はたホコ ~第11話~

2013年08月25日 | はたホコ


ホコツ:(さぁ、私の交渉を断ったことを後悔させてやるぜ)

ミカエル:(交渉って、ビックリマンシールじゃないですか。
      そんなんで出て行くわけないじゃないですか)

ホコツ:(ヘッドだぞ!?キラシールだぞ!?)

ミカエル:(そういう問題じゃないんですけど……)

今、まさに山賊長にホコツたちが襲いかかろうとしていた頃、
外で待っているクレアは……



なんか、そわそわしていた。

クレア:「……あいつら……遅い……。私……不安……。
     迷子……なってないか……?
     でも……特使……助けるダメ……言った。
     私……我慢……」

心配するクレアの目の前に想定外の出来事が起こる。



クレア:「……あれは……」



山賊1:「いやー、今日はいい感じで出たわー」

山賊2:「やっぱあの店のスロットはいいですねー」

山賊3:「いいもなにも。店長脅して無理やり放出させてんだけどなw」

山賊4:「ひっでーwww」

実は砦には一部の山賊しか残っていなかった。
遊びに出ていた山賊たちが帰ってきたのである。

山賊5:「おい、なんか中がやけに静かじゃねーか?」

山賊6:「昼寝でもしてんじゃねーの?」



クレア:「……まずい……。数……多い……。
     特使……助けるダメ……言った。
     でも……助けないと……あいつら……死ぬ。
     もっと……ダメ!」

山賊たちが遊びから帰ってきた頃。
再び中では……



ホコツ:(しつこいな。だから、シャーマンカーンは第2弾のヘッドなんだよ!
     キラシールなの!貴重なの!)

ミカエル:(テレビシリーズでもほとんど活躍がなくて、
     キラシールなのに全然、人気なかったじゃないですか!)

ホコツ:(戦闘キャラじゃないから!参謀的役割の人だから!
     派手な演出とかなかったから!)

なぜかシャーマンカーンの人気について談義が行われていた。

ミカエル:(もういいから、やっちゃってくださいよ!
      ていうか、どうしてボクらはバレないんですか!
      この山賊長、バカなんじゃないですか?)



ホコツ:(やってやるぜ!!)



ホコツ:「俺の怒りを思い知れ!」

山賊長:「なっ!?」



ホコツ:「肉体魔法。ジャーマンスープレックス!」



ホコツ:「あらよっと」



ホコツ:「これで無事に片付いたな。あれ?ミカエル、なにやってんの?」

ミカエル:「見たところ、こいつらの装備は帝国の新兵に支給されるものより、
      いいものですね。せっかくですからボクがもらっていきます。
      いい装備があればもっと活躍して、クレアさんに……うふっ……
      うふふっふふふふふふふふ……」

ホコツ:「……ちょいちょい危ないな。こいつ……」



ミカエル:「どうですか。帝国から支給される革鎧より、
      こいつらの使っていた鉄製の鎧の方がずっと頑丈ですよ」

ホコツ:「そ、そうか……。よくわからんけど、いいんじゃない?」



ホコツ:(あいつ、次回から誰かわからへんのちゃうかな……)

ホコツ:「じゃ、クレアに報告に戻るか」

このとき、ホコツとミカエルは知らなかった……。
外には帰ってきたばかりの山賊たちが待ち構えて……



いるはずであった。

ホコツ:「あのさ……ミカエル?
     山賊って、こんなにいたっけ?」

ミカエル:「そ、そうですね。ボクもこんなに斬った覚えは……」



クレア:「お前ら……遅い……」

ホコツ:「あ、クレア」

ミカエル:「クレアさんっ!ボクを待っていてくれたんですか!」

ホコツ:「あ、あのさ。クレア。
     そこに転がってる山賊って……」



クレア:「こ……これ……。全部……お前ら……やった。
     わ、私……知らない……」

ホコツ:「そ、そうだったかなぁ……」



クレア:「そ、それより……お前ら……よく……がんばった。
     特使……喜ぶ。
     お前ら……上出来……ぐっじょぶ……ぐっじょぶ……」

ミカエル:「ク、クレアさんに褒めてもらえるなんて、今日は最高だー」

ホコツ:「あんまりはしゃぐなよ。お前、撃たれたんだから」

ミカエル:「こんなの撃たれたうちに入りませんよ」



クレア:「お前……撃たれた……?
     傷……見せる……」

ミカエル:「ク、クレアさんがボクの傷を!?
      あ、あイタタタタ……、急にあちこち痛み出した」

ホコツ:(こ、こいつ……)

クレア:「どれ……」

クレアがミカエルの傷に触れようとしたとき、一枚の紙がミカエルの懐から落ちた。



クレア:「……これ……なんだ……?」

ミカエル:「あ、これ。この間、撮ったんです。綺麗に撮れてるでしょう?
      ボクが撮ったんですよ」

クレア:「ほう……」

ミカエル:「ホコツさんとその写真で盛り上がっちゃいまして。
      やっぱりクレアさんは綺麗ですよねー」

クレア:「お前ら……遅い……そんなこと……してた……」

ミカエル:「ホコツさんもこのクレアさんの芸術的なヒップラインにメロメロみたいで^^
      さっそく、焼き増ししてポスターにする約束もしたんですよ」

ホコツ:「あ、あの……ミカエルくん?その辺にしておいた方が……」



クレア:「私……すごく……心配……してた……」

ミカエル:「ホコツさんと盛