On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

上月文化会館PA資料

2010年09月01日 | 音楽活動
上月文化会館 大ホール会館機材資料

 (pdf版はこちらです



 調査日  平成22年7月
 調査者  相生On楽工房 久保田肇、吉田裕一

 目的   上月文化会館に設置の音響機材の有効活用の為の資料作りとします。



A.概要

 住所 〒679-5595 兵庫県佐用郡佐用町上月787-2
TEL 0790-86-1153(代)

 ホール形式 プロセミアム方式
 PA機材棟管理団体  ;なし

客席数 固定席170席+100席

 開閉可能幕等 緞帳、中幕、スクリーン、窓の暗幕

 昇降バトン 2基

 照明設備  舞台天井サスペンションライト(バトン吊り)、;一列

舞台天井ボーダーライト(舞台全体を照らします)

舞台後方ホリゾント(ロア-、アッパー)色つき背景を作ります

客席天井;シーリングライト(舞台を照らします)、客電

客席後方ピンスポット2基

照明卓;客席後方照明室に設置

音響設備 既設音響設備が故障しており、新たに露出配線にて設置。

音響調整卓;客席後方調整室に設置、
入力chモノ12、ステレオ6系統、グループ4、AUX6(調整可能4)

メインスピーカー;客席前方床に1対向設置(JBL)

跳ね返りスピーカー;メインスピーカーの上に設置(BOSE)

ステージモニタースピーカー;接続されていません。(機材あり)

使用可能メディア;CD、カセット

ワイヤレス 8波。但し接続しているのは4波のみ










B.音響機材のリスト及び仕様

 1.音響調整卓 
サウンドクラフト K1  24ch仕様
入力チャンネル  モノラル12、ステレオ6
出力;4グループ、ステレオアウト、6AUX(但し3/4と5/6は切替式)
     操作マニュアル(英語版)





2.出力系統
   ※接続済で使用可能なもの
FOH(Front of House;メインスピーカー)
アンプ JBL MPA1100  1200W+1200W/4Ω
スピーカー JBL SR4733A
       許容入力1200W 15''ダブルウーファー+2''ドライバー
跳ね返り
アンプ RAMSA WP-60 60W+60W/8Ω
スピーカー BOSE 802 インピーダンス8Ω 許容入力240W
調整室用モニター
アンプ YAMAHA P2100  85W+85W/8Ω
スピーカー 小口径スピーカーがありますが片chのみ出ます。
※接続されていないもので使用可能と想われるもの
ステージフォールドバックモニター(フットモニター用)
アンプ
スピーカー YAMAHA S2115H 400W/8Ω 15''ウーファー 2台
Peavy 2台
ウーファー RAMSA ;FOHの下に設置されています




 3.入力系統(本数は確認出来たもののみ)
マイクロホン SHURE SM58 ダイナミック 5本
AKG D880  ダイナミック 4本
ワイヤレス  SAMSON DA-5 6波 B11~B16チャンネル※4ch使用可
SHURE  2波  B-42、B-43 ※接続されてない
           PANASONIC W4020 2ch分    ※接続されてない
CDデッキ SONY X333ES
カセットデッキ1 VICTOR KD-77
カセットデッキ2 TECHNICS RS-BX4010  ※接続されてない
AM/FMチューナー TECHNICS S6      ※接続されてない



4.エフェクタの類
YAMAHA REV500リバーブ
Roland SpaceEcho RE-3 リバーブ ※接続されていない
ベリンガーMDX4600 コンプレッサー4ch

Peavey GEQ2ch(FOH用)
 ベリンガーFBQ3102 GEQ2ch(跳ね返り用)


写真☆は接続されていません


 5.マルチケーブル
CANARE 12chパラBOX付(XLR オス/メス)
   音響調整室~舞台


           

C.接続図(現況調査)


音響調整卓 ch入力(現況)


Input チャンネル接続先
1.モノラルch

1~7   舞台からの入力(マルチケーブル経由)
8 ワイヤレス 6
9 〃 ?(記載無し 1だと思われる)
10 〃 2
11 〃 3
12 トークバックマイク(TESTと記載)

2.ステレオch

2 カセットテープ

4 リバーブからのリターン

6 CDプレイヤー

AUXアウト出力先

1 Comp~GEQ経由 跳ね返りスピーカー(下手)
2    〃       〃    (上手)

4 リバーブ(ヤマハREV500)への送り

インサートコネクタ接続先

MAIN MIX L/R ~コンプレッサー


D.各つまみの「常」

音響調整卓のボタン、フェーダー類は使用されていない時に下記状態にしておくのが好ましい。

1.モノラル/ステレオinputチャンネルモジュール
上から

SENS    (ゲイン、トリム) 調整済の部分もありますので、特に触る必要はあり
                      ません。もし分からない場合は絞りきりにします。
+48    (ファンタム電源) 押さない
RANGE    (入力レンジ切替) 調整済ですが、分からなくなったら押さない
φ      (位相切替) 押さない
√    (ハイパスフィルタ) 押さない
LF   (イコライザ) 12時の状態
HMID    〃 〃
LMID    〃 〃
LF    〃 〃
EQ      (イコライザボタン) 恐らく調整済の部分は無いので押さないでおく
AUX1~4   AUX出力    全て絞りきり
PRE(1~2) (プリフェーダー切替) 押す  (ステージモニター用に使用の為)
PRE(3~4) 〃 押さない (リバーブへの送出のため)
PAN/BAL   (パノラマ/バランス) 12時

