収穫には立ち合えないかもしれないが、できる限り多くの種を蒔こう。

新たな気づき・思い・言葉など、生きるヒントになればいいな...

ずっとウソだった

2011-04-21 | 
この国を歩けば 原発が54基
教科書もCMも 言ってたよ「安全です」
オレたちを騙して 言い訳は「想定外」
懐かしいあの空 くすぐったい黒い雨

ずっとウソだったんだぜ やっぱバレてしまったな
ほんとウソだったんだぜ 原子力は安全です
ずっとウソだったんだぜ ほうれん草食いてぇな
ほんとウソだったんだぜ 気付いてたろこの事態

風に舞う放射能はもう止められない
何人が被曝すれば気がついてくれるの
この国の政府

この街を離れて うまい水見つけたかい?
教えてよ やっぱいいや もうどこも逃げ場はない

ずっとウソだったんだぜ 東電も北電も
中電も九電も もう夢ばかり見てないけど
ずっとウソだったんだぜ それども続ける気だ
ほんとウソだったんだぜ 何かがしたいこの気持ち
ずっとウソだったんだぜ
ほんとウソだったんだぜ

~斉藤○義
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雨にも負けず

2011-04-21 | 
雨にも負けず
風にも負けず
決して負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ

雨にも負けず
風にも負けず
決して負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ

褒められもせず
苦にもされず
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼうと呼ばれ
慾はなく
決して怒らず
丈夫なからだをもち
いつも静かに笑っている

あらゆることを自分を勘定に入れずに
褒められもせず
苦にもされず
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼうと呼ばれ
雨にも負けず
風にも負けず
決して負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
そういうものにわたしはなりたい

宮沢賢治
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ひび割れつぼ

2011-02-06 | 
インドのある水運び人は2つのつぼをもっていました。

その2つを天秤棒の左右につけて肩にかけ、
ご主人のために毎日水を運んでいました。

片方のつぼには、ひび割れがあったので、
いつも水が半分こぼれていました。

もう片方のつぼは完璧で、
自分は役目を十分果たしていると満足していました。

ひび割れつぼは、自分のひび割れを情けなく思い、
いつもみじめな気持ちになりました。


2年が経ち、ひび割れつぼは、とうとう水運び人に言いました。

「私は自分が恥ずかしい。私にはひび割れがあって毎日水が半分こぼれ、
あなたの役に半分しかたっていない。それがとても辛いんです」

それを聞いて水運び人は、ひび割れツボに優しく言いました。

「今度歩く時に、道端の花をよく見てごらん」


そう言われて、次の日、ひび割れつぼは、
毎日通る道に美しい花が咲いていることに気づきました。

美しい花を見て、少し元気になった気がしましたが、
ご主人の家に着いたときには、やはり水は半分しか残っていませんでした。

「やはり私は役に立たないつぼだ。ごめんなさい」


すると水運び人はこう言ったのです。

「気がつかなかったかい?
道端の花は君の側にしか咲いていなかっただろう。

僕は君のひび割れを知ってから、
君の通る道に花の種をまいておいたんだ。

毎日そこを通るたびに君は種に水をやり、花を育ててきたんだよ。

僕は毎日その花を切り、ご主人の食卓に飾ってきた。
 
君のおかげでご主人は、
きれいな花を眺めながら食事を楽しむことができるんだよ」と。
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足跡

