ささやかなJUNKER

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島田荘司の「死者が飲む水」

2011-09-03 07:35:30 | Novels
島田荘司の初期作品「死者が飲む水」を読みました。
札幌の実業家系赤渡雄造のバラバラ死体が2つのトランクに詰められて、自宅に届けられた。
鑑識の結果、死因は溺死、殺害場所は銚子と推定された。
札幌署牛越刑事が執念の捜査で肉迫した容疑者には、鉄壁のアリバイがある。
札幌、東京、銚子、水戸を結ぶ時刻表トリックで猟奇的殺人を解明する本格長編傑作。

確か島田荘司の「占星術殺人事件」「斜め屋敷の犯罪」に続く三作目の長編だと思います。
それまでの人工的なトリッキーな作品とはガラッと趣を変えて、地味に見えるほどです。
幻想的な謎や名探偵が姿を消し、代わりに凡人の代表である刑事が登場して地道な捜査の末に事件を解決するのですが、容疑者の動きと死体が入ったトランクの動きが錯綜し、列車時刻表トリックも絡んで、本格ミステリとしては良く出来ています。
興味深いのは作品の時代には、JRではなく国鉄だったことと、まだ青函トンネルが開通していなかったことですね。
あとで改訂完全版が発表されているのですが、どこを加筆されたのでしょうか。
お薦め。


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