ON    チャンネルonボタン    押さない
MIX   メインミックスへのアサイン 押す
12 グループ1~2へのアサイン 押さない
34 グループ3~4屁のアサイン 押さない
MONO モノアウトヘのアサイン 押さない
スライドフェーダー          全て下げる
PFL    プリフェーダーリスン   全て押さない




2.マスターセクション

   マスターの左側(黒と白のつまみが並んでいるところ)
   GRP  MTX ツマミは全て絞りきり
   GRP スライドフェーダー(赤) 全て下げきる
  AFL 全て押さない
  TB  全て押さない

GRPフェーダーの上に有るボタン
     STE  押す
MTX  押さない
AFL  押さない

一番右の部分
   MIXフェーダー(黄色)  下げきる
   AUX 送出つまみ(水色) 4以外しぼりきり 4は3時方向(リバーブ送出ボリューム)
   AFL 押さない
   TALKBACK つまみ 絞りきり  MIX,AUXボタンは押さない
   2RTACK PLAY,MONO 両方とも絞りきり
   MIX ,AFL等  全て押さない
   GRP METERS TO MTRIX  押さない
   PHONESつまみ(赤) 絞りきり
   2TR  押さない

以上のように統一しておけば一番使いやすいと思います。




D.簡単な使用方法

設定条件

舞台上でボーカルマイク2本、アコースティックギター、キーボード、司会者を想定します
なお、BGMでCDを流します。

入力チャンネルの想定
モノラルCH
1 キーボードL
2 キーボードR
3 ギター
4 Vo1
5 Vo2
 6 MC
ステレオCHの6 CDデッキ(接続済)

出力チャンネル
メインミックス(LR)とステージモニター2系統ですが、モニターは下手上手の
2系統、どちらもサイド(メインスピーカーの上に有るBOSE802から)です。

接続

この場合、新たに接続する必要があるのは下記の通りです

ボーカルマイク2本、MCマイク1本をマイクケーブルにてマルチケーブル4~6へ。
    ギター、キーボードの信号をDI経由でマルチケーブル1~3へ。


使用方法

下記をまず確認してから卓の電源を入れ、次にアンプの電源を入れます。

1.接続は完了しているか
2.各chフェーダーは下げきっているか
    3.各AUX アウトツマミは絞りきっているか(各chごとのAUXです)

1.CDを流してみます。デッキにCDをいれPLAYします。
    ステレオ6のフェーダの右にSIGランプが点灯してることを確認。
    このchをONにします。(フェーダーの右に並んでいる一番上のボタン)
    その上のPFLボタンを押します。卓の右上にあるメーターが振れ始めます。
最大音で0dBを少し超える位になる事を確認します。
    調整が必要であれば、ステレオ6chの一番上のSENSを触ります。
    できたらPFLを外します。
まずメインミックスフェーダー(黄色)を-10程度に上げておきます。
chフェーダー(水色)を上げていきます。メインスピーカから音がでます。

※でない場合は一旦フェーダを下げきり、チェックします。アンプ電源、
      アンプボリューム、ケーブル等。
音量を確認してもらい、十分な音量がどれ位のツマミ位置で出てるのかを確認します。

2.次に跳ね返りにもCDを流します。
フェーダーを下げ、AUX1と2のマスターボリュームを上げます。3時位にします。
ステレオch6のAUX1と2を上げていきます。跳ね返りスピーカーから音が出ます。
※でない場合は一旦AUXを下げきり、チェックします。アンプ電源、ア
      ンプボリューム、ケーブル等。
音量を確認してもらい、十分な音量がどれ位のツマミ位置で出てるのかを確認します。



3.マイク等の入力信号チェックをします。
ヘッドホンをコネクタに挿します。

まずトークバックマイクを使用します。下記手順。
12ch(モノラルの一番右)に接続されたマイクが卓の横にあるのでこれを使用します。
このchをONにします。

声を入れます。シグナルランプが点灯することを確認します。
PFLを入れ、大きな声でメーターが0dBを少し超える位にSENSで調整します。

    ヘッドホンを掛けてみてPHONEツマミを上げていきます。聞こえないからといって
    むやみに上げては行けません。PFLが押されてなかったりONが押されてないミスの場合が
あるので気を付けてください。間違いに気づきボタンを押す場合は必ずPHONEつまみを下げないと、耳を痛めるおそれがあります。

