フリーランス的発想のススメ

~フリー満喫講座~

テトロ

2012年11月16日 | ヨーロッパ・その他


監督:フランシス・フォード・コッポラ
主演:ヴィンセント・ギャロ
   アルデン・エーレンライク
   マリベル・ベルドゥ

 近年のコッポラ最高傑作とのフレコミに惹かれて、鑑賞。もともとコッポラは好きな監督で、私にとってはハズレのない人です。んで、この「テトロ」。(副題「過去を殺した男」←ヤメてぇ)これコッポラだと言われなければ分からないほど、手法が変わってます。最近の映画にはリアリズムが求められてると思うんですが、(バットマンですらリアリズムを感じる)この映画では「リアル」をわざと排除してるような感じがしました。モノクロのパート(現在)とカラーのパート(過去と戯曲)が混在していて、モノクロはまるで現実の世界から逃げているかのような、感情が不安定に彷徨っていて、それでいて突然ガツンとした恐怖を与えたりもしている。カラーは全て過去のことなんですが、その過去も事実というよりは物語のようになっていて、そこもやっぱりリアルさが薄い。おそらくテトロの目から見たら、現在は色あせた世界で、過去は鮮明で強烈な色を放ってるということなのかも。全編を通して漂う不安感みたいなものは、モノクロの光と影の使い方から来るものと、テトロ役のヴィンセント・ギャロが醸し出す雰囲気とで、相乗効果は2倍になってました。
 最近はリアルな映画が当たり前だと思っていたので、なかなか感情移入がしづらかったんですが、ラストは泣きましたねぇ。って結局、どっぷり浸っていたということです(笑)しかし、あれだけ映画を撮っていながら、今またこういう映画が撮れるコッポラって、凄いな。(「ランブルフィッシュ」をもう一度見たくなった。☆☆☆☆☆☆☆☆)

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