復興小学校という言葉をご存知だろうか。関東大震災後復興のために建てられた小学校の校舎のことで、ほとんどは戦争を生き延びたが、その後多くは建替えられてしまっている。この写真は、現存する復興小学校のひとつ常盤小学校の入り口だ。 変わった形の窓は、当時ヨーロッパで流行していた「表現派」の影響と言われる。表現派は文字どおり建築家個人の表現性をを重視したので、本来建築家ごとにデザインのスタイルは違うわけで、表現派のスタイルというのも少しおかしい気もするのだが。
理屈はともかく、この部分を見てもこの建物のデザインに力が入っているのがわかるし、事実すばらしい建物なのだ。先日見学する機会が在り、その魅力を再認識した。
ところが、この常盤小学校に勝るとも劣らない優れたデザインの復興小学校である明石小学校が取り壊しの危機に瀕している。耐震性も全く問題なく、地元住民、PTA、建築史研究者など多くの人が保存を望んでいるのに、中央区は税金を使ってこの世界遺産級の文化財を壊そうとしている。これは犯罪ではないのか。
関心のある方は是非、保存を望む会のホームページをご覧になっていただきたい。