2009-12-26 | 
わたしは夢の中で見た。

神様とともに海辺を歩む自分と、
空の銀幕に映る過ぎ去ったわたしの生涯のすべての日々とを・・・。

見渡すと、砂の上には、
毎日の歩みをしるすふたりの足跡が並んで残っていた。

ひとりのはわたしの、
もうひとりのは神様のもの・・・

しかし、ところによってはひとり分の足跡しか見当たらない。

それは、よりによってわたしの人生で、
最も辛く困難で、耐え難かった日々にあたっていた。


そこで、わたしは神様に不服を言った。

「神様、わたしはあなたと共に生きることを選びました。

あなたは、わたしといつも共にいると約束してくださいましたね。

それなのに、なぜわたしを独りで置き去りにされたのですか。

それも、わたしが最も辛かった日々に・・・」


すると、神様はお答えになった。

「わが子よ、わたしがあなたを愛していることを、
あなたはよく知っているはずだ。
 
わたしはあなたを見捨てたことは一度もない。

ひとり分の足跡しか残っていないところは、

わたしがあなたを腕に抱き上げ、

運んであげた日々だったのだよ」と。

~M・パワーズ
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しっぽもひと役

2009-12-26 | 
カヤノさんがまだ幼かった頃です。

白血病で寝たきりの永井博士は、
娘と遊んでやることもできないので、
よく絵を描いてやりました。

「着物は買ってやれんから、絵を描いてやる」
ときれいな着物を着たカヤノさんを描いてくれたそうです。

カヤノさんは、幼心に「本物の着物の方がいいのになあ」
と思ったそうです。



さて、あるときはブタの絵を描いてくれました。

永井博士は、絵も字もじょうずでしたが、
その絵はどうしてもブタに見えません。

首をひねりながら絵をながめていたカヤノさんが気づきました。

「あっ、おとうちゃん、
しっぽがないよ」



それで永井博士も気づき、
すぐに、しっぽ一本を描きくわえたのです。

すると、不思議。
 
その絵はたったそれだけでブタになったのです。



しっぽというものは、
おしりの先にくっついてブラブラゆれながら、
何をするということもありません。

目のように見ることはありません。

口のように物を食べることもありません。

足のように体を支え、歩むこともありません。
 
でも、しっぽにはしっぽの役目があったのです。



「しっぽもひと役」

永井博士は、原爆に倒れ寝たきりになった自分をそれ以来、
世の中の「しっぽ」みたいだと考えるようになりました。

ブタのしっぽのようにこの自分にも何か役目があるはずだ、
と考えるようになったのです。

そして、
その役目を積極的に果たそうと考えるようになったのです。



「この世になんの用事もないものが生かされているはずがありません。

どんな病人でも、
何かこの世において働くことができるから、
生かされているのでありましょう。

私は、命の最後の一瞬まで、
いろいろ工夫して、何か働く事を見つけて働こうと思います。」

永井隆『如己堂随筆』

~中井俊已
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泥かぶら

2009-12-26 | 
昔、ある村に顔の醜い少女がいました。

孤児で、家もなく、森の落葉の中にもぐり、橋の下に寝る。

色は真黒、髪はボウボウ。

着物はボロボロ、身体は泥だらけ。

少女は、その醜さゆえに、「泥かぶら」と呼ばれていました。
 


子どもからは石を投げられ、
唾を吐きかけられ、
泥かぶらの心はますます荒み、
その顔はますます醜くなっていくばかりです。

「あたしはこれからどうしたらいいの…」
 
夕日を見ながら、悲しくなり考え込むのです。



ある日のことです。

泥かぶらがいつものように荒れ狂い、
「美しくなりたい!」と叫んでいるところへ旅の老法師が通りかかりました。

「これこれ、泥かぶらよ。
そんなにきれいになりたいと泣くのなら、
その方法を教えてしんぜよう。」

「3つある。

まず1つは、自分の醜さを恥じないこと。
 
2つ目は、いつもにっこりと笑っていなさい。
 
そして3つ目は、人の身になって思うことじゃ」



泥かぶらは、激しく心を動かされます。
 
というのも、それらは、今までの自分とまったく正反対の生き方だったからです。

「この3つを守れば村一番の美人になれる」

法師の言葉を信じた泥かぶらは、
その通りの生き方をしはじめます。

しかし、急に態度の変わった泥かぶら見て、
村人は不審に思うばかりか、嘲笑し、中傷するのです。



ある時、事件が起こります。

事の発端は、村一番の美人で一番お金持ちの庄屋の子、こずえでした。

彼女がどうしたことか、「助けて」と叫んで、
泥かぶらのところに走って来たのです。

こずえは、日頃から泥かぶらを嫌っていじめていた者の一人です。

何かわけがあるに違いありません。

果たして、こずえの後ろから、
父親の庄屋が鞭を持ってやって来ました。

庄屋は、命よりも大切にしていた茶器を割られたことで、
怒り心頭に達していました。

「泥かぶらが、割ったんだ」
 
父親の怒りを逃れるために、こずえは、
日頃から評判の悪い泥かぶらに罪を着せていたのです。



怒り狂ったような庄屋は、娘の言うことを信じて疑いません。

泥かぶらを見つけると、容赦なく鞭で打って、
折檻(せっかん)をし始めました。

泥かぶらは、すべてを悟り、黙ってその鞭を受けました。

「人の身になって思うこと」という法師のあの言葉を思い出し、
