人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

敦賀の文化行政に

2017年05月30日 | 舞台
 月曜昼から高熱にうなされ丸二日間朦朧と寝て過ごした。
 今ようやく36度台に熱が下がり、まだボーっとしてはいるが一息ついて縦になった次第。

 さて私の文化論?である。
 仏大統領マクロン氏の就任演説の、次の二項に感銘を受けた。
 「文化と教育を政治の中心に据える」 「自由と人権の側に有り続ける」
 彼が今後どう変貌しようと、こんな演説者を選んだフランスは希望だ。

 辛い仕事を終えて帰宅する時、ふと心和ませるもの、それが文化だ。
 自分たちがどれだけその恩恵を受けて、今日を閉じて眠り、明日を生きる力を得ているかを認識するべきだ。 
 ある時はTVやラジオ、ある時は食事や酒、スィーツ、温かいお風呂、カラオケ、子供の寝顔、愛する人の笑顔・・・これら全ては文化だ、単なる事象ではない。
 美しいものを観て美しいと感じられる心を育むもの、それが文化なのだから。

 それは、自分以外のナニモノかと繋がろうとする飢餓感に通じる。
 美しい!と感じた瞬間に、幸せな気分になれるのもそのせいではないだろうか。

 地獄のような苦しみに沈む時、音楽や誰かの書いた言葉や心のこもった語りかけに救われたことはないだろうか。
 私はある。

 全ての事象には、社会科学的な因果関係(宗教とは関係ない)が存在する。
 あらゆる動植物の命の重さを認識し、長い歴史の中の通過点として在る自分の人生の必然と価値を認識する事がとても大事なのだ。

 それを育むのが情操教育であり文化だ。
 命の重さを知る人間に文化環境は欠かせない。

 だからあらゆる文化、それも上質な芸能芸術に触れて生きる事が、人には不可欠なのだ。

 文章の行間にあるものを想像し、絵の奥に秘められた想いを感知し、歌の中の歴史の重さを知って、豊饒な感性を身に着けてゆく・・・。
 上質な、心から癒しをもたらすものは、葛藤からしか生まれないから豊かなのだ。
 偏差値を重視する教育からは生まれないから、社会環境の中に文化は必要なのだ。

 子供だけでは環境を整えるのは無理だ、大人たちが率先して文化に親しむ環境を生きなければ。

 利己や拝金や効率主義より遥かに”生きる力”を与える物、それが文化だ。

 そういう豊かな人間がたくさん行政に当たれば、正しい効率性、堅実な税金の使い方は自然と生まれてくる。
 たとえ20年、30年かかろうとも、正しい方向へ舵を切る勇気が市民にも、政治家にも、役人たちにも求められている。

 尊敬する故・井上ひさし先生(日本を代表する社会派の戯曲作家)のことばがある。

 「五分後に死ぬと決まっているなら、今この瞬間になにをすればいいか。」
 「人間の脳の表面積は、新聞紙にたとえて一ページくらいなものだ。
しかし その新聞紙大のものが健康に働けば、この大宇宙を包んでしまう」


              <私たちはこんな美しい国に住んでいる>


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敦賀の文化行政 その一

2017年05月24日 | 舞台
 週末から急きょ上京して方言指導の仕事を何とかこなし、火曜夕方に帰敦。
 軽く夕飯を澄ませて文芸協会年次総会へ。

 其処で、信じられない行政の方針を聞いた全員が、切れた。

 簡単に言えば
 「来年度の予算はつけないと決定したので、後は続けるも辞めるも皆さんご自由に」
 ただし、
 「事業予算は付きますので、実行委員会へ直接お渡しする形で検討中です」

 要は
 「事務局費が勿体ないからその分の予算は付けない。今後の事は理事の方々もご勝手に」ということらしい。
 しかもこの期に及んで、
 「予算カット人員カット以外ハッキリ決まっていないので、今はそれ以外何も言えない」そうだ。

 何をやるにせよ、考え抜いた企画をするなら、もう間に合わない。
 芸術家の年間スケジュールを抑えるには一年前でも遅いくらいなのだ。

 平成21年から三年間、月5万の報酬で朝から深夜まで、初代事務局長として頑張ったあの労苦は何だったのか?
 その後の五年間、全くの無報酬で実行委員会を支え続けてきた私達理事の努力は何だったのか?

 私達は、市民が安いチケット代で本物の舞台芸術に触れられるよう、全くのボランティアで実行委員たちをサポートしてきたのだ。
 素人だった実行委員たちがようやく育ってきた今、私達のバックアップを外して、実行委員会と直でやります、とは・・・。

 第一、
 市が「大変だから助けてくれ」で始まった民営化ではないか。
 あくまで“敦賀市”文芸協会であって、私達は道楽でサポートしていたのではない、必死に肩代わりしてきたのだ!

