DIARY

バイマーヤンジンの日記です。

兄一家の巡礼

2008年01月06日 | Weblog
私の実家での出来事ですが、

昨年の年末に、兄一家7人がラサに向け、2ヶ月の巡礼に出かけました。
(日本の言い方にすると、本当は一番年上のいとこになります。しかし、チベットの私の実家では、いとこと言っても、父親がなくなってからは、わが一族をとりまとめるリーダー的存在で、実の兄よりもこわいです)。

皆さんもご存知かもしれませんが、チベットの一番いい季節は夏です。じゃあ、どうしてこんな寒い時期を選んで?と思われるかもしれませんね。

実は兄一家は半放牧、半農業の生活をしています。一年のうち、夏は放牧、農業はもちろん、そのうえ何ヶ月も山に入って、唯一の現金収入となる冬虫夏草など薬草も掘りに行かなければならない大変忙しい時期なのです。けれども、冬になりますと、農作業ができなくなりますし、牛と羊の出産時期も過ぎ、放牧も一段落します。ですから、時間的には少し余裕ができます。そのため、うちの田舎では、冬にラサへお参りに行く人がとても多いのです。

兄一家はけっして裕福ではありませんので、費用を節約するため、中古車一台だけチャーターして、実家から一日目はなんと800キロ、次の日からは夜も休まずに走り続けたらしいです。昨日実家に電話をしたら、すでに無事ラサに着いたとのことでした。

私が大変心配しているのは、妊娠2ヶ月のはとこの健康です。そして義理の姉(兄の奥さん)も体調を壊しているそうです。義理の姉はなんと出発する前日まで点滴をしていたので、私は「延期するように」と何度も電話で説得しました。けれども、「もし途中でだめになったら、それは私の天命であるし、自分の幸せでもあります」と言うのです。義理の姉の信仰心のほうがはるかに強かったです。

日本で兄一家の無事を祈るばかりです。

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