「助けて」と頼んだこずえの願いを聞き入れたのです。

何度も何度も鞭で叩かれ、ひどい言葉を浴びせられながらも、
泥かぶらはこずえを助けるために、最後まで耐え忍びました。



「もうやめよう。お坊様がおっしゃった3つの言葉、
あんなことで私は良くなるとは思えない」

泥かぶらが全身ボロボロになって、
また丘の上の夕陽を見ながら泣いていた時でした。

後ろからそっとやってきた人がいます。

こずえでした。

「助けてくれてありがとう。
本当に悪い事をした。
これは私の宝物だから、あんたに、もらってほしい」

そして、自分が一番大事にしていた櫛(くし)を差し出したのです。



この時、泥かぶらは自分が報いられたことを知りました。

生まれて初めての経験に、泥かぶらは声をふるわせながら、
こずえに言います。

「その櫛はいらないから、
その心だけでいいから・・・
どうかこれからあたしと、仲良くして・・・」

こずえは泣きながらうなずきました。

そして、泥かぶらの頭の泥を払い、櫛で髪の毛をすいてあげて、
かたわらの花を挿してあげるのでした。



それからです。泥かぶらの人生が好転してしていったのは・・・。

村人たちの泥かぶらへの評価がどんどん良くなっていきます。

そうなればなおさら、泥かぶらはお坊さんの3つの言葉をさらに実践していきます。

喘息持ちの老人には山奥に入って薬草を取って持ってきたり、
子供が泣いていたら慰めてやったり、子守りをしてやったり、
人の嫌がることでもニコニコしながら次から次にしていきます。

すると、心も穏やかになっていき、
あれほど醜かった表情が消えてなくなっていきました。

村人のために労をいとわずに働く泥かぶらは、
次第に、村人にとってかけがえのない存在になっていったのです。



ところが、そんなある日、村に恐ろしい「人買い」がやってきました。

人買いは借金のかたに、一人の娘を連れていこうとします。
 
泥かぶらと同じ年の親しい娘です。

「いやだ、いやだ」と泣き叫ぶ娘の姿を見ていた泥かぶらは、
人買いの前に出て、自分を身代わりをしてくれと頼みます。



こうして、売られていく泥かぶらと人買いとの都への旅がはじまります。

そんな時でも泥かぶらは、法師の3つの言葉を忘れませんでした。

・自分の顔を恥じない。
・どんな時にもにっこり笑う。
・常に相手の身になって考える。



ですから、旅の途中、毎日毎日、何を見ても素晴らしい、
何を食べても美味しいと喜びます。
 
どんな人に会っても、その人を楽しませようとします。

「売られて行くというのに、
おまえはどうしてそんなに明るくしていられるのだ」

不思議がる人買いに、泥かぶらは、
自分の心にある美しく、楽しい思い出だけを、
心から楽しそうに話して聞かせるのでした。

そんな泥かぶらの姿に人買いは、激しく心を揺さぶれます。


 
親に捨てられ、家もない娘が不幸でなかったはずはない。

それなのに、誰に対しても恨みごとを言わず、
むしろ村人たちに感謝さえしている。

そして、この自分に対しても、
楽しい話ばかりして喜ばせようとしてくれている。

それに引きかえ、それに引きかえ・・・

ああ、自分のこれまでの生き様はなんだったのか・・・。



月の美しい夜でした。

人買いは、泥かぶらに置き手紙を残してそっと姿を消します。
 
手紙にはこんな言葉が書かれていました。

「私はなんとひどい仕事をしていたのだろう。
 
お前のおかげで、私の体の中にあった仏の心が目覚めた。

ありがとう。仏のように美しい子よ」


泥かぶらはそのときはじめて、法師が自分に示してくれた、
教えの意味を悟り、涙するのです。
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ドラえもん最終話(仮)

2009-07-19 | 
のび太とドラえもんに別れの時が訪れます。
それは、なんともあっさりと...

のび太はいつものように、
宿題をせずに学校で叱られたり、
はたまたジャイアンにいじめられたり、
時にはスネ夫の自慢話を聞かされたり、
未来のお嫁さんであるはずのしずかちゃんが出来杉との約束を優先されたり、
一番パターン化されてますがママに叱られたのかもしれません。
とにかくいつものように、
あの雲が青い空に浮かんでいた、
天気のいい日であることは間違いないことでしょう。
そんないつもの風景で、
ドラえもんが動かなくなっていました...

当然のび太にはその理由は分かりません。
喋りかけたり、叩いたり、蹴ったり、しっぽを引っ張ってみたりもしました。
なんの反応も示さないドラえもんを見て、
のび太はだんだん不安になってしまいます。

付き合いも長く、
そして固い友情で結ばれている彼ら。
そしてのび太には動かなくなったドラえもんがどういう状態にあるのか、
小学生ながらに理解するのです。
その晩、のび太は枕を濡らしました。
ちょこんと柱を背にして座っているドラえもん...
のび太は眠りにつくことが出来ませんでした。
泣きつかれて、ただぼんやりしています。
無駄と分かりつついろんな事をしました。
できうるすべてのことをやりました。
それでもなんの反応も示さないドラえもん。
泣くことをやめ何かしらの反応を、
ただただ黙って見続ける少年のび太。
当然ですがポケットに手を入れてみたり、
スペアポケットなんてのもありましたが動作しないのです。

そして何で今まで気がつかなかったのか、
のび太は机の引き出し、
そう、タイムマシンの存在に気がつくのです。
ろくに着替えもせず、のび太はパジャマのまま、22世紀へとタイムマシンに乗り込みます。
これですべてが解決する...

