「株で勝つ」（Ｐ．リンチ＆Ｊ．ロスチャイルド著、三原淳雄＆土屋安衛訳）

１９８９年に出版されたものを、
ミレニアム版として２００１年に新版として再び出版されたもの。
サブタイトルに「アマの知恵でプロを出し抜け」という言葉が付いている。
いろんなファンドマネジャーやアナリストが、
あちこちの書評とかで影響を受けた一冊として挙げているので、手に取ってみた。

ピーター・リンチは御存知、かの有名なマゼラン・ファンドの元マネジャー。
図表を駆使して銘柄発掘のポイント解説かと思いきや、
ファンドマネジャーや機関投資家といった「プロ」を出汁に使った、
「アマ」の視点の方が資産運用には有利だといった内容。

でもねぇ、ウォール街で
「ピーター・リンチが買ってない銘柄を挙げよ」
というジョークが出るほどあらゆる株を買い漁った人物の投資スタンスが、
日本の一般個人投資家にあてはまるんだろうか？

マゼラン・ファンドの利回りを分析してみると、
一般市民の目から見た企業の理解の方がより正しい結果を残しているらしいが…。

偏った思想的な文章や、変なアオリのような部分はないし、
３部構成で各部の最後にポイントを列記してあり読み易く理解し易い書籍ではある。
素人個人投資家を応援するという面ばかりが強調され過ぎている気がするが、
かといって悪い本ではないのは明らかで、賛否両論分かれそうな書籍だと思う。

そういう意味で読んでみても良い本かな。