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「仮想空間サービス」の魅力がわからない。

2007年03月22日 | 時事
ネット「仮想空間サービス」日本に上陸 新たな商機、脚光(産経新聞) - goo ニュース


御用とお急ぎでない方は Google でも Yahoo でも,この Goo の検索エンジンでもいいから「ハビタット」というのを検索してみていただきたい。「ハビタット」というのは1990年(17年前です,奥さん)に富士通が当時関連会社(現在は子会社)だったニフティの運営するパソコン通信上で開始した,まさに「仮想空間サービス」である。知ってました? 名前だけは聞いたことがある?

かなり古手のネットワーカーでも,実際にこの「ハビタット」を使った経験がある,という人は少なかろう。だってパソコン通信の頃でしょって? そんなことはない,96年,富士通はこれをインターネットからもアクセス可能にしたし,確か97年には……これは実際に見たわけぢゃないんだが,「ハビタット/3D」とか言って3次元空間に対応した。10年も前に? と驚きましたか? ところがどっこい,当時の報道には「インターネット上の仮想空間はワールズチャットなど複数あり,三次元のものが主流。富士通もようやくこれに追いついた格好である」てなことが書いてある。

なにが言いたいかというと,当時の「仮想空間サービス」と話題の「セカンドライフ」とか「スプリューム」の最も大きな違いは技術的な進歩ではなくて規模ぢゃないのか,ということなのね。そりゃマシンも速くなったし通信環境も良くなった。昔に比べりゃリアルな3Dがちゃかちゃか動くだろう。でもそんなものはすぐ飽きる,問題は結局そこで実現するコミュニケーションの質に帰するのだ。
 
パソコン通信が始まった時,インターネットが普及しはじめた時,SNSがブームになった時,いずれの時もその魅力の一つとして「ネットを介さなければ知りあえない人たちと知りあえる。自分の世界が広がる」ということが謳われた。確かにそうなんだが,ネットの向こうにいるのも同じニンゲンである。毎週火曜にあなたの出したゴミの分別をチェックするイヤミな隣人と同じように,つきあいはじめるといろいろと面倒くさいことも出てくる。文字だけよりも音声,画像と,情報量が増えるにしたがってその面倒くささはリアルになってくる。

面白くなくなったらやめればいいんだから,と勝手気ままに振る舞えば「場」は荒れる。相手はゲームのキャラぢゃないから傷つきもするだろうし,時には罵倒されたり恨まれたりもする。たとえ顔も知らず本名も知らない相手だとしても,やっぱりそれはストレスになる。やがて,そういうストレスに耐性のある人ばかりが勝ち抜き戦のように残り,あとは彼らを相手に商売する会社ばかりになる……かどうかはわからないが。

とにかくオレにいえるのは,現実にひとつ,十分に厄介な人生を抱えているのに(あんたの人生はお気楽か?),もうひとつそれが欲しいという気持ちがわからんよ,ということ。そして「昔もそれに似たようなのがあったけどさして流行らなかったよね」ということである。


 


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1 コメント

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こんにちは (稼ぐ調査員)
2007-03-22 07:34:30
はじめまして!!
突然のコメント失礼いたします。

わたしの稼ぐ関係サイトで、
こちらの記事を紹介させていただきましたので、
ご連絡させていただきました。

該当記事は
http://blog.livedoor.jp/s0710shun1/archives/53261507.htmlです。


どうぞこれからもよろしくお願いいたします^^