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【コラム】 秋~春開催は可能か

2006-01-21 | フットボール全般
フットボールコラムの第2回目です。今回のテーマは『リーグ戦開催時期』です。

現在、Jリーグの主な日程は3月に開幕し12月にリーグ終了。その後天皇杯の勝ち進み具合でシーズン終了時期に違いは生じるものの、1月1日には全チームがその年のシーズンを終了させ、オフに入る。
それに対し、欧州では8月末~9月初旬にかけてリーグが開幕し5月にはリーグが終了する。

今、日本サッカー界の一部の間では、Jリーグの開催時期を欧州型に転換し、海外移籍などをスムーズに行えるようにしようとする意見が出ている。確かに現在の日程のままだと、海外移籍した際、オフが無いまま海の向こうでプレーする事になり、1年半もまとまったオフを取る事が出来なくなっている。その考えは確かに一理ある。今後は今以上に欧州移籍が盛んになる可能性は高いだろうし。

では、現実に日本で秋~春開催は可能なのか。答えはノー。何故ならば、それは日本の気候の特徴である四季折々という、季節の移り変わりがあるからだ。毎年冬になると豪雪地方で大雪が降る現在では、1月・2月にこれらの地域で試合を開催する事は不可能だと思う。
具体的には、新潟・山形・仙台・札幌がこの対象に入るだろう。

この中でまずは新潟。オフになるとビッグスワンの屋根に雪が溜まり、落下の危険が出るため、スワン周辺が立ち入り禁止になるという話を以前耳にしたことがあります。これでは試合開催は不可能でしょう。
札幌にはドームがあると思っている人は沢山いるだろうけど、実はドームの天然芝は、シーズンオフになると外に出して養生するので、必然的に雪に埋もれる。3月になると、札幌サポのシーズン前恒例行事として、チーム総出で芝生の雪かき作業があるのだから、この条件ではとても冬に試合は開催出来ない。
仙台もおそらく試合開催は無理だろう。山形に至っては、去年4月のホーム開催ですら、雪で急な会場変更になったくらいだから、1月・2月に試合開催など、まず無理であろう。

以上のように、上記の4チームは冬になると試合が出来なくなる。仮に試合日だけ徹底的に除雪作業をして、試合が出来るようになったとしても、普段の練習場の確保はどうするのか。Jリーグは練習場の除雪作業まで受け持つ事が出来るのか。その辺りの問題を解消しないことには、秋~春開催は無理でしょう。

それでも秋開幕を推奨する人はいらっしゃるでしょう。そういう方々は、東京を基準にした思考回路の持ち主なのではないでしょうか。雪があまり降らず、インフラが十分整備された都市型環境に慣れているから、その感覚でモノを言ってるではないだろうか、と予想します。

一度でも北国で生活した事のある人なら、きっとわかると思いますけど、冬の雪の降り方はハンパじゃない。子供が飽きる位、雪が降り続けるんですから。交通網だって寂しいもの。山手線を一本逃がしたって2分後にはすぐ次の電車が来ますが、地方に行ったら電車は1時間に1本、それも2両編成なんてのは当たり前。そんな環境に少しでもいると、いかに東京近郊が恵まれているかを実感します。

日本より寒いはずのドイツでは、冬になるとリーグ戦が一時中断になります。もし将来的に秋開幕に移行するのなら、新潟ら4チームの環境整備は必須条件として、ブンデスリーガのモデルを参考にする事が、求められてくると思います。





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