のび太はなんとかドラミちゃんに連絡を取り付けました。
しかしのび太はドラミちゃんでもどうにもならない問題が発生していることに、この時点では気がついていませんでした。
これで「ドラえもんが治る!」のび太はうれしかったことでしょう。
せかすのび太と状況を完全には把握できないドラミちゃんはとにもかくにも20世紀へ...
しかしこの後に人生最大の落胆をすることになってしまうのです。

動かないお兄ちゃんを見て、
ドラミちゃんはすぐにお兄ちゃんの故障の原因が分かりました。
正確には、故障ではなく電池切れでした。
そして電池を交換する、その時ドラミちゃんはその問題に気がつきました。
予備電源がない...

のび太にはなんのことか分かりません。
早く早くとせがむのび太にドラミちゃんは静かにのび太に伝えます。
『のび太さん、お兄ちゃんとの思い出が消えちゃってもいい?』
当然、のび太には理解できません。
なんと旧式ネコ型ロボットの耳には電池交換時の予備電源が内蔵されており、電池交換時にデータを保持しておく役割があったのです。

そして...

そうです、ドラえもんには耳がない...
のび太もやっと理解しました。

そしてドラえもんとの思い出が甦ってきました。
初めてドラえもんにあった日、
数々の未来道具、過去へ行ったり、未来に行ったり、恐竜を育てたり、海底で遊んだり、宇宙で戦争もしました。
鏡の世界にも行きました。
どれも映画になりそうなくらいの思い出です。

ある決断を迫られます...
ドラミちゃんは色々説明をしました。
ややこしい規約でのび太は理解に苦しみましたが、
電池を交換することでドラえもん自身はのび太との思い出が消えてしまうこと、
今のままの状態ではデータは消えないこと。
ドラえもんの設計者は明かされていない(超重要極秘事項)ので、
連絡して助けてもらうことは不可能であるということ。
ただ、修理および改造は自由であることもこの規約に記されていました。

のび太は決断します。
ドラミちゃんにお礼をいい、
そして「ドラえもんはこのままでいい」と一言告げるのです。
ドラミちゃんは後ろ髪ひかれる想いですが、
何も言わずにタイムマシンに乗り去っていきました。
のび太、小学6年生の秋でした。

あれから数年後...

のび太の何か大きく謎めいた魅力、そしてとても力強い意思、どこか寂しげな目、眼鏡をさわるしぐさ、黄色のシャツと紺色の短パン、
しずかちゃんが好きになるのに時間はいりませんでした。

外国留学から帰国した青年のび太は、
最先端の技術を持つ企業に就職し、
そして、めでたくしずかちゃんと結婚しました。
そして、それはそれはとても暖かな家庭を築いていきました。
ドラミちゃんが去ってから、
のび太はドラえもんは未来に帰ったとみんなに告げていました。
そしていつしか、だれもドラえもんのことは口にしなくなっていました。
しかし、のび太の家の押入には「ドラえもん」が眠っています。

あの時のまま...

のび太は技術者として今、「ドラえもん」の前にいるのです。
小学生の頃、成績が悪かったのび太ですが、彼なりに必死に勉強しました。
そして、中学、高校、大学と進学しました。
企業でも順調に成功しました。
そしてもっと権威のある大学に招かれるチャンスがあり、
のび太はそれを見事にパスしていきます。

そうです。
「ドラえもん」を治したい、その一心でした。

人間はある時、突然変わるものなのです。
それがのび太にとっては「ドラえもんの電池切れ」だったのです。
修理が可能であるならば...
それが小学6年生ののび太の原動力になりました。

自宅の研究室にて...
あれからどのくらいの時間が経ったのでしょう。
しずかちゃんが研究室に呼ばれました。
絶対に入ることを禁じていた研究室でした。
中に入ると夫であるのび太は微笑んでいました。
そして机にあるそれを見て、しずかちゃんは言いました。
『ドラちゃん...?』
のび太は言いました。
『しずか、こっちに来てごらん、今、ドラえもんのスイッチを入れるから』
頬をつたうひとすじの涙...
しずかちゃんは黙って、のび太の顔を見ています。
この瞬間のために、まさにこのために、のび太は技術者になったのでした。
なぜだか失敗の不安はありませんでした。

こんなに落ちついているのが変だと思うくらいのび太は、

静かに、

静かに、

そして丁寧に、

何かを確認するようにスイッチを入れました。

ほんの少しの静寂の後、
長い長い沈黙が繋がりました。
.
.
.
.
.
.
.
『のび太くん、宿題は済んだのかい?』
.
.
.
.
.
ドラえもんの設計者が謎であった理由が、
明らかになった瞬間でもありました。
あの時と同じように、
空には白い雲が浮かんでいました。

~作者不明
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