評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」
山崎元が原稿やTVでは伝えきれないホンネをタイムリーに書く、「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶ穴のようなストレス解消ブログ。
【楽天証券】賢くお金をふやす10の考え方
楽天証券ホームページでの連載「山崎元のホンネの投資教室」に「賢くお金をふやす10の考え方 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)
近年、「投資教育」の必要性が強調されていますが、満足出来るテキストやカリキュラムがあるようには思えません。
児童・生徒に対してだけでなく、既にお金を持っている大人に対する教育の方が、緊急に必要ではないでしょうか。この場合「投資」に限らず、「貯蓄」等を含めた、お金全般に関わる「考え方」の伝授が必要でしょう。
そこで、「大人向けのお金の考え方教育」に是非盛り込みたいコンセプトを10個挙げてみました。
◇賢くお金をふやす10のポイント
1.運用の能率としての「利回り」
利回りの評価には、まず「複利」の考え方を理解する。
複利を説明するには、より威力を発する借金を題材にするといい。
2.「割引」という考え方
利率から将来の価値を現在価値に換算し、現在の価格が幾らなら、その対象を買う(売る)のかを考える。
利率が上がる(下がる)と資産価格が下がる(上がる)こと、資産価格が決まることによって利回りが増減していることを理解する。
3.フェアな市場価格の情報価値
完全ではないにしても、株価には市場参加者が持つ情報と判断が反映している。
フェアに市場で売り買いされている株であれば、どれを買っても、或いは売っても、大まかには有利不利はない。
4.投資はプラス、投機はゼロサム
外国為替や商品相場のリスクは、いわば「投機のリスク」であり、株式・不動産・債券などのリスクはリスクを補償するリターンを期待出来る「投資のリスク」だ。
両者に善悪の差は無いが、長期的な資産形成に有利なのは「投資のリスク」の方である。
5.先ず手数料を評価せよ
同一カテゴリーにある運用商品では、商品のリターンの優劣を決める要素は手数料しかない。
投資対象とすることが正当化出来る運用商品は、ほんの一握りに過ぎず、運用商品の評価と選択は、本来ごくシンプルなものである。
6.リスクとの付き合い方
「許容可能な損失の最大額」の見当を付けて、その範囲内で最も好ましいリスクとリターンの組み合わせを選ぶ」のが基本手順である。
この金額を幾らにするかを決めるには、「360」という数字を使う方法を教えるとよい。
7.分散投資で何が得か
分散投資によるリスク低減で効率を改善出来ると、その分をリターンの改善に振り替えることが可能だ。
投資家自身の努力によって意図的にポートフォリオを改善することが出来る点で、分散投資は重要な考え方である。
8.機会費用の考え方
運用の意思決定にあって、「他のベストな選択肢との差」を意識する際に、他の選択肢の期待リターンだけではなく、リスクや手数料などのマイナス要素を差し引いた「潜在的利益」を把握しなければならない。
また、一般によく考えられるべきは「時間」の機会費用だろう。
9.サンクコスト(埋没費用)の考え方
意思決定に影響させるべきは、「現時点よりも後のコストとベネフィット」のみであり、もう変更出来ない、既に発生した費用(利益も含む)は、無視するのが正しい。
しかし、「サンク・コストを無視せよ」を実行出来ない人は案外多いのが現実である。
10.他人を信じないことの重要性
情報は非対称であり、それぞれ人は(自分も他人も)自分の利益に基づいて動いている、ということが根本的な問題である。
「金融機関の窓口で運用の相談をしてはならない」、等々、この方面の心配には殆どきりが無いが、運用に於ける「他人」というものとの関わり方は、運用教育において最も大事な項目となる。
近年、「投資教育」の必要性が強調されていますが、満足出来るテキストやカリキュラムがあるようには思えません。
児童・生徒に対してだけでなく、既にお金を持っている大人に対する教育の方が、緊急に必要ではないでしょうか。この場合「投資」に限らず、「貯蓄」等を含めた、お金全般に関わる「考え方」の伝授が必要でしょう。
そこで、「大人向けのお金の考え方教育」に是非盛り込みたいコンセプトを10個挙げてみました。
◇賢くお金をふやす10のポイント
1.運用の能率としての「利回り」
利回りの評価には、まず「複利」の考え方を理解する。
複利を説明するには、より威力を発する借金を題材にするといい。
2.「割引」という考え方
利率から将来の価値を現在価値に換算し、現在の価格が幾らなら、その対象を買う(売る)のかを考える。
利率が上がる(下がる)と資産価格が下がる(上がる)こと、資産価格が決まることによって利回りが増減していることを理解する。
3.フェアな市場価格の情報価値
完全ではないにしても、株価には市場参加者が持つ情報と判断が反映している。
フェアに市場で売り買いされている株であれば、どれを買っても、或いは売っても、大まかには有利不利はない。
4.投資はプラス、投機はゼロサム
外国為替や商品相場のリスクは、いわば「投機のリスク」であり、株式・不動産・債券などのリスクはリスクを補償するリターンを期待出来る「投資のリスク」だ。
両者に善悪の差は無いが、長期的な資産形成に有利なのは「投資のリスク」の方である。
5.先ず手数料を評価せよ
同一カテゴリーにある運用商品では、商品のリターンの優劣を決める要素は手数料しかない。
投資対象とすることが正当化出来る運用商品は、ほんの一握りに過ぎず、運用商品の評価と選択は、本来ごくシンプルなものである。
6.リスクとの付き合い方
「許容可能な損失の最大額」の見当を付けて、その範囲内で最も好ましいリスクとリターンの組み合わせを選ぶ」のが基本手順である。
この金額を幾らにするかを決めるには、「360」という数字を使う方法を教えるとよい。
7.分散投資で何が得か
分散投資によるリスク低減で効率を改善出来ると、その分をリターンの改善に振り替えることが可能だ。
投資家自身の努力によって意図的にポートフォリオを改善することが出来る点で、分散投資は重要な考え方である。
8.機会費用の考え方
運用の意思決定にあって、「他のベストな選択肢との差」を意識する際に、他の選択肢の期待リターンだけではなく、リスクや手数料などのマイナス要素を差し引いた「潜在的利益」を把握しなければならない。
また、一般によく考えられるべきは「時間」の機会費用だろう。
9.サンクコスト(埋没費用)の考え方
意思決定に影響させるべきは、「現時点よりも後のコストとベネフィット」のみであり、もう変更出来ない、既に発生した費用(利益も含む)は、無視するのが正しい。
しかし、「サンク・コストを無視せよ」を実行出来ない人は案外多いのが現実である。
10.他人を信じないことの重要性
情報は非対称であり、それぞれ人は(自分も他人も)自分の利益に基づいて動いている、ということが根本的な問題である。
「金融機関の窓口で運用の相談をしてはならない」、等々、この方面の心配には殆どきりが無いが、運用に於ける「他人」というものとの関わり方は、運用教育において最も大事な項目となる。
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