PFLを外しchフェーダー(白)を上げていくとメインスピーカーから自分の声が出ます。

※ステージ担当者にオペレータから連絡出来るようになりました。これをトークバックを
     使用する、といいます。

ステージ担当者に1つずつch確認をする旨連絡をします。この場合1~6chに順に信号を入れてもらいます。
入力レベルの大きさが分からない場合には、大きな声を入れてもらい、先ほどのトークバックと同様PFLを押してSENSで調整します。

PFLは使用したら戻しておくようにしましょう。音はヘッドホンで聴きます。
PFLを押したのにヘッドホンから聞こえない場合は結線ミスか信号が小さすぎる事が考え
られますのでチェックします。PHONEつまみはとにかく上げすぎないよう注意します。

ギターやキーボードは演奏内容の中で一番大きな音が出そうな音を出してもらい、
    SENSでメーターを見ながら(PFL押した状態で)調整をします。

     ※このような入力信号の調整を「ゲイン調整」と呼びます。1入力ごとに行います。

全てのchが間違いなく接続されて、ゲイン調整が済んだらリハーサル可能です。

音を入れてもらい、それぞれメインミックスに出す(フェーダーを上げる)、跳ね返りに
    出す(AUX1~2を上げる)等の調整をしてみてください。

最終的なボリュームはCHフェーダとマスターフェーダーで決まります。chフェーダーが
    上がっていてもマスターが上がっていないと音は出ません。音量のバランスはフェーダーで
    調整します。SENSは最初の調整の時のみ使用し、あとは基本的に触りません。


4.リバーブの使い方
必要なchのAUX4のツマミを上げていくとリバーブに信号が送られます。
リバーブでエフェクト効果が作られ、エフェクト成分がステレオch4に返ってきます。
メインミックスにリバーブを付加させたい場合にはこのステレオch4のフェーダーを
上げると徐々にリバーブが加わります。このAUX4ですが、chフェーダーとも連動しているので、
chフェーダーが上がっていないとリバーブに信号が行きません。
chフェーダー(生音)+ステレオch4(リバーブ成分)でリバーブの掛かった音に
なるように設定されています。

5.終わり方
電源は必ずアンプを最初に切りましょう。
始めるときはアンプは最後に電源を入れますので、その反対となります。





E.応用するために

前節では入力側の接続だけを行い、他は全て既設配線を使用してのライブを想定しました。
その他の機材を使用するには下記の方法をとります。
但し十分な知識の無いままに接続替えをしないように注意しましょう。必ず元に戻せる自信が
 無い場合には触らない方が無難です。


1.入力ch数を増やしたい場合

ワイヤレスが繋がれている8~11ch、トークバックマイクの繋がっている12ch
あいているステレオchは接続替えを行うことで有線マイク等に使用可能です。
ステージから送れるch数はマルチケーブルが12ch迄ですので最大12ですが
持ち込みケーブルで音響調整室まで送れるのなら増設も可能です。
   結線変更は終了後にきちんと復帰できることを前提にしてください。


2.ステージモニターを増やしたい

Soundcraft K1はAUXアウトが4系統だと考えてください。現在そのうち2つは跳ね返りで
使用され、1つはリバーブ送りに使用されています。1つ余るわけですがこのAUXはリバーブ
   と同じくchフェーダー連動に設定されているのでステージモニターには不向きです。
以上のことから十分な知識の無い場合には2系統のステージモニターが限界だと考えてくださ
   い。

ステージモニターの増設方法としては卓を持ち込むか、配線替えを行う必要があります。
ここでは配線替えの場合を考えてみます。ステージ用のモニターは4系統になります。

1.リバーブを配線替えします。
やや特殊な使い方になりますが、リバーブへの送りをグループアウト1から行います。
     リバーブを掛けたいchでグループ1へのアサイン(送りボタン)をしてやります。
     グループアウト1からリバーブへ送るよう配線替えをします。グループフェーダー1を
AUXアウトとみなし、0dBで送出します。リターンはそのまま使用できます。

2.AUX3~4をPREに設定します。
(これによりchフェーダー連動を外します。)

3.AUX3~4に出力系統機材を接続します。
持ち込みせねばなりませんがステレオGEQ1台が必要です。接続はAUX3/4~GEQ~
マルチケーブルとなります。12chマルチケーブルのうち2つを占有します。

4.舞台上にパワーアンプ1台を設置します。マルチケーブルから出力信号を送り込みます。
     舞台上にフットモニター2系統(2台以上)を設置します。
アンプとフットモニターは会館にあるものを使用出来ると思います(未確認)
※パワードスピーカーの場合にはパワーアンプが内蔵されているのでマルチケーブルから
      直結します。

以上で4系統のステージモニターが使用可能です。
6系統以上のモニターが必要な場合には卓を持ち込み必要があります




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