文化座での方言指導の仕事を終え、昨夜最終で帰宅。
新幹線から北陸本線に乗り換え、真っ暗な車窓の向こうに、静まり返る故郷敦賀を思った。
今回の仕事、文化座の芝居の題も『故郷』だ。
何処に住もうと、何処で逝こうと、心の中に堆積してきた哀しくも美しい人生の歴史は変わらない。
産声を上げてのち故郷の風土に育まれた自分こそが、故郷そのものなのかも知れない。
旅先で 新しい人々に出逢い 激しくあるいは緩やかに交感し合い また別れる。
そんな時、体に染み込んだ故郷の匂いが、風土感覚が、感じ方の尺度になっている、と感じる。
アァ~・・・と、自分の中の故郷の存在を認識する。
良くも悪しくも故郷は“還る場所”なんだ と。
何はともあれ、今回の大収穫は、佐々木愛さんとの出逢いだった。
最終日の稽古直後、初めてお傍に坐らせて頂き、ファンになったきっかけを話すと、
早速 映画の最近作『いのちの森 高江』のDVDをプレゼントして下さった!
彼女の正に自然体そのものの演技、後輩たちの自主稽古を厳しく演出する姿・・・
観ているだけで喜びが体中を駆けた。
久々に素晴らしい女優を観ている喜び。
彼女のナレーションに衝撃を受けた時と同じだ。
こんな風に、存在そのものが人を元気にしてしまう仕事人に憧れる。
さあ、のんきに人を羨んでいる場合じゃない。
夏の一人ライヴに向けて、実務が机上に満載だ(泣笑)