今回は政府肝いりによる「北方領土返還デモ」ということだが、そもそもどこを指して北方領土と言うのか?この定義自体が曖昧である。
一般的には南千島を指しているが、色丹島及び歯舞諸島については北海道本島の属島という見方もある。
根室海峡以東の陸地は、太平洋戦争後、ソ連・ロシア連邦に占領・実効支配されており、日本政府が固有の領土としてその返還を求めているのは国後・択捉及び色丹島及び歯舞諸島についてである。
公明党や他の野党も政府案と変わり映えなく、北千島を含めた千島列島全体の返還を主張している主要政党は日本共産党だけである。民主党の一部議員は「南樺太・千島列島全島返還論」を主張している。
日本は「国際法上所属未定」と主張しているが、日本以外のほとんどの国の地図は、中・北千島と南樺太をロシア領として処理している。
私の個人的意見としては樺太及び千島列島は「アイヌ・ウィルタ共和国」として独立するべきだと考えている。
これが実現すれば、文句を言う者もなく、北方領土問題もめでたく解決である。日本も友好条約を結び、経済援助してやればいい。
大阪の暴力団御用達の犬右翼新聞である産経のヨタ記事を見ることにする。
銀座や有楽町の繁華街で1日、北方領土の返還を求める行進が行われた。北海道根室市など北方領土に近接する1市4町の主催で、根室市からきた約60人を含む200人以上が参加した。国会や官庁街で返還要求の行進が行われたのは初めて。参加者たちは「返還に向け世論を盛り上げよう」と声を上げた。
産経は何を考えたのか、「デモ」という言葉を避けて「行進」と表している。政府主導だし、ますます北朝鮮ぽい印象だから止めてもらいたい。
根室には北方領土引き揚げ者やスターリンに土地を奪われたウィルタ族の人々が多数暮らしている。老齢化も進み、故国回復は悲願である。機会があれば、どこにでも行って窮状を訴えたい気持ちは痛いほどわかる。
拉致被害者の会と通じるものがあるだろう。しかし、現実は拉致被害者の会の場合も積極的に援助しているのは暴力団である。当初相手にしていなかった自民党は、紆余曲折の結果、かけひきの道具として彼らを利用することにした。
今回のデモは根室の人以外は140人しか参加しなかったことになる。ひどいものである。
銀座の公園で行われた出発式で、長谷川根室市長は「返還運動を進めてきたが解決の糸口さえ見えず、強い憤りを感じる」と述べた。岸田北方相は「厳しいお言葉と思いを受け止め、内閣府としても頑張りたい」と話した。
ほとんどの国民は「北方相」なる国務大臣が存在することなど知らなかっただろう。
大したことをやっていないから知らなくて当然である。
では、岸田文雄とはどのような御仁か?
祖父岸田正記、父岸田文武は元衆議院議員。おばの玲子が宮澤弘(元広島県知事、参議院議員)に嫁いでいる。宮澤弘の兄が元首相宮澤喜一である。宮澤洋一はいとこ。
歳は50歳、安倍バカボンに拾われて大臣になった。今回は繰り越しである。自民党の議員はこんなのばっかだ。こんな御仁でも投票で選ばれているから、日本は民主国家だ。
この後、一行は日比谷公園まで約2キロのコースを歩いた。御用作家の上坂冬子さんは、「来年の洞爺湖でのサミットでは、船を出して各国首脳に北方4島を一巡して見てもらうべきだ。おずおずした態度を取ってはいけない」と、政府に注文を付けた。
本ブログも人のことは言えないが、責任がないから言いたい放題である。点数かせぎのつもりなのだろうが…。
一方、戦後60年以上が過ぎ領土問題への関心が風化していることも事実。銀座を闊歩する女性たちからは、「北方領土問題があるのは知っているが、詳しくは知らない」「今は別に関心はない」といった声も聞かれた。
現実にろくな啓発活動をやってないんだから、知らなくて当たり前である。今回程度の茶番をやっていれば済んでしまう「北方相」とは気楽なポストである。
(記事)
北方領土返還求めるデモ行進、北方相「全国民的運動に」
国会、官庁に届け 銀座で北方領土返還求め行進
北方領土問題
岸田文雄ホームページ
内閣府北方対策本部
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