民事裁判の記録(国賠)・自衛隊車とバイクの交通事故の民事裁判

1・訟務検事の証拠資料のねつ造など不法な弁論。
2・玖珠署の違法な交通犯罪の捜査,虚偽の実況見分調書の作成

6:原告準備書面(3)

2009-01-11 09:38:04 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号 国家賠償請求事件
原 告 出 羽 やるか
被 告 大  分  県
準 備 書 面 (3)
                        平成20年10月27日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中
                        原 告 出 羽 やるか
 原告は,本準備書面において,訴状中,請求の原因第3玖珠署の違法行為,2実況
見分調書の不実記載及び3実況見分調書(甲7)添付の写真(甲8)について,下記
のとおり主張を補充及び整理する。
 玖珠署は実況見分調書添付の写真(甲8)は,事故当日の平成11年10月7日午
後0時34分から午後1時20分の間に行われた間ノ瀬巡査部長の実況見分時に堀部
警部補が撮影したとしている。
 原告は,平成20年10月27日付け準備書面(2)の第1原告の主張で「1実況見
分調書(甲7)中『1,実況見分の日時,平成11年10月7日午後0時34分から
午後1時20分まで』との記載は不実である,2堀部警部補は本件実況見分をしてい
ない,3早水巡査長は平成11年10月7日午前11時50分から実況見分を行い,
交通切符様式の実況見分調書を作成した,4間ノ瀬巡査部長は平成11年10月29
日以前には本件トレーラ(炊事車)を見分していない」と主張している。
 原告は本書面で,玖珠署が実況見分時撮影したとする実況見分調書添付の写真(甲
8)16葉は,すべて事故当日の上記時間帯には撮影されていないと主張する。
 1 写真(甲8①,②,③,④):原告車の荷台に固縛された荷物
 2 写真(甲8⑩):自動二輪車のスポーク
 3 写真(甲8①,⑦,⑩,⑪,⑫):間ノ瀬巡査部長に同行している自衛官
 4 写真(甲8⑦):「徐行」の道路標示
 5 写真(甲8⑧,⑨):本件トレーラ(炊事車)のホイールの損傷
                 1/7
 6 写真(甲8⑤,⑥,⑦,⑧,⑨):草地の上の自衛隊車
 7 写真(甲8⑪:KP34.9の里程標
 8 写真(甲8⑪:KP34.9の警戒標識
 9 写真(甲8⑫,⑬,⑭,⑮,⑯):原告車のタイヤ痕及び擦過痕
 10 写真(甲8⑮,⑯):路面にかかれた「バイク」の文字及び記号
第1 原告車の荷台に固縛された荷物:写真(甲8①,
 1 間ノ瀬巡査部長の実況見分時には,原告車の荷台に固縛された荷物はない。
   原告は,転倒直後意識がなかったので,荷台の荷物は危険物の有無,身元確認
  のために内容を確認する必要があり,友田浩二陸曹長が写真撮影(甲15)した
  後荷台から降ろされた。
 2 小野寺は,「司令部付隊の隊員が交通統制,現場保存をし,警察の到着を待ちま
  した。この時,バイクに積載してあった荷物を道路の脇に移動させようと持って
  みると約20㎏ほどありました(甲16・2頁)」と陳述している。
   自衛隊員が交通統制,現場保存を開始したのは,午前10時55分,警察が到
  着したのは午前11時35分である。(時系列表・準備書面2第2)
第2 自動二輪車のスポーク:写真(甲8⑩,甲25,甲26,甲27)
 1 写真(甲8⑩)に写っている自動二輪車(バイク)は,原告車両ではない。
   写真⑩のバイクのホイールはディスクタイプのスポーク(甲26,甲27)で
  あるが,原告車のホイールはワイヤースポークである(甲8①,②,④)。
   スポークは、車輪を構成する部品の一つ。外周部分を支えている金属部品(リ
  ム)と軸受(ハブ)をつないでいる部品。軸受から放射状に伸びている。
 2 別件行政訴訟で,神奈川県公安委員会は平成16年11月1日,堀部警部補が
  平成11年10月7日の作成した写真を乙1-1号として提出した(甲24)。立
  証趣旨は,「本件交通事故発生日当日(平成11年10月7日)に,実況見分調書
  (甲7)添付の写真が撮影されている事実」とある。
   同人が同日作成した写真を同時に乙1-2号証として提出した(甲25)。立証
                  2/7
  趣旨は,「乙1-1のネガフィルム16コマ目は,実況見分調書(甲7)添付の写
  真⑩であるところ,同写真に原告車両が写っている事実。」とある。
第3 間ノ瀬巡査部長に同行している自衛官:写真(甲8①,,⑩,⑪,⑫)
