MilanoからLondon、東京に移り住みましたが、変わらず日常生活を書き記そうかと。。
ミラノ通信 - 我が為すことは、我のみぞ知る



総入場者数は44000人を超えたらしい。




初めてトラックの上に仮設スタンドが建てられてそこにお客さんが入っている姿を見た。国立競技場であんな場所にスタンド建てても良いんだね。。サッカーでは考えられないんだろうが、興奮してピッチに乱入するとか言う確率やそのリスクヘッジとかの検討はしたのだろうか。。。見た感じでは警備員がその前面に立っていたようには思えないんだが…。因みにその席は70000円だとか。7万円と言う値段はボクシングのリングサイドのような値段だ。いくらオールブラックス対ワラビーズだからと言っても7万円も払って観るのかねぇ、と思っていたらざっくり見たところ200人くらい座っていたように思えた。もし全員が有料入場者ならばそこだけで収益は1400万円。恐らく国立競技場の使用料はそこだけでペイ(とは言っても何か手土産渡していたので原価はいくらか掛かっているであろう。ただ手土産と言ってもそれ程金額が嵩むようなグッズではないのであろう!?:推測)できると言うことだ。

先般会食をご一緒させていただいた岡田監督がこの試合を評して、ブラジル対スペインだもんなぁ、7万円払う価値あるかもなぁ、と仰っていたけれども、いよいよスポーツビジネスも富裕層マーケティングを本格的に考える必要があると言うことなのだろうか。確かにブラジル対スペインの試合を国内で開催するとなれば、海外にわざわざ行くよりもはるかにコストは安い。しかしながらそれはそもそもブラジル対スペインの試合を観に行きたいと常日頃思っている人にとっての機会コストでしかない訳だ。大変失礼ながらラグビー版ブラジル対スペインであろうオールブラックス対ワラビーズの試合を純粋に場所がどこでも(海外だとしても!)観たいと思う人がどれくらい日本の中にいるんだろうか。そしてその人たちは日本で開催される、と聞いた瞬間に買うんだろうか…。

と思って色々と聞いてみると、オールブラックス対ワラビーズの試合の予定だけを流しているサイトがあるんだそうな。うん、確かにワールドワイドで観ればラグビーファンはサッカーファンの次くらい多いのだろうし、その対決だけを追い続けるようなファンがいてもおかしくはない。ただ、これがことこの日本の国内マーケット、となると一体どれくらいいて、その人たちの可処分所得がどれ程のものになるのか、極めて疑問だ。詳しく言えば人数がそれ程多くいるのか、が疑問だ。



別の観点で雑感を述べれば、この日の試合、一体有料入場者は何割いたんだろうか?2019年のワールドカップは自由席が7000円なんて馬鹿げた値段では誰も行かないと思われる。こんな強気の値段設定はトップ14の国でのラグビーワールドカップならば兎も角、まだまだ大学ラグビーの方がテレビ中継されるような日本では成立しないように思えて仕方ない。プライシングに付いては絶対に一考すべきだと考える。大人の事情(放映権料のIRBへの支払etc)も分かるが、誰も高過ぎて来ないとなれば赤字だけではなく面子も潰れてしまう。それは一スポーツファンとしても非常に悲しい。ラグビーだけではなく生観戦することが本当に好きな自分としては絶対に成功して欲しいと心底思っているからだ。

我々も因みに招待券で観戦したが、周りは○○大学ラグビー部、△△高校ラグビー部と書かれたお決まりのエナメルバッグを抱えている学生の子ばかりだった。その子達が7000円の自由席を気軽に買えて観戦に来たとは到底思えない。高校単位、大学単位で地域のラグビー協会から動員が掛かりチケットが廻ってきたのであろうが、2019年は放映権料の額からするとそんな無料招待の人たちが多勢を占める興行など絶対にしてはならない筈だ。

今回の招待者たちの顔を日本ラグビー協会はどれくらい認識しようとしているのだろうか。つまりCRMだ。今回はタダで良しとしよう。しかしその後それをマーケティングに繋げていけないのであれば毎回毎回赤字垂れ流しになる。今回の試合はスポンサーが付いていたからそれで良いのか?またフィールドシートで少なくとも会場使用料がペイされ、残り何千席かで2チーム分の招待に必要な金額がペイされたからそれでOKなのか?!答えは絶対にNoだと思う。ラグビーが野球、サッカー並みに面白いスポーツであることを広く訴求していき、2019年のワールドカップの成功へチームサイドの強化も勿論必要だが、ビジネスサイドの強化もしていかなければ意味はないと思う。ラグビーは昔からテレビ、スタジアムでの観戦を含めて年間で何だかんだ言って20試合くらいは観戦する程好きなスポーツだ。ガバナンスと言うか、マネジメント自体がきっちりしていかないと、経済事情が悪くなる一方の昨今(特に民主党政権になってからどのようにスポーツに注力されるのかはまだ未知数だが…)スポーツリーグ産業は先ず絶対に隆盛を極めることなど不可能だ。特にラグビーはサッカーなんかよりもはるかにルールが難しくハードルが高い。端的なのが女性プレーヤー人口だ。観る人がいなければする人など出てこない。そんなルールの難しいスポーツであるラグビー。同じ国立で代表戦をゴール裏で見ると大体2000円から3000円。それを7000円で売るには、オールブラックス対ワラビーズであると言うこと以外の理屈、理論が必要だと思う。

ハーフタイムの時にラグビー協会の無料会員募集をしていたが、それがどれくらい魅力あるコンテンツでどれくらいのラグビーファンを捕捉できたのだろうか。彼らに対してのキラーコンテンツが何で、その後どのように試合観戦へと繋げられるのだろうか…。

場合によっては色々と手伝うことができそうなんだけどなぁ。。。。

(一部写真はJRFUより転記)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 『Buon comple... 『AC Milan vs... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。