ブログ小説 過去の鳥

淡々と進む時間は、真っ青な心を飲み込む

談合問題の行方は

2007-03-09 07:24:41 | 社会風評
元国交省補佐らの関与認定 官製談合で公取委(共同通信) - goo ニュース

 談合はいけないこと。 
 と、問答無用でいわれている。
 という書き出しで、1月25日にブログなアップ。
 内容は大きく変わらないので、コピペして、それをベースに
 味付けを変えてみた。

 官製談合で、仕切った連中が賄賂をもらう、というのは明らかにいけない。
 それはわかる。
 が、すべての談合がいけないのか。
 いけないのに、何故しぶとく行なわれているのか。
 ということで、友人のまた友人で、2年ほど前まで談合に関わっていたという工務店の経営者に話を聞いてみた。

「皆さんは、談合って、いけないことだという認識はないのですか?」
「法律では禁じられているのは、当然知っていますよ。でも、談合をしなきゃ経営は成り立たないのですよ」
「どうしてですか」
「うちらは中小の工務店です。たとえば500万円程度の仕事の入札があるとするじゃないですか。一定の儲けを出そうと思えば、500万で入札しなきゃならない。でも、談合をしなけりゃ、それでは駄目なんですよ。500万で札を入れると、仕事が来ない。必然的にダンピングするわけです。うちが450万が限界だとすると、400万を出してくるような会社も出てくる。その会社は、利益よりも、他社を潰しにかかったりすることもある。そうなると、うちのような資金力のない会社は、倒産するか下請けに回るしかない。下請けに回ると、儲けは少ないけど、ともかく仕事はある。で、人件費の安い外国人を使ったり、アルバイトを使ったりで、穴埋めをしていくわけ。必然的に日本人の仕事を奪うことになる。仕事をしたければ、外国人なみの安い賃金で、ということになる。こういう状況が、ワーキングプアを生み出すのだと思いますよ。で、収入が減ると、税金を納めることができない。国や自治体の税収が減りますよね。その結果、消費税を上げるしか方法がなくなります。消費税が上がると、モノがあまり買えなくなる。このスパイラルにはまっていくのです」
「だから、談合は必要だと言うのですか?」
「そうです。適正な価格が維持できるから、必要なのです。官製談合のように発注者側からリベートを要求されると、価格は高騰します。だけど、我々業界は、決して高い金額を要求しているわけではなく、適正な金額で談合していたのですよ。この談合が悪ければ、組合の賃上げ交渉だって変じゃないですか」
「賃上げ要求は労働者の当然の権利だし、団体交渉というのは認められているわけで」
「冗談じゃないですよ。正規の従業員だけの話じゃないですか。パートやアルバイトは滅茶苦茶な賃金で働いているのですよ。規制緩和でどんどんワーキングプアが製造されているんです。国民にも痛みを分かち合ってもらう、なんて言ってる人は、どっさり給料やらボーナスやら退職金のほか、しこたま年金がもらえます。それはいいですよ。一方の我々は痛みがもろに来て、ほとんど瀕死の状態です。いつクビを吊ることになるか戦々恐々の日々ですよ。生活苦のための自殺者は、万のオーダーを超えているのですよ。痛みを分かつ、ということは、死ね、ということですかね。まったくひどい先進国ですよ」
「しかし、これは構造改革の途上のことで、将来はきっと」
「きっと、もっと悲惨なことになります。国の借金1千兆円ですよ。どうするんですか。もう、お先真っ暗ですよ。規制緩和で儲けているのは、超大企業だけですよ。だって連中は、あとのメンテが聞くような入札では1円とか10円とか、まったくふざけた入札をするわけじゃないですか。あんなの、きちんと仕事をしている連中を愚弄する犯罪ですよ。キャノンやトヨタなどのお偉いさんは、経済団体のトップに立って、偉そうなことを言ってるけど、あそこの会社だって、派遣や外国人を安い賃金で使い、暴利を上げているわけじゃないですか。ああいうことが許されて、我々が生きていく最低限の慣習を否定されてしまうと、もう死ぬしかないですよ」

 ものすごい剣幕であった。
 で、発注者や、政府、自治体に文句を言う気はないのか聞いた。

「そんなことはできませんよ、恐れ多くて。逆らえば、指名業者からはずされ、それこそ仕事はなくなります。我々は食わなきゃいけないから、お上には逆らえないのですよ。たとえどんな酷い仕打ちをうけても」

 談合は確かに公正な価格を損なう恐れはある。
 しかし、規制緩和は、もっと公正な価格を損なっている事実がある。
 景気を減退させ、税収を減らしている。
 が、収入と支出はまったく別の問題に。
 つまり、支出を減らすと、エライという評価に。
 何かが変だ。
 そしてもし、「談合は良いことだ」、なんてひと言でもいえば、ぼこぼこにやられてしまう。

 では、パチンコの景品交換所の存在はなんだ。
 パチンコは完全な賭博でありながら、あの特殊景品のフィルターを通せば賭博でなくなると言う手品。談合も、会社の外部の人間に委託して行なえば、罪にはならないのでは。
 などと、あれこれ、最近の談合事件をきっかけに考えた次第。

 それにしてもあたまの痛い嫌な問題。排除してもなかなか消えない背景を、あまりにも人は考えていないのでは。
 それで、ちゃんとした国家といえるのだろうか。
 安倍のボンには荷が重すぎるのは確かだが。


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