 1 写真甲8⑦(甲28)で,間ノ瀬巡査部長の実況見分に同行している自衛官2
  名が,同巡査部長と3人で炊事車の右車輪付近を見入っている。
 2 間ノ瀬巡査部長は,平成11年10月29日以前には本件トレーラ(炊事車)
  を見分していないから,写真甲8⑦は事故当日には撮影されていない。
 3 堀部警部補作成の実況見分調書(甲7)では,実況見分の立会人は小野寺とし
  ているが,同人の映像はなく,2名の幹部自衛官が見分に立会っている。
第4 「徐行」の道路標示:写真甲8⑦(甲28)
 1 上記写真(甲8⑦・甲28)の熊本方面への車線に「徐行」の道路標示が写っ
  ている。この「徐行」の道路標示は事故当日には存在しない。
   もし存在しておればこの車線を通行した原告に徐行義務が発生するが,警察及
  び自衛隊からの原告の徐行義務違反の主張はない。
 2 原告が平成11年10月29日に事故現場写真(甲第31号証)を撮影した時
  には「徐行」の道路標示・道路標識はなかった。
 3 この「徐行」の道路標示について釈明を求める。
第5 炊事車の衝突痕:甲8⑨,原告車の損傷状況(甲第33号証)
 1 原告車のホークには上部(甲33⑩)と下部(甲33⑪)にゴージ(丸のみ
  で削ったような傷)がある(甲8④・甲15⑩)。
 2 小野寺は別件訴訟で,原告車の上記の傷について見分した警官は「この傷は,
  トレーラ(炊事車)のホイールナットがありますけれども,そのホイールナット
  のところと接触したときの傷だと」と言ったと証言している(甲19の26頁)。
 3 写真(甲8⑨・甲15⑬)の炊事車のタイヤホイール及びホイールボルトナッ
  トには傷一つなく,塗装もはげていない。
 4 警察は,写真(甲8⑨)でタイヤの側面に擦過痕があるとしている。自衛隊は,
                 3/7
  写真(甲15⑫,⑬,⑭)の説明では炊事車の衝突痕(赤で囲った部分)として
  タイヤの側面に赤でしるしがつけられている。
 5 タイヤは天然・合成ゴムで作られているから原告車に上記の傷はつかない。
 6 原告車の損傷状況写真(甲8④)で,堀部警部補は下部の傷は「擦過及び黒色
  模様の色付着」と説明しているが,地上高約62センチメートルの上部の傷(甲
  33⑩)を看過している。
 7 原告車のホークの「黒色模様の色」は,炊事車の写真(甲8⑨)でタイヤの部
  分に「擦過痕」と説明をつけていることから,黒色のタイヤの色が付着したと説
  明したと思われるが,実際はホーク下部の傷(ゴージ)から流れ出たホークオイ
  ルが時間の経過により黒色に変色付着したものであることは,上記ホークの傷を
  実際に目で見,指で触ればバイクのホークから油が流出していることが容易に感
  知できる。
 8 実況見分とは,捜査機関が五官の作用により,物,場所又は人の身体について,
  その存在及び状態を感知する捜査方法である。
 9 堀部警部補が,本件事故当日に実況見分を行ったとは到底考えられない。
第6 草地の上の自衛隊車:写真(甲8⑤,⑥,⑦,⑧,⑨)
 1 事故当日,本件自衛隊車が道路外に移動された事実はない。
 2 小野寺によれば,「自衛隊車は,検証が終わるまでは別府よりの道路上にとめて
  いた。バイクさえ移動すれば,自衛隊車がいても片側通行が確保される。ちゃん
  と誘導員をつけていた。検証が終わってから演習場に持っていってもらった」の
  である(甲19・25~26頁)。
 3 事故発生日平成11年10月7日は木曜日であり観光シーズンでもなかったの
  で交通量は多くなかった。検証前に本件自衛隊車を草地に移動する特段の理由は
  なかった。
 4 事故直後の停車位置から炊事車を牽引した大型トラックを草地の位置に移動す
  るには,一旦後退しなければならず簡単ではない。
                  4/7
 5 小野寺と片岡の陳述書(甲16・甲17)によると,「事故の約10分後24普
  通科連隊の車両が通過した」のである。その以前に後続の9号車および10号車
  が通過している。
 6 本件自衛隊車が事故直後の停止位置にあっても,現場付近の交通に渋滞となる
  ような障害はなかったのである。
第7 KP34.9の里程標:写真(甲8⑪・甲第29号証)
 1 写真(甲29・甲8⑪)に写っているKP34.9の里程標は,事故当日,事
  故現場見取図(甲13)のKP34.9の位置に存在しない。
 2 原告が平成11年11月29日に撮影した本件交通事故道路KP34.9付近
  の事故現場写真(第31号証⑤,⑥)に里程標は存在しない。
 3 写真(甲31)は原告が玖珠警署からの帰途,道路の南側の草地の東端に駐車
