ありがたいことに京都小冊子セッションから出品依頼を受けて作りました。
出版社が絶対に出してくれないような本で、どうしても自分で欲しい本。
せっかくミニコミを作るのなら、そのようなものが作れたら良い。
そう思って作りました。
「伝統こけし」が何故、「伝統こけし」なのか?
これは簡単に理解できるようで、ものすごく奥深いお話です。
木地師、という轆轤技術を持った人々は東北各地の温泉地にとどまり、
こけしを作りはじめました。
その轆轤技術や、風土から産まれたとしか言いようのない美しい描彩は、
親から子へ、師から弟子へと受け継がれ、それが広がって、今がようやっとある。
その凄さを再確認できる書物になったと思います。
そして同時に、多くの系統系列がリアルタイムで無くなりつつある、
ということを切実に感じ取れる書物にもなったと思います。
こけしには系統がある、という驚愕の事実を戦前に発見した天江富弥氏や、
鋭いフィールドワークで系図の研究に多大な尽力をされた深沢要氏、
熱病のようなこけし愛から、それを学問にしたとも言える鹿間時男氏、
その他も溢れ出るこけし愛を持った、熱狂的な研究者達、
そんな多くの偉大な先人達の「知」があって、はじめてこの本ができました。
と、偉そうなことを書いてきましたが、これらをまとめたのは友人でもある村岡夫妻です。
2年前から村岡充・ゆか夫婦が趣味でこけしの家系図をこつこつと書いていることは知っていました。
それを見せて頂くたびに、これを出版できたら、、、と思っていたので、このチャンスに思い切ってお願いしたのでした。
ほぼ全工人と言っていい網羅ぶりです。
それを快諾いただいて、この本が存在します。
非常にハードな作業になってしまいましたが、楽しい本になりました。
全64ページ、定価1000円(税別)限定300部です。
会期中は恵文社一乗寺店さんとガケ書房さんのみの販売となります。
是非、お手に取ってご覧下さい。
cochae 軸原ヨウスケ
具体的にどうすれば、入手できますか??