で、京都出身の女性・グレゴリ青山さんの旅の本。
つくづく街の子だなあ、と感心する。前項の酒井順子さん含め、この世代の人は、ほとんど住宅街育ち臭さが鼻につくのだが、グレゴリさんは、完璧に都会の子です。田舎者はかなわない。
本書は大部分書き下ろし。50年以上前の日本映画の風景、ニセモノっぽい上海ソング、インド映画のダンス・シーン、タイやミャンマーのポスターや絵葉書などなど、旅行中にみつけたヘンな物、懐かしげな物が満載である。
あっと、同じ著者・同じ出版社の『旅のグ』よりも具体的な旅の話は少なめです。あっちのほうは手書文字のマンガがぎゅうぎゅう詰めで、密度が濃いけれど、一冊通して読むと疲れる。こっちのほうが、グレゴリさんを知らない人の最初の一冊としておすすめ。
ちょっと間違えると団塊オヤヂの懐古話になりそうだが、グレゴリさんの視線は、あくまで未知の世界をのぞく旅行者の視線と同じである。昔はよかったふうの不快感はないので安心して手にとってみてください。
最後に力作(というほどでもない、淡白な文章ですが)二編。
ひとつめは夢野久作『氷の涯』と挿絵画家・竹中英太郎を重ね合わせた幻想譚。日本の作家が描いた幻想のハルピンとそこで暮らした挿絵画家の話。
ふたつめは台湾の画家・陳澄波(CHEN,Cheng-Bo 1895-1947)を知り、彼が住んでいた街を訪ねる話。嘉義(Chiayi)の過去と現在を交差させた幻想的な(偶然すぎる!)話。
グレゴリ青山さんが陳澄波を偶然発見したように、台湾の哈日族が発見するのは、意外とこの日本から見た幻想の亜細亜かもしれないですね。(すでにブームになっている?)
*****
あと、久しぶりにぺらぺらとめくってみて、ああ、そういえば、と思って
"Mera Naam Chin Chin Chu" をYouTubeで検索してみたら、当然ヒットした。
初めて見た!
すごい。
日本物は著作権でがんじがらめにして鎖国状態にしている。そのうち、中国やインドがお互いに発見してしまうぞ。いいのか!
「鞍馬天狗・黄金地獄」の伝説的シーンが見たい。(フィルムセンターに所蔵されているそうだし、ビデオ・テープ化もされているのだが。)
ああ、伝説的シーンというのは、ワンカット移動撮影の殺陣です。グレゴリさんが紹介しているお間抜けなシーンも見たいぞ。
つくづく街の子だなあ、と感心する。前項の酒井順子さん含め、この世代の人は、ほとんど住宅街育ち臭さが鼻につくのだが、グレゴリさんは、完璧に都会の子です。田舎者はかなわない。
本書は大部分書き下ろし。50年以上前の日本映画の風景、ニセモノっぽい上海ソング、インド映画のダンス・シーン、タイやミャンマーのポスターや絵葉書などなど、旅行中にみつけたヘンな物、懐かしげな物が満載である。
あっと、同じ著者・同じ出版社の『旅のグ』よりも具体的な旅の話は少なめです。あっちのほうは手書文字のマンガがぎゅうぎゅう詰めで、密度が濃いけれど、一冊通して読むと疲れる。こっちのほうが、グレゴリさんを知らない人の最初の一冊としておすすめ。
ちょっと間違えると団塊オヤヂの懐古話になりそうだが、グレゴリさんの視線は、あくまで未知の世界をのぞく旅行者の視線と同じである。昔はよかったふうの不快感はないので安心して手にとってみてください。
最後に力作(というほどでもない、淡白な文章ですが)二編。
ひとつめは夢野久作『氷の涯』と挿絵画家・竹中英太郎を重ね合わせた幻想譚。日本の作家が描いた幻想のハルピンとそこで暮らした挿絵画家の話。
ふたつめは台湾の画家・陳澄波(CHEN,Cheng-Bo 1895-1947)を知り、彼が住んでいた街を訪ねる話。嘉義(Chiayi)の過去と現在を交差させた幻想的な(偶然すぎる!)話。
グレゴリ青山さんが陳澄波を偶然発見したように、台湾の哈日族が発見するのは、意外とこの日本から見た幻想の亜細亜かもしれないですね。(すでにブームになっている?)
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あと、久しぶりにぺらぺらとめくってみて、ああ、そういえば、と思って
"Mera Naam Chin Chin Chu" をYouTubeで検索してみたら、当然ヒットした。
初めて見た!
すごい。
日本物は著作権でがんじがらめにして鎖国状態にしている。そのうち、中国やインドがお互いに発見してしまうぞ。いいのか!
「鞍馬天狗・黄金地獄」の伝説的シーンが見たい。(フィルムセンターに所蔵されているそうだし、ビデオ・テープ化もされているのだが。)
ああ、伝説的シーンというのは、ワンカット移動撮影の殺陣です。グレゴリさんが紹介しているお間抜けなシーンも見たいぞ。
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