  し,その位置から西へ歩き,カーブの頂点付近で引き返し,本件事故現場を撮影
  した,同一の機会に撮影した一連の写真である。
 4 写真(甲8⑪)の拡大写真(甲32①,②)に写っている里程標と,原告が平
  成13年10月30日に撮影した本件道路の写真(甲第32号証③,④)に写っ
  ている里程標とは,地上高及び設置されている位置が異なる。
 5 事故当時,本件道路の里程標は,キロメートル標(ポスト)と100メートル
  標では形状寸法が異なっていた。
 6 KP34.9の里程標は100メートル標で,事故現場見取図(甲13)のK
  P34.9の位置の地点より45メートル前後別府よりにあった。
 7 本件道路は,日本道路公団の「別府阿蘇道路」として,昭和39年10月,水
  分峠~一の宮間の有料道路として完成した。平成6年6月に大分・熊本県道別府
  一の宮線となり無料化された。その名残として里程標が設置されている。
 8 大分県「道の相談室」によると,里程標の立替えが平成12年6月頃から平成
  13年度に行なわれた(甲第34号証)。立替えられた後の里程標の形状・寸法は
  甲34に記載の図面及び写真のとおりである。地上高は1500mm程度で,標
                     5/7
  示板の寸法は,縦140mm,横350mmである。
 9 写真(甲8⑪)の里程標の標示板は自衛官の臀部の手前に写っている。
 10 路側用ガードレールの高さは800mm前後であるから,ガードレールと比較
  しても,実況見分調書に添付された写真⑪(甲8⑪)の里程標の地上高は,15
  00mmより明らかに低い。
第8 KP34.9の警戒標識:(甲8⑪・甲29)
 1 写真(甲29),間ノ瀬巡査部長の後方の外側路肩に,黄色地に黒でカーブの
  方向を示す<のマークが記された標識,曲線部誘導標(以下「KP34.9の警
  戒標識」という)がある。
 2 このKP34.9の警戒標識は,自衛隊の事故現場見取図(甲13)に「安全
  標識」としてその位置が記入されているが,警察の実況見分調書(甲7)添付の
  交通事故現場見取図(第3図)には記載がない。
 3 写真(甲8⑩),右手の擁壁上に,南行きの車ために設置された2個の警戒標
  識があり,3個目のKP34.9の警戒標識に続く。
 4 写真(甲8⑩,甲25,甲26,甲27)に,KP34.9の警戒標識の支柱
  は写っているが,標識板は写っていない。南行きの車からは見えない。
 5 写真(甲8⑪,甲29)では,北行きの車から真正面に見える。
 6 北行きの車からは,写真(甲32③,④)のように見えなければならない。
 7 実況見分調書添付の写真(甲8⑪)は,事故当日には撮影されていない。
第9 写真(甲8⑫,⑬,⑭,⑮,⑯):原告車のタイヤ痕及び擦過痕
 1 実況見分調書(甲7)別紙,6(1)現場の痕跡等に,「自衛隊車の進路上中央線
  付近に,新しいタイヤ痕1条a,原告車の進路上に新しい擦過痕2条c・dが印
  象されていたとの記載がある。(交通事故現場見取図・甲7・23頁)
 2 写真(甲8⑫~⑯)に,本件事故現場路面に印象されていたとして,タイヤ痕
  と擦過痕を示す矢印を記入しているが,タイヤ痕と擦過痕は写っていない。
 3 写真には,測定基準が写されていないので位置が特定できず,道路面だけしか
                    6/7
  写されていないか,路側が黒く塗られ,付近の草木の状況もわからず撮影の時期
  も推定できない。
第10 写真(甲8⑮,⑯):路面にかかれた「バイク」の文字及び記号
 1 写真⑯の右下方の路面に,「バイク」の文字や,丸で囲まれた「ウ」「エ」の文
  字その他チョークでかかれている。
 2 堀部警部補はこれらのマークについて言及していない。
 3 場所的に原告車の最終転倒位置であり,事故直後保安警務隊がマークし,自衛
  隊が撮影した写真である可能性が高い。
 4 別件訴訟では,国は擦過痕の存在については主張していない。
第11 おわりに
   その他,被告の準備書面の提出を待って,必要に応じ主張立証を行う。
                                    以上
証拠方法
 証拠説明書   甲1~11  平成20年8月20日付け 提出済み
 証拠説明書(2) 甲12~19 平成20年9月3日付け  提出済み
 証拠説明書(3) 甲20~22 平成20年9月29日付け 提出済み
 証拠説明書(4) 甲23    平成20年10月1日付け 提出済み
 証拠説明書(5) 甲24~29 平成20年10月7日付け 提出済み
 証拠説明書(6) 甲30~34 平成20年10月27日付け 提出