先日の土曜日、一家に大事件が起こりました。
庭の木があまりにもお隣さんに傾きかけているので、バッサリ切り落とし、庭木の風通しをよくしました。
まとめた枝葉は大量にできて、一家総出でゴミ収集所まで持っていくことに。
晩御飯もデザートも済ませて、お風呂に入る前に全員で行きました。
夫、その連れ子である大学生の娘、高校生の息子、そして私と3歳の息子です。
それまで、全員で楽しく運んでいました。
帰りがけに競争したら、調子に乗った上の息子が3歳の息子を抱きかかえ、猛スピードで疾走。
突然、事態は暗転しました。
3歳の息子を抱きかかえた上の息子は転倒し、「ぎゃあ~!」という異常な叫び声が辺りに響きました。
夫婦共々、すぐに駆け寄り、3歳の息子を抱き上げると、前歯1本が折れて口から血だらけになっていました。
突然の事故に私は半狂乱。
泣きながら家に運びました。
土曜日の午後7時半。
夫も焦ってはいましたが、とりあえず冷静でいてくれて、すぐに近くのまだやっている歯医者さんに連絡。
すぐに連れて行きましたが、レントゲンで見ると、どうも奥までヒビが入っている状態。
この時間では対応ができないと、すぐ大学病院に連絡を取っていただきました。
そのまま大学病院へ向かいました。
やはり奥までヒビが入り、抜歯することになりました。
まだ3歳になりたてで、虫歯もないのに麻酔の注射を打たれ、痛々しいほどに粉々になった歯を抜かれました。
人手が先生と研修生しかいなくて、私たち夫婦も動かないよう手足顔を抑えるので、治療現場を目の当たりにし、自分たちがされるよりも辛かった。
帰ってきたのは午後11時をまわりました。
昼間に木を伐採し束ねる作業で、足腰が痛い上にこの事態。
さすがの疲労もピークに達しました。
いつもはボケーっとしている高校生の息子もさすがにこの事態に目を真っ赤にして、今にも泣きそうな顔つき。
私自身も面と向かって怒れませんでした。
この場合、私の言い方でこの息子の将来を狂わせてしまう恐れがあったので(なぜか、このときは冷静になり)「調子に乗るな」とだけしか言えませんでした。
本人もまさかこんなことになるとは思ってなかっただろうし、故意に転倒したわけでもありませんでしたから。
ところが・・・
ダメージがひどかったのは、前歯を折った息子ではなく、転倒した高校生の息子の方。
乳歯1本を抜いてしまったので、次の永久歯が生えてくるまでのあと3年ぐらいは、すきっ歯のまんま。
多少の痛みはあるものの、普段どおりに過ごす自分の弟とは裏腹に、自分の殻に閉じこもり、どう接していいか分からずの自分。
本人も辛かったんでしょうね。
背中に大きな恐れを背負っていました。
このままだと、上の息子の将来が危ぶまれます。
多分、自己評価がかなり低くなっている様子。
私も自分の性格が分かっているので、こういう子にはじれったくなってしまい、とどめを刺してしまいがち。
昔の私なら、そうしていたでしょう。
でも、それでは結局、自己満足の世界になってしまうんですよね。
そして、問題解決していない。
大事なことは、二度とこういうことが起きないよう心掛けさせなくてはいけないし、前向きに生きていくように方向付けしなければならない。
いろいろ考えて、1日経ってから、初めて高校生の息子に手紙を書きました。
今までだったら、面と向かって言ってたでしょうが、あんまり冷静に言えたことがないので、初めての試み。
自分も辛かったであろう、とりあえず前歯1本折れただけで済んだこと、一応かばってくれたお礼と、今後は後先のことを考えながら行動すること、人間はとてももろいこと、小さい子供は予想がつかないということ、そしていつまでもいいお兄ちゃんでいてくれること、この痛みを乗り越え、来年は受験なのでとにかく今は勉学に励み、自分らしく生きていくこと・・・と、レポート用紙に私の母親としての気持ちを綴りました。
後から、夫に聞いたら、かなり凹んでいたけど、私の手紙でいろいろ考えさせられたらしく、うれしかったらしい・・・
一家史上初、大事件でありましたが、なんとか持ち直しました。
世の中、親が子を、子が親を、兄弟を殺傷するという悲しい事件が多いですが、それぞれの心の痛みを野放しにしてはいけませんね。
ちゃんと受けてやれる度量が必要なんだと思います。
かと言って、私もまだまだ。
今回も夫がある意味、冷静でいてくれたので、上の息子のことまで考えられる余裕がありました。
もし・・・いなかったら・・・
考えるだけでも恐ろしい・・・
きっと、二度と上がってこれないような奈落の底まで突き落としていたかもしれません。
育児・教育は、日々修行です。
今回は、ちょっとマジメな話になりました。