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犬の健康と病気

「まいぱん日記」の<わんこの健康と病気>の記事は、こちらにのせることにしました。ご参考にして下さいね。

ワクチンについて

2006-03-11 | 犬の健康と病気
1.ワクチン摂取の目的
  ワクチン摂取は、伝染病を予防するために行います。
  動物が持つ免疫作用(1度体の中に入った異物を記憶して、排除する機能)利用した
  方法で、1つのワクチンに対して、1つの病気にしか効果がありません。
  そのため、お互いに悪さを起こさないものを混ぜて混合ワクチンが作られています。
  ワクチンは、「生ワクチン」「不活化ワクチン」の2種類があります。

 *混合ワクチンの摂取時期 (狂犬病は、年度に1回と法律で決まっています)

 子犬の場合
  子犬は、生後12時間以内に母犬の初乳を飲むことで伝染病への1時的な免疫を持
  ちます。
  この免疫は、生後1ヶ月半~4ヶ月くらいに無くなるので、無くなった時期にワクチンを
  接種します。
  (無くなる前に摂取しても効果は薄いため、子犬の場合は複数回の摂取になります。
  一般的には、1回目は、生後1ヶ月半頃。2回目が、生後2ヶ月頃。3回目が生後3ヶ
  月半頃)
  子犬の外出は、免疫が確実に出来てからが望ましいので、3回目のワクチン摂取か
  ら2週間後になります。(【注】子犬のワクチンの回数について)

 成犬の場合
  年に1回のワクチン接種になります。

   
2.生ワクチン、不活化ワクチンの特徴
  生ワクチン
  生きているウィルス、細菌を薬で弱らせた(弱毒化した)ものです。
  予防効果が、長く続く特徴があります。
  (人では、一生効果があるものもあります。参考までに、アメリカではガイドラインが
   作成され、メーカーもワクチンの有効期間を公開しています
          http://tarowan.com/index.php/blog/comments/450/
   このようにワクチンは複数年有効ですから、重病のわんこは、副作用を考慮し、接種
  を控えることも大事です)
  しかし、犬の体調によっては、摂取したウィルス、細菌に感染する恐れがあります。
  犬ジステンパー、犬伝染性肝炎、犬パルボウィルス感染症、犬伝染性咽頭気管支炎、
  犬パラインフルエンザ

 不活化ワクチン
  ウィルス、細菌を殺した状態(不活化)で注射するものです。
  予防効果は、短いですが、(人では、1年程度のものもあります)摂取によって、犬へ
  感染する心配はありません。
  狂犬病、犬パルボウィルス感染症、犬レプトスピラ感染症、コロナウイルス

 ワクチンは、副作用もあるので、次の点に注意して下さい。
 1.摂取は、午前中に行い、様子の変化に気がついたら、獣医さんに連絡を取る。
 2.摂取後、その日の散歩は控えめし、1週間はシャンプーを控える。
 3.摂取の際、体温測定はもちろんですが、血液検査をして、結果を見てから摂取をする
   ことが望ましい。
 4.獣医さんが混んでいない時期に摂取するのもわんこの体調管理には良い事だと思い
   ます。
 5.一度でも、ワクチン接種後に体調を崩したことがある場合は、必ず獣医さんに伝える
  (いつもの獣医さんでも必ず伝えて下さい)。
 6.生ワクチン接種後、次のワクチンを打つ場合は、1ヶ月以上の間隔をあける。
   不活化ワクチン接種後、次のワクチンを打つ場合は、1週間以上の間隔をあける。

  
3.ワクチンで予防できる病気

狂犬病(不活化ワクチン)
 人へ伝染し(人畜共通病)、人の死亡率も高いことから、法定伝染病に指定され、年1
 回のワクチン 接種が法律で定められています。
 日本では、1957年以降発生していないため、ワクチン接種をしない方もいますが、
 海外から多数の動物が輸入されているので、万一に備えて予防接種は必ず受けて下
 さい。
 法定伝染病のため、予防接種をしていないわんこが、他の犬や人に噛み付いた場合、
 安楽死を求められることがあります。
 但し、重病で治療中のわんこは、獣医さんと相談し、予防接種をしない証明をもらって
 下さい。

犬ジステンパー(生ワクチン)
 死亡率の大変高い病気です。
 接触または飛沫感染(近所で、発生したら、ワクチンを打ってないと感染率が高い)
 診断は、粘膜をとって顕微鏡でウィルスの痕跡を見つけます。
 有効な治療薬はありませんので、ワクチンにて予防することが大切です。

犬伝染性肝炎(イヌアデノウィルスⅠ型)(生ワクチン)
 経口感染(感染した犬の尿、唾液、食器、感染した犬を触った人の手、服などを舐め
 る)
 特に幼齢期に発症し、突然死の原因となる病気です。(感染した犬の尿中に半年間ウィ
 ルスが排泄されます。)
 もし感染したわんこがいたら、汚物の処理を確実に行うこと。(汚物の入れ物などは、
 クレゾールで消毒する)
 有効な治療薬はありませんので、ワクチンにて予防することが大切です。

犬パルボウィルス感染症(生ワクチン、不活化ワクチン、作っている会社で違います)
 経口感染 (感染した犬の糞便、嘔吐物、食器、感染した犬を触った人の手、服などを
 舐める)
 下痢・嘔吐・発熱・脱水などの腸炎型、突然呼吸困難になり急死する心筋炎型がありま
 す。
 治療が遅れると、死亡率が高い病気です。
 (嘔吐、下痢がかなり激しいので、気がつきやすい病気です)
 診断には、ウィスル用キットを用いるので、容易に診断可能です。
 ウィルスは、外界でも1年くらい生きるので、感染したわんこの周りを消毒します。
 消毒には、煮沸消毒と、次亜塩素酸ナトリウム溶液(30倍に薄める)を用います。
 (他の消毒薬は、効果がありません)
 有効な治療薬はありませんので、ワクチンにて予防することが大切です。

