The 理科ロマンスカー

人生を振り返りつつ見過ごしては禍根を残すであろう事柄に着目。
日本の正義・倫理・規範・疑惑等々婉曲的に発信。

「理科ではぐくむ能力・態度」と「各教科共通の指導方法・学習活動」

2017-01-05 05:22:34 | 日記

理科授業の展開は問題解決的に行う。科学の方法と同じで、科学者の研究とほぼ同様である。

事象提示の工夫により、学習者である子どもから「なぜ」「どうして」「不思議」の疑問が沸き起こり「知りたい」「調べたい」の問題へ。そしてみんなで取り組む学びに値する学習問題(名称には「学習課題」「めあて」「今日の学び」等でも良い)が作られ、予想や仮説(仮説は既有の知識や経験より思考する為、単元の後半や5・6年生でないと難しい)を考える。これは理科教科でねらう特徴の一つである。先を見通す力を養うことにより目的や見通しを持った学習が可能になる。色々と考えを巡らせるので、思考回路をグルグル回すことになり、頭の活性化につながる。

 予想(よそう)は反対に読むと「うそよ」。「あてずっぽう」でも先を見通す力になり、繰り返すことによって極めて大事な能力になっていく。仮説は「仮の結論」。根拠を持って考えるため、単元の後半か、理科の先行知識・経験を蓄えていることが、仮説を考える条件になる。

 予想や仮説を解決するために、どのような観察・実験を行うか、実験・観察方法の計画を立てる。観察・実験は理科の要のなかの要である。理科学習は「論より証拠」。実証性・再現性・客観性が教科の持つ特性である。

観察の指導は、観察の観点や視点を確認すること。諸感覚(五感)を総動員して対象を調べるよう仕組みたい。観察力は全ての能力の根源、礎であり、各教科共通に必要な能力といえる。観察で留意することは事実を確実に掴むように指導したい。

実験は、その目的を明らかにさせ、視点を明確にして取り組ませたい。実験を縦横無人に行うようになるためには、器具や道具の操作の習熟が重要なポイントになる。その為には、正しい器具や道具の使い方の指導と、実験の機会をできるだけ多く確保することに尽きる。それもグループで協力・協働させ、役割を固定させないことと、傍観者を作らせないことが留意することである。

 次に観察、実験の結果である。結果は事実を有りのまま記録させること。変化した過程などもまめにメモするよう育てたい。言葉や文字は国語学習で指導されるが、理科学習においても正しく表現し、早く表記できるよう指導することと、もちろん理科用語の指導はする。結果は文字以外では、図や絵など表現活動として多様にさせたい。

 結果を読み取りやすくするために、表にまとめたり、グラフで表したりなど、他教科での学びを活用させ結果の解釈をし易くさせる。結果を吟味、分析する過程が考察・結論になる。

ここでは、比べたり因果関係で探ったり、こうではないかと意味付けしたり、定性的定量的に見たりしながら構造的総合的に考えて結論に導く。決して教科書に書いてある答えを考えもせずにすぐに見る子にはさせたくない。

概略述べたことが、理科の学習活動であり、記載してあることを意識した授業により理科の見方や考え方を深めることになる。

 これらをダイナミックに児童ファースト(東京都知事の言葉を借用)で行っていくために、どの教科にも共通する指導方法・学習活動は「教え合い」「話し合い」「ICTの活用」「学習計画・立案」「思考ツール」などがある。

「教え合い」は、分からない・出来ない子どもが分かりそう・出来そうな子どもに聞きに回ったり、逆に教えに回ったりすることになる。

「話し合い」では、まずは隣り同志、そして4人か6人のグループ、最後に学級全体での交流。その際、ホワイトボードをつかって考えを描きながら、付箋に書いて貼り合わせながら、考えをまとめていく。

「ICTの活用」は、タブロップを使用したり、インターネット情報を活用したりすることである。

「学習計画・立案」は、学習の見通しを持つことと、その計画を構想、立案することである。

「思考ツール」は、比較して考えたり、関係づけて考えたりなど思考する際の重要なツールになる。

 

 今までに述べた教科本来で培う「理科ではぐくむ能力・態度」と「各教科共通の指導方法・学習活動」を活かすことによって子ども達の学びは深まっていくのである。