The 理科ロマンスカー

人生を振り返りつつ見過ごしては禍根を残すであろう事柄に着目。
日本の正義・倫理・規範・疑惑等々婉曲的に発信。

「きらめきの小学校時代に」----人生の土台をつくります---

2015-03-29 11:12:01 | 日記

 小学校教育はひとり一人の子どもに国語・言語関係と算数・数量関係の力を確実に身につけ、自然・理科や社会・社会科や人間・生活科にシャワーのごとくたっぷりと浴び、心と身体の基礎体力を養い、芸術や文化にも触れることが、将来大きく育つ「大樹」の元になり、骨太の根にあたる「心根」を形成する。

 併せてゲーム機やコンピュータなどの電子機器にも親しませておくことが肝要。 

 これらの学びや体験で得たことや疑問なことを学習につなげ、思考を働かせて理解・納得を図り、言語化して知識、概念として定着させていく。

 小学校教育は身体全体をセンサーとして全身使っての基礎教育が今後の成長に極めて重要になることを教員・指導者は認識しておくことが子どもの幸せにつながる。

    学校種による授業のイメージ

    小学校        中学校   高等学校

低学年

中学年

高学年

 

 

 身体ごと学ぶ 援助学習  自力学習 プレゼン・討論


「やり方」と「考え方」と「あり方」の捉えをズバリ分析

2015-03-27 15:41:11 | 日記

 教育書や教育関係者の話題には「やり方」と「考え方」と「あり方」の言葉が結構使われ聞くことも多い。それらの言葉の概念を考察する。

「やり方」は、方法、手順、手法のことである。すなわち方法論であり、具体的な指導の姿・仕方で、指導法にあたる。下図で表している「教育を考える階層」では、「教育の指導法」のジャンルにあたり、下位層の「教育技術・方法、教育技能・技量」をも包含する。

                 図

「考え方」は、具体的に行っている手法・方法の背後に位置する「教育理念・理論」で、まさしく考えである。現れている姿は「やり方」であるが、それを裏打ちしていたり、背後で支えていたり、基盤や土台となったりしている。哲学ともいえる。

 

「やり方」と「考え方」は車の両輪のようなもの。であるから、「やり方」と「考え方」とが何度も行き来することを経て、微調整や修正が加わり、それらの自己の経験が年輪となって昇華し、より妥当性のある指導法が形作られる。換言すると、「その子にあった」「その子どもの琴線に触れた」幾つかの指導法を持ち合わせることになり、指導法が豊富になったことである。

 

「やり方を真似して良い実践ができるか」などの声を聞くことがあるが、実践を通すことによって、その背後にある考え方が見えてきて、繰り返すことによって指導法の真髄やコツのようなものが見いだされてくる。


このことは、やり方の真似を繰り返すことから、やり方の本質である考え方が明らかになってくることを意味する。加えて、実践を通してやり方の「考え方の共通項」が自分の中でつながってくるようになり、教育活動の指導・感化が子どもに受け入れやすくなる。試行錯誤のプロセスのなかで、指導の「あり方」の考えが芽生え育つようになる。

 

「あり方」は、その人自身の人生観や倫理感、正義感、教育観、授業観、子ども観や人柄、ものの見方や考え方などのフイルターを通した考え方である。同じ「やり方」「考え方」であっても、それを使う人の「あり方」によってその現れる姿や形が大きく変わってくる。「あり方」はその人自身の成長やキャリアアップに伴って大きく変容、増幅、拡大していくのである。図では「教育哲学」のレベルにあたる。


②素朴概念を知る・・・自然現象に対して子どもなりの思いを抱いている

2015-03-25 08:50:04 | 日記

「草花を食べる虫なんて、いないよ。だって、僕が虫だったら、気持ち悪くて食べない」と考える3年生。「太陽は海に沈んで、月になって戻ってくる」。また、「月は日によって形が変わるので、それぞれ形が違う月が何個も存在している」と小学生の頃の見方。畳み掛けるように「月と太陽は同じもの。昼は太陽、夜になると月に変わる」と思い込んでいたと、小学生の頃の見方を語る学生。

 

他の自然現象を尋ねてみたところ、「霜は空から降ってくる。振り子の先の錘が重いほど、振り子の速さが速くなる。地層は誰かが描いた絵。足がしびれるのは、足に電流が流れるため」など見方や考え方を語る。

 

子ども達は、理科の対象である自然の事物や現象のなかで生活している。それらを見たり触れたりして、不思議に感じたり疑問に思ったりしたことを、子どもなりに意味づけした見方や考え方(「素朴概念」と呼ばれている)を構成していると推測できる。

 

授業構想にあたっては、自然の事物や現象に対する子どもの見方や考え方の情報を十分に集め、子どもの立場や目線に立って授業展開を検討することが、よりよい授業づくりの必要条件になる。

 

