画像拡大注意(私の御み足も写っており美しいものではありません)】



   サンダルは古代ギリシャ・古代ローマ時代の一般的な履物のようで、
   ギリシャ神話を描いた絵画の中にも出てきます。
   (上のボロボロサンダルとは形状が異なりますが)

   ホメーロスの叙事詩「イーリアス」に登場する俊足の英雄アキレウス(アキレス)さんも履いています。
   (下のギャラリーに載せた絵では、履いていることになっています)

     アキレウスが私のようにボロボロのサンダルを履いていたら
     俊足を活かせなかったでしょう。
     
     「アキレウスと亀」というパラドックスの話は生まれなかったかもしれませんし、    
     ”瞬足”のシューズも作られている「アキレス株式会社」さんの社名も
     別のものになっていたことでしょう。

  
新しく履き始めたサンダル(といっても家にあって眠っていた物)は
中底部分に多数の突起がある健康サンダルです。

履き心地が良くないのですが、
しばらく我慢して履いてみることにしました。

これを履いてもまた躓くようであれば
今度は運動能力を疑ってみることにします。


・・・・・・・・・・・ ギャラリー 004 (サンダルを履いたアキレウスさんを描いた絵) ・・・・・・・・・・・




 ・画家:ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)         ライセンス: (パブリック・ドメイン)
 ・タイトル:オデュッセウスとディオメデスに発見されるアキレウス
      (Achilles Discovered by Ulysses among the Daughters of Lycomedes)
 ・製作年:1625~1630(?)
 ・収蔵:プラド美術館

     ※女装して紛れていた美男子のアキレウスさんが一芝居に引っ掛かって『アッ、見つかっちゃった』と ・・・
      宝飾品に気がいっていた女性たちがアキレウスさんを見て『アラ、あなた男だったの』と ・・・
      アキレウスさんを探していた男たちが『ここにいたぞ』とでも言っている場面です(?)。

         多くの対象から特定の人/物を探し出したいときに使われる
         文字通り”古典的な”手法に引っ掛かったアキレウスさんです。
                     お馬鹿な英雄アキレウスに、呆れたス ...(((;^^)




 ・画家:ジャック=ルイ・ダヴィッド(Jacques-Louis David)      ライセンス: (パブリック・ドメイン)
 ・タイトル:アキレウスの怒り(The Anger of Achilles)
 ・製作年:1819
 ・収蔵:キンベル美術館<アメリカ テキサス州>

     ※アキレウスさん(左の美男子)の戦利品(捕虜の女性)であるブリーセーイスさん(中央の美女)を
      不本意ながらアガメムノーンさんへ引き渡している場面(?)。
      この一件で恥を掻かされたと怒ったアキレウスさんはイーリオスとの戦いから戦線離脱してしまい
      ギリシャ軍は苦戦することになります。

      アキレウスさんが急所のアキレス腱を射られて(一説によると射たのはアポロンさん(**))重傷を
      負いその後亡くなるのは、これよりずっと後のことです。

         ** : アポロンさんのことは2015/2/26の拙ブログ記事の中にもでてきます。