 多忙の中ポスターやチラシを配り、血税を無駄にせぬよう一人でも多くの市民にご来場願わねばと
チケット売りを手伝ってきた我々に対して「後はお好きに」とは・・・

 任命責任を果たせ!
 せめて目の前に来て「ご苦労様でした!お疲れ様でした!!文芸協会は今年度をもって閉じさせて頂きます」
と言うくらいの礼節を知る者が一人もいないのか!!!

 それにしても、ようやくこの労苦から解放されるのは嬉しい、これも本音。
 バカバカしくって やってらんねーわ。


 
 
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残りの人生を

2017年05月17日 | 徒然
 季節通りにいつもの花たちが次々に道端を彩り、仏壇の花がカーネーションから野薔薇に代わった。

 思いがけず多忙な一週間を過ごす間に、しばし読書もブログも忘れていた。
 わずかな食後の休みに、借りていた本をようやく開き、その面白さに体内の何かが動き出した。

 深夜、前々から観たいと思っていた洋画『リスボンに誘われて』を観た。
 映画は語る、
 “自分のなりたかった人間には もはやなれないと悟った時、人は生き方を見失う”
 “残り少ない人生を長く感じ、鳥瞰(ちょうかん)図のように自分の越し方を眺めて、人生に失敗したと感じる。”
 しかし、“偶発的に起こる事は全て必然”
 “その必然に身を預ければ、新しい世界の光が新たな運命へと人を導くのだ、いとも易々と“

 レジスタント運動を背景にした、力強く美しい自己回帰の旅。
 それは過日観たインド映画『めぐり逢わせのお弁当』のテーマにも通じる。
 そして最近読んできた何冊かの本にも。
 
 気づかずにいるが、人生には「偶然という名の必然」が、沢山散りばめられているのだろう。

 残りの人生、私はその必然に、身を任せることが出来るだろうか・・・

 <まっすぐに見つめさえすれば、この世はあまりに美しい(Mr.時広から贈られた 伝言のような写真)>





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裏方仕事

2017年05月09日 | 舞台
 帰郷して以来、演出( 舞台の出来上がり方向を見定め、演者やスタッフを引っ張ってゆく役割 )や
舞台監督( セット制作を請け負い、本番終わりまで舞台がちゃんと回るように監督する役割 )など裏方を担ってきた。

 東京の劇団活動では、裏方仕事は新人にとって当たり前の修行だが、こちらでは修行ではなく
先頭に立たねばならないから「できません」は禁句。
 曲がりなりにもやってこられたのは長い下積み経験もあったが、私には楽しい作業だったからだろう。

 最近ではプロスタッフに教えを乞う事を覚え、だいぶ楽になった。
 しかし表に立つ機会が激減しているのは確かで、時々体がムズムズ・・・。

              
<信州から届いた春便り 一昨年はこの景色の中に私も居たっけ・・・>

 ところで、急にまた方言指導の仕事が決まった。
 この裏方仕事、奇(く)しくも文化座!の水上勉作品。
 四月のブログ「三寒四温」でも書いた素晴らしいナレーションの、あの佐々木愛さんが代表を務める歴史ある劇団からの依頼なのである。

 引き寄せたとしか思えない。
 彼女に逢えると思うと今からドキドキワクワクだ。

 これも昔から応援してくれてきた大先輩の声掛けが発端。
 時間のないなか必死でこなしたあの時の初仕事が今に繋がっている。

 望んでこそ縁は繋がり、もう動けないかと現状を直視したからこそ、動こう!という力が湧いてくる。




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心が体を支配する

2017年05月01日 | 徒然
 「大勢の人ごみの中でも友達と会話できるのは、自分が求めない情報が徐々に消去され、
求める情報のみがより鮮明になって大脳まで伝わってくるため」 だそうだ。

 したがって「自分が求めようとしない話の場合には、馬耳東風となる」 わけだ。

 すなわち「心ここにあらざれば、見れども見えず、聞けども聞こえず」 となる。

 合理主義哲学の祖であり、数学者でもあったフランス人デカルトは 「心が身体を動かす」 と言ったそうな。

 GWまっただ中。
 心を動かして仕事を、と思うのだが、求める情報に吸い寄せられて脇見ばかりしている。
 花、韓ドラ、小説、エトセトラ・・・。

 春ですねぇ・・・GWくらいゆっくり休もうよ。

    <和歌山電鉄貴志川線の名物駅長たまちゃん>


    <シャンとしまっしょ!>
 ハイ!腹筋一日150回は続行中。
 腰痛は徐々に徐々に軽減中。

 
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