プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

政府の甲状腺被曝検査結果

2011年08月18日 | 日記
 政府が3月24日から30日の間にいわき市、川俣町、飯舘村の0~15歳の子供達を対象に行った内部被曝検査で、測定した1080人の45%が内部被曝していたとのことです。(以下、引用は『朝日新聞』)検査結果は、「検出限界も含み測定値『0』」が55%、「0.01μSvが26%」、「0.02μSvが11%」、「最高は0.10μSv」です。

 原子力安全委員会の検査基準は、「甲状腺被曝線量が毎時0.20μSv以上」で、この値は「1歳児の甲状腺被曝線量で安定ヨウ素剤の服用を推奨する、100mSVになるには毎時どれくらいの値になるか計算した」もので、これはいうまでもなくIAEAの基準を参考にしたものです。(ちなみにIAEAは6月に基準を50mSvに下げているそうです)つまり、年間でいうと、被曝した子どもの最高の値が50mSvで、10mSv被曝した子ともが約119人、5mSv被曝した子どもが約281人となります。(37%分の人数しか出てませんの、もう少し多くなると思いますが)

 正直、これだけ多くの子供達がこれだけ高線量の内部被曝をしていたことは衝撃です。内部被曝を認めない組織であるIAEAの基準は、現在年間換算で50mSvですから、最高に被曝したとされる子どもは、当然ヨウ素剤を服用しておかなければならない被曝線量に達しています。しかも、この基準は大人しか勘案されていない値ですから、私自身は、10分の1、本当は100分の1の値を「危険値」とするべきだと思っていますから、5mSvいえ、0.5mSvでヨウ素を服用すべきだったと思います。当然、10mSvや5mSvを被曝した子供達は勿論、「0」とされた子供達も、(私は医者じゃないだけに尚更)予防のことを考えれば、全ての子供達が服用しておく必要があったと思うのです。

 しかもこの、子供達を対象にした甲状腺被曝検査の結果が、昨日、いわき市で行われた説明会で発表されたそうなのですが、検査から約5ヶ月経っています。何故発表がここまで遅くなったのか、何故子どもの親に検査結果が通知されなかったのか、本来ヨウ素を服用すべきだったことを隠蔽する為なのかと不信感が湧き上がってきます。検査結果も知らせずに、基準そのものの根拠に疑義がある上に、単に「問題となるレベルではない」というだけの説明では、何か子供達がデータを取るためだけのモルモットにされているのではないのかという疑念さえ湧き上がってきます。

 基準の見直しも当然ですが、子供達の健康の継続的な検査だけでなく、(医療費支給も含めた)治療体制を整える必要があると思います。被曝した子供達の親御さんのご心痛は如何ばかりかと思います。被曝した本人だけでなく、ご家族の精神的なケアもまた、政府の、行政の重要な責務だと思うのですが・・・

P.S. 政府と東電が、行程表を改定しました。そのなかで、「原子炉の冷却については、東電は今後、原子炉内の冷却水が100度以上の2、3号機について、それぞれ9月中旬と下旬に注水量を増やして冷温停止状態を目指す」そうです。逆にいうと、未だ炉内は不安定な高温な状態が続いているということで、注水量を増やさなければいけない状況だということです。また、「6月下旬に循環注水冷却システムが稼動して1ヵ月半がたったが、稼働率は平均69%と低迷」、「(放射能)汚染水は計画どおり減っていない」(未だ10数万トン)状況で、汚染水対策も危険な綱渡りの状態のようです・・・

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