ドッグフードといってもものすごくメーカーも多くて、その上、メーカーの中でも多くの種類があるのでフード洗濯は難しいと思います。
ドッグフード選びで基準となるのが、まず
1)AAFCO”Association of American Feed Control Official”、日本語で『全米飼料検査官協会』の規格を満たしている です。
これはドッグフードの栄養価として数値上、栄養価を満たしているかどうかの基準で逆に言うとこれすら満たしていないものは論外です。(日本犬用は
除く。理由は後述。)
AAFCOを満たしていてもタンパク源が肉かトウモロコシかで栄養価は変わります(人間の場合、きちんとアミノ酸スコアといものでタンパク源の種類による栄養価の違いが研究されています。ということは、同じ生き物である犬も肉とトウモロコシでは栄養価が変わるのはあたりまえ。)し、ドッグフードの中には4Dミートといって、人間の食用にできなかったものを原材料にしているのもあるので注意が必要です。
2)アメリカでの評判を見る
日本のWEBサイトでは、現時点できちんとドッグフードについて論じているサイトはありませんし、ペット雑誌も同様です。なぜなら、日本ではドッグフードメーカーの広告料抜きできちんとした情報発信をすることが金銭的に難しいからです。アメリカだとそのあたりをオーナーの購読料、寄付金だけでやれているサイトがあります(人口の大きさも関係しているでしょうし、開拓者として自分たちでなんとかするという意識があるからでしょう。)
このなかで、一番有名なのが
The Whole Dog Journal(WDJ、ホールドッグジャーナル)です。ここは広告料なしで運営しているのでこのフードはいい、このフードは駄目とはっきり理由付きで書いています。ただ、このサイトは有料なので内容があまり漏れない、そして、この内容が漏れると日本で売っているメーカーが批判されていることが分かるため昔公表されていたものまで今は消されています。なので、今、「WDJサイトで評判です」とか書いてあるサイトで紹介されているフードの中にはWDJ推奨でないものもあります。ひどいやつになるとWDJでも勧めるとか書いてある「国産フード」があります。日本製フードがWDJに載るかバカ!
考え方としては
・高品質の動物性タンパク質を多く含んだものが望ましい。
・原材料表示の先頭に1~2種類の動物性タンパク質があるものが望ましい。(表示は重量の多い順に記載されるため。なお肉は水分があるので当然、前に来なければおかしい。)
・副産物や家禽副産物を使用していない。(鶏のとさかや爪も家禽副産物という名前になるから。そのようなものは好ましくない。)
・由来がはっきりとしない脂肪やタンパク質を使用していない。
・高品質の穀物や野菜を含んだものが望ましい。
・穀物や野菜が原材料表示の上位に並ぶのは低品質と考えられる。(先のタンパク質のところで書いたとおり普通は肉が先頭に来るはず。)
・人工の着色料・香味料・保存料(防腐剤)を使用していない。(発がん性物質BHAを抗酸化性分として使用しているメーカーがある。)
・甘味料を使用していない。
・有機栽培原材料を使用したものが望ましい。
これらは世界中でフードを選ぶ基本となっています。さらにこれよりすすめて「ヒューマングレード(人が食べるものと同じものでフードを作る)」というのもでてきています。
有名なところではオリジン、アカナ(2つは同じメーカのものタンパク含有量が違う)、アーテミス、ソリッドゴールドがあります。
WDJ以外では、無料で閲覧できる
DogFoodAdvisorのDogFoodReview が凄く参考になります。
日本での口コミは、個人的には信頼できるショップさん(ある特定のものに偏らないコメントをしてくれるところ)を探しています。
有名なのは
ゆーほオンラインさんブランド別コメント が昔からの有名どころです。
3)日本犬は特殊
先に、1)、2)で述べたのは欧米での話になります。欧米では犬は肉食獣であるオオカミが祖先で、欧米の肉食文化の中で育ってきたので高タンパク食がいいという考えが強くなってきています。その中で、アカナ、オリジン、EVO(イノーバ)あたりがでてきました。最近では大手のマースがニュートロで高タンパクに参入しています(ただ、高タンパクがアカナと同じかというと…だけど)。でも、日本犬は縄文時代には人と一緒に暮らして穀物を食べていたことが分かっているので欧米の考え方は当てはまらないと思われます。
4)研究が十分ではない
いままで書いたことを読んだ人は「科学的知見、エビデンスが無い」というと思います。実は、フード研究は大手ペットフードメーカーがやっているぐらいなので、正直、科学的知見はあまり発表されていません。大手メーカーは自分にメリットのある研究は発表しますが、その逆は発表しませんから。
療法食を作っているのが大手メーカーだけなのも作るノウハウが大手じゃないと持てないということがあります。
上記に書いたような理由のため、ドッグフードに関してはどうしても口コミが頼りとなっているのが現状です。
上記のような指標でフードを選ぶと「こだわりの高価なフード」が上位に上がりますが、きちんと研究した「大手メーカーのフード」とどちらがいいのかは正直分かりません。トウモロコシが入っていても療法食があう子もいますし。ただ、いっしょに暮らすワンちゃんのために少しぐらい悩むのもいいかもしれませんね。