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次期学習指導要領「授業構想の着眼点」――授業づくり関係図の読み取り  その4(教科本質論)

2017-09-23 10:11:45 | 日記
 関係図真ん中上側の4「教科本質論」のところをご覧ください。(図1)
ここの視点は、「教科本来の学問的背景を見据えて、それをどのように活かし教えるか」の教科本質論であり、それが教科固有の「見方・考え方」とネ--ミングしている。換言すると、教科の本質をどのように捉え、それを如何に活かして授業を設計し、授業を通して学習者に浸透させていくのか、ということである。



 理科は実験・観察という理科固有のものがあり、それは近代科学が確立し、知識が生まれてきた方法論が背景になっていて、教科はそれぞれの親学問が根拠になっている(一部そうでない教科もある)。これが理科教科の本質である。
 小学校でのことであるが、授業参観をした折にどの教科の授業か、一瞬判断に戸惑うことがあった(低学年の教室ではそういうことはあると思われるが…)。国語の教科を一言で表したら・・・・・。算数科は何をねらっている教科か・・・・・。すなわち教科の役割である。理科は何と言っても「実験・観察」である。これを大前提として「教科の見方・考え方」を考察する。



 植物を観察する際には、まずは草花全体をながめさせ、次に①花びら(花弁)の形は。②葉のつき方は。③葉の形は。と一つひとつ問いかけて確かめる。さらに、草花は季節よって違う。花が咲いている時は目に付きやすいが、①花が咲くまで。②種子。③実のできるとき。④そこにどんな虫が来るか。⑤種子の運ばれ方はどうか。などの働き掛けは大切になる。
 これは「全体」から[部分]へ、見る視点・観点で「見方」にあたる。この見方を通して、葉の形や葉のつき方から草花の共通性や多様性に気付いていくのである。

 理科の「見方」(エネルギー・粒子・生命・地球の各領域の事物・現象の特徴や特性に応じた自然を見る視点や分類の視点など)としては、まずは感覚である五感で捉えたものを、全体と部分、量的と質的、共通点と差異点、定量的と定性的、時間的、空間的、多面的などの視点をもって対象を観察、分析していくのである。これらの見方の視点で捉えたことを、意味付けて結果や結論に導く際(理科の「考え方」=問題解決や科学的探究を通して自然の規則性や法則を得るための実証性・客観性・再現性に裏付けられた理科固有の方法論につながるもの)には、思考の方法・仕方として、比較したり関係づけたり、あるいは、図表化したり、グラフ化したり、構造化したり、あるいは帰納的や演繹的な考えを動員して、問題解決を図って行くのである。これが理科の「考え方」である。
一連のこれらのことを教科の見方・考え方といっている。そのことを図2に表している。

 理科の本質を基盤として、対象である事物・現象をどのように見て(観て)追究し、捉えたものを如何に考察して結論に導くかであり、指導者である教師が教科の本質を掴んで、指導計画を立て、授業を行うことは、深い学びに繋がることは確信できる。教科内容研究の意義が増していることは間違いない。


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