プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

暫定値以下の汚染牛肉の流通再開

2011年08月19日 | 日記
 政府は、出荷停止としていた福島と宮城県の牛肉の指示を解除する(岩手栃木は調整中)方針(以下、引用は『朝日新聞』)だそうです。この結果、「放射性物質に高濃度に汚染された地域や汚染された稲わらを利用した農家の牛でも、全頭検査で基準を下回れば流通する」ことになります。放射能で汚染された稲藁に関しては、「汚染稲わらを受け入れる場所の確保のめどが立たず」、「牛舎から撤去したうえで、スプレーで着色して区別」し、「県が定期的に立ち入りし、数量の管理をする」そうです。

 極めて杜撰で無責任な汚染稲藁の管理方針ですが、もっと杜撰なのは、両県の牛肉流通の再開で、未だ土壌や稲藁の汚染状況もきちんと把握しているとは思えない状況で、これまで汚染した稲藁を食べてきた牛を、暫定値を下回ったからといって誰が安心して購入、食することができるでしょうか?他の食品と同様に、暫定値以下でも、その暫定値自体に根拠がなく、決して「安全値」ではないのであって、内部被曝の恐さを余りにも過小評価しているとしか思えません。

 排出されずに蓄積していく放射性物質は、日々放射線を発し続けるわけで、摂取すればそれだけ危険性を増すことだけは確実です。何度も申し上げますが、癌や白血病などの晩発性障害には閾値はありませんから、被曝量が小さいからといって安全なわけではありません。可能な限り、被爆を避ける必要があるのは当然です。

 福島産であろうと宮城産であろうと、汚染されていない牛肉の流通に異を唱える積りはありません。むしろ中途半端な状況で、流通を再開させることに強い懸念を感じます。それは消費者のみならず、生産者の方々も同じだと思います。農家や流通業者、小売店の仕事を守るためには、まず汚染の把握と対策が一番であって、その補償が十分でなければなりません。それを抜きにして、なし崩し的にお暫定値以下だからといって流通再開と言われても、不安を拭うことはできないのです・・・

P.S. 依然として、汚染牛の内臓に関しては、全くの不問に付されています。汚染されているかどうかも分からずに流通し(した場所では分かるはずで、処分もできると思います)、消費者は選択するすべもなく、知らずに食べることになります。これは非常に大きな問題です。(選択の手掛かりとして、少なくとも何処の県産のものか表示義務が必要だと思います)しかし、このことについて政府は、検討さえしていないように思います。肉と同様、広く薄く国民に汚染を分け与えようとの「ご配慮」なのかも知れません・・・

P.S.2 お焚き上げで問題になった岩手の松の木の問題は、保存会の方々のご努力で、被災者の方々の言葉を、別の木に全て書き写して、京都にて供養されたそうです。(ご苦労様でした)それで明らかになった岩手のガレキの放射能汚染ですが、環境省が「7月に実施したがれきの線量調査では、陸前高田市で10検体中10検体から、最大1キロ当たり1480ベクレルが、宮古市では、10検体中5検体から、最大70ベクレルの放射性セシウムが検出された」そうです。まずは、岩手、そして宮城でのガレキの放射能汚染の実態を調査し、把握し、対処しなければならないようです。被災3県で生じたガレキの総量は、約2200万トンだそうです。(余りにも膨大な量です)環境症は4月に、全国の自治体や廃棄物処理業者に協力要請をしています。協力を申し出ている自治体や企業もあるそうですが、やはり移動や焼却・埋め立てによる放射能汚染の2次的拡散に繋がる恐れがありますから、汚染の可能性のあるガレキを広域に移動させることには賛成できません。放射性廃棄物として、膨大ではあっても、厳重に管理しながら処理していく、実際には、どこかに放射性廃棄物処分場を造って、遮水を厳重にした上で、埋め立てるしかないかと思います。ただ、汚染稲藁の処分にさえできない政府に、これだけ膨大なガレキの処置ができるものかどうかは分かりませんが・・・

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