マーケティングとは?ブランドとは?

とはいえ、まじめな話ばかりだと続かないので、なんでもあり。

企業市民活動も基幹事業の優秀さがあってこそ可能

2005-12-24 12:42:11 | Weblog

日経ビジネス2005.12.16&2007.1.2号の「超国家カンパニー」特集における、スティーブバルマー(マイクロソフトCOO)のインタビューを読み、改めて、社会の公器としての「会社」のあり方について拓かれた感じがしたので、主要部分を引用したいと思います。

優良なグローバル企業とは何でしょうか?一番重要なのは中核事業が優秀であることです。企業市民活動も基幹事業の優秀さあってこそ可能。当社ではソフトウェアの革新性や高品質性、トヨタ自動車は製造や技術力でしょうか。企業価値を高めるには顧客に直接いい仕事をすることなのです。

(中略)

私たちはデジタルデバイドの解消などに取り組んでいますが、ある意味デバイドがなくなれば市場が拡大するわけで、実は当社にとっていいことなのです。これはすべて市民活動ととも言えますし、自分たちの事業への非常に長期の賢い社会投資と言えます。この活動は10年前はしていませんでした。当時の発想は世界でいかに販売するか。それを8年ほど前から考え始め、この4年の間に変えてきたんです。私がマイクロソフトに入社した時、社員数は30人。ビル・ゲイツと私には常に生き残りをかけて戦っている小さな会社でした。しかし、1990年代後半に経験した問題(米司法省と独占禁止法で争う)に直面すると、ある日、目が覚め、世界の人々は我々を違う目で見ていることに気づくのです。世界のリーダーとして注視しているぞと。その期待に応えねば、最終的に企業としての目標を実現できなくなるかもしれない。そう判断しました。

....中国やナイジェリアなどの新興国においてはも、...(先進国と同様のアプローチが可能な)「先進国並みの階層」と、(生活必需品を買う際に使える資金は限られていますが、ひどく貧しいわけではない)「新興国の中産階級」の2つの層は市場資本主義が機能するものです。つまり、手ごろな価格の技術やビジネスモデルを備えた次世代コンピュータ機器をどう作れるか、ということを考えます。....(例えば、どの中産階級の家庭にもあるテレビ、パソコン、DVDプレイヤーを)一体化して1台分の値段にできないか。それを電話会社が販売してインターネットに接続し、月々の通信料で元手をとる携帯電話のようなモデルを作れないかと。...(そして、購買力については)1つは政府2つ目の手段は分量を減らすことで価格を非常に安く抑え、単発的なものにする方法。インドでシャンプーを量り売りしたような例です。

....市民活動を行うのはすべて同じ基本的欲求からきている。世界を変えたい、という欲求です。...よくあなたのモチベーションはお金儲けですか、革新することですか、社会的なものですか、と人に聞かれますが、私が「全部です」と答えると理解できない人が多いようです。それはゲイツが社是に記した通り、「すべての机に、家庭に、コンピュータを」ということからの始まりでした。この社是自体、使命であり、社会貢献であり、社会貢献であり、革新を訴える声名なだけでなく、投資家に対する成長戦略でもあったのです。

表層的なCSR活動ではなく、本業によって社会に貢献することの意味を、結果的にかもしれないが確信したマイクロソフトは今後もますます磐石だと感じました。裏社会の仕事も含めて、意味のない仕事はないと思っていますが、最初から性悪説的に金儲けだけを考えるのではなく、(たとえ裏ではいろいろやっているとしても)性善説的に仕事や会社の意味を捉え続ける方が、結果的に永続的な収益に繋がると思います

まださわりしか読んでいませんが、関連した書籍としてネクストマーケットを正月休みの宿題として読みたいと思います。実はこの話、イノベーションのジレンマにおけるローエンドに対する破壊的イノベーションにも通じる成長戦略の基本とも通じると思います。継続して考えて生きたいテーマです。