指導内容に関した「素朴概念」を調べておくことは、子どもの見方や考え方に寄り沿った展開がより可能となる。

 子どもの素朴概念を載せる。

3年生  《子どもの考え》           【その根拠や理由】

①「草花を食べる虫なんて、いないよ」→「僕が虫だったら、気持ち悪くて食べない」

②「毛虫は大きくなっても毛虫のままだよ」→「人間の子どもと同じで、大人の毛虫になる」

③「花壇の草花は、私たちを楽しませるためにきれいに咲くんだね」→「花にも、私たちを喜ばせてあげたいという気持ちがあるから」

④「どんなに暗くても、見ようとすれば物は見えるよ」→「絶対に見えるぞ」って思えば、絶対に見える。

4年生  《子どもの考え》           【その根拠や理由】

①「野原の虫は、遊んでいるだけだよ」→「野原は遊ぶ場所だから」

②「温めても、五十円玉の大きさは変わらないよ」→「大きさが変わってしまうと、自動販売機で使えないよ」

③「ストーブで温められた空気は、床の上にどんどん溜まっていくよ」→「ストーブから温かい空気が流れ出すから」

④「水蒸気は、目に見えるよ」→「機械だから(水蒸気と清浄機との混同)。だって、見えない物がどうしてあるの?」 

5年生  《子どもの考え》           【その根拠や理由】

①「うまれたばかりの赤ちゃんメダカは、親メダカから餌をもらうよ」→「人間の赤ちゃんも、お母さんから食べ物をもらうから」

②「食塩水を顕微鏡で見ると、食塩の粒が見えるよ」→「食塩が細かくなっていて、人の視力では見えないだけ」

③「太陽が高く上ると、気温が下がるよ」→「高くなると、光の届く場所が多くなり、光が薄くなる」

④「木の枝や葉が揺れるから、風が吹くんだね」→「揺れると、ザワザワ音がして、その後、風が吹いてくるから」

6年生  《子どもの考え》           【その根拠や理由】

①「茎はストローのようになっていて、中の穴を水が通るんだよ」→「タンポポの茎は、ストローみたいに水が通れるようになっているから」

②「水に鉄を入れても、水は変化しないよ」→「鉄は錆びるけど、水の方は変化しない」

③「N極とS極を変えられる磁石なんてないよ」→「N極とS極が変わったら、方位磁石が変になるよ」

④「陸の生き物の化石は陸で、海の生き物の化石は海底で、見つかるよ」→「だって、棲んでいた場所で、死んで化石になるから」

※「変わる理科教育の基礎と展望」(東洋館)より引用


道徳力が問われている

2015-03-16 17:28:55 | 日記

 18年度より道徳が「特別の教科」に格上げされる(文部科学省)。話し合いを重視した道徳の授業展開を模索しているようだ。15日付 読売新聞朝刊 ウソ放送、福島 静ご前さんの投稿はユーモアのセンスというよりも意味深な言い回しである。

 

  過日報道された教師への脅迫文から発想したのであろうか。「脅迫文 『添削して返送した』―道徳の教員」。

 

  教員の道徳的善悪判断力の欠如を揶揄しているのか。はたまた脅迫文でも文章が整っていない場合は添削してしまう教師のサガを語っているのか。いや、こんな文章を作ることは人間のすることではないという道徳的内容添削を想定しているのか。

 

高齢者にとって「ウソ放送」欄は認知を防ぐ思考トレーニングの場に多いになっている。


「教科等の内容と学習方法との関係について」

2015-03-08 17:28:36 | 日記

 

 各教科等には担うそれぞれ固有の内容がある。それは学習指導要領に示されている。教科については内容を一文で括り、教科で培う内容の特色を端的に表している。これら内容に関する知識を「内容知」と呼ぶ。

 

「内容知」を理解するには教科毎に独自の学び方がある。この学び方に関する知識や技能(スキル)を身につけることが深い内容の理解につながる。これが「方法知」である。

 

「方法知」には、各教科等での「固有な学び方」の知識とともに、どの教科等にも共通する「ノートのとり方」「調べ方」「ICTの操作法や検索の仕方」「発表の仕方」「グループや全体での話し合いの仕方」「発表資料の作り方」などがある。

 

さらに各教科等に技能(スキル)・技術にあたる「実験の仕方」や「筆の使い方」「資料の読み取り方」「器具の扱い方や操作」など教科特有なものがある。

 

加えて、授業において情報の整理や問題解決等の際、どの教科にも通じ共通する思考のツール(考え方)として「比較する」「分類する」「多面的に見る」「関連付ける」「構造化する」「『私の考えでは』と総合化する」がある。

 

「内容知」を理解させるために、教科で培う内容を分析し、内容を理解するための方法知や各教科固有の学び方、技能・技術などを整理して授業構想を練ることが重要である。

これらの関係を表している。