犬伝染性咽頭気管支炎(イヌアデノウィルスⅡ型)(生ワクチン)
 経口感染
 他に疾患がなければ、死亡率は低いです。(肺炎にならないように注意して下さい)

 ケンネルコフと区別するため、ワクチンにて予防することが大切です。(注意1参考)

犬パラインフルエンザ(生ワクチン)  
 接触または飛沫感染
 他に疾患がなければ、死亡率は低いです。(肺炎にならないように注意して下さい)

 ケンネルコフと区別するため、ワクチンにて予防することが大切です。(注意1参考)
 *注意1
  咳が出る病気をまとめて、ケンネルコフと言います。
  ウィルス性は、ワクチンで予防しますが、細菌性は予防が出来ません。
  ウィルス性の可能性を排除するためにも、ワクチン接種をします。
  細菌性は、抗生物質が有用です。
  細菌性の場合も他に疾患がなければ、死亡率は低いです。(肺炎にならないように注
  意して下さい)

犬レプトスピラ感染症(不活化ワクチン)
 (ワクチンは、3種類あります。9種ワクチンを接種すると3種類摂取したことになり
  ます)
 人へも伝染します(人畜共通病) 
 経口感染(ネズミの尿、感染した犬の尿を舐める)
 診断は、顕微鏡で尿中の細菌を見つける
 治療には、抗生物質が有効ですが、人に感染しますので、ワクチンで予防することが大
 切です。
 感染したわんこの生活場所など消毒が必要です。
 ネズミの駆除も行います。

コロナウイルス(不活化ワクチン)
 経口感染 (感染した犬の糞便、嘔吐物、食器、感染した犬を触った人の手、服などを
 舐める)
 コロナウィルスだけの単独感染では、死亡率は低い。
 パルボウィルスとの混合感染をした場合は、死亡率が高い。
 診断は、ウィルスの抗原を証明する方法。
 治療は、対処療法になりますので、ワクチンで予防をします。

4.混合ワクチンの種類

3種ワクチン
 犬ジステンパー
 犬伝染性肝炎(イヌアデノウィルスⅠ型)
 犬伝染性咽頭気管支炎(イヌアデノウィルスⅡ型)

4種ワクチン
 犬ジステンパー
 犬伝染性肝炎(イヌアデノウィルスⅠ型)
 犬伝染性咽頭気管支炎(イヌアデノウィルスⅡ型)
 犬パラインフルエンザ

5種ワクチン
 犬ジステンパー
 犬伝染性肝炎(イヌアデノウィルスⅠ型)
 犬伝染性咽頭気管支炎(イヌアデノウィルスⅡ型)
 犬パラインフルエンザ
 犬パルボウィルス感染症

7種ワクチン
 犬ジステンパー
 犬伝染性肝炎(イヌアデノウィルスⅠ型)
 犬伝染性咽頭気管支炎(イヌアデノウィルスⅡ型)
 犬パラインフルエンザ
 犬パルボウィルス感染症
 犬レプトスピラ感染症の2種類

8種ワクチン
 犬ジステンパー
 犬伝染性肝炎(イヌアデノウィルスⅠ型)
 犬伝染性咽頭気管支炎(イヌアデノウィルスⅡ型)
 犬パラインフルエンザ
 犬パルボウィルス感染症
 犬レプトスピラ感染症の2種類
 コロナウイルス

9種ワクチン
 犬ジステンパー
 犬伝染性肝炎(イヌアデノウィルスⅠ型)
 犬伝染性咽頭気管支炎(イヌアデノウィルスⅡ型)
 犬パラインフルエンザ
 犬パルボウィルス感染症
 犬レプトスピラ感染症の3種類
 コロナウイルス

 摂取したワクチンの種類を確かめるのは、獣医さんから発行されたワクチン証明書に張
 ってあるシールを確認します。
 シールには、製造会社と、摂取ワクチンの種類が書いてあります。
 こちらのHPで詳細をお確かめ下さい。
          http://www5a.biglobe.ne.jp/~a_prety/vac.htm

 【注】子犬のワクチンの回数について
ワクチンを接種すると、体の中に病気から守ってくれる抗体ができます。
この抗体の量が少ないと 病気に感染したとき、ワクチン効果がなく発症します。

ワクチン接種は一番最初、体の中に、抗体が全くないと考えて行います。
ワクチンの1回目の接種で、病気から守るために必要な量の抗体が出来ないため、2回目接種をします。
大抵の場合は、この2回目の接種で十分な量の抗体が出来ます。
ただ、極稀に2回目の接種でも十分な量が出来ない場合があり、この場合は3回目の接種をします。
抗体が出来ているか否かは、抗体検査をすれば判るのですが、混合ワクチンの場合、全てのワクチンについて調べる必要があります。

一般に抗体検査をしてから、ワクチン接種をすることはないので、
2回接種か3回接種かは、獣医さんの考え方で変わります。

「生まれたときに母体から受け継いだ抗体もあるから、2回で大丈夫という考え方」と、「大事をとって3回接種しようという考え方」です。
ワクチンは、副作用もあるので、どちらが良いかは、一概には言えないのが、現状だと思います。

ワクチン接種は、翌年からは1回になります。
これは、前の年の抗体が残っているので、1回だけで大丈夫なのです。
ワクチンを接種すると、体の中に病気から守ってくれる抗体ができます。





(マイ)


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