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考古物落札の中国人に大リーグボール1号を幻視する

2009年03月04日 | 時事
清朝銅像 落札者は中国人「カネは払わぬ」(産経新聞) - goo ニュース

なるほど,と思いました。そりゃ今までの持ち主だったイブ・サンローラン自身が中国から持ち去ったものでないのはわかりきっており(だいたいそんときまだ生まれてないだろ),よくは分からんが法に照らせば彼は「善意の第三者」であって当然返還義務などないんだろう。

が,でもあれがマトモな商取引で中国から持ち去られたもんでないこともまたほぼ間違いのない事実だもんね。ちと事情は違うけど5年ほど前,イギリスが盗難・密輸されて国内にあった考古品600点あまりをエジプトに返還したということもあり,中国政府が「返してくれ」というのもわからんではない。いやオレには関係ないことだし「返すべきだ」とまでは言いませんが。

そういう「なにが正義か」みたいな議論よりも,オレにはこの「だったらオレが競り落として金を払わないってやり方をして,オークション自体を反故にしちまえ」というこの落札した中国人のおっさんの発想そのものが面白い,つうかスキです,こういうの。だってこの発想,どっか星飛雄馬の大リーグボール1号っぽくないっすか?

歴史に(歴史ぢゃないだろ)詳しくないヒトのために解説すると,1968年,球質の軽さというピッチャーとしての致命的な弱点に悩んでいた17歳の星飛雄馬は,禅寺の和尚の「打たれまい打たれまいと凝り固まった姿勢ほどもろいものはない。打たれて結構,いやもう一歩進んで打ってもらおう」という言葉にヒントを得て,構えたバットに命中させて凡打に打ち取るという魔球大リーグボール1号を開発する。

ね,「売らせまい売らせまいと凝り固まった姿勢では状況は変わらない。売られて結構,いやもう一歩進んで売ってもらおう」って,似てるでしょ。これでこの中国人のヒトの名字が「星」だったりするとスゴいんだが,そうはいかず,蔡銘超というヒトでした,残念(何が?)。



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