ヨンデリーヌ・ヨンデルホンのビミョーなる書棚群

加齢なる 読道生活半世紀。 歯磨き、活字は、生活習慣。 

カレーライスの唄

2017年07月05日 | ものがたり[昭和]棚
阿川弘之  ちくま文庫

勤め先の出版社がつぶれてしまい…諸々顛末あって六助は、かつての同僚・千鶴子と共に、カレーライス屋を開業しようと奮闘する…

いやもう、「諸々顛末」としか言いようのない、いろいろすったもんだ。
ありえないほど都合よく展開する物語も、すべて「あの頃」だからとエクスキューズして、ただひたすら楽しむのが昭和小説の吟味作法です。

しかしおちゃっぴい極まりない千鶴子が、もし阿川翁のホントの娘であったなら、
ものがたりの終結までに何度もぶっ飛ばされて、家をたたき出されていることでしょう。
ものがたりでなら、こんな女性像を許すのねぇ…(笑)

それにしてもの、酒・タバコです。
55年前です。
時代です。
頁からヤニ臭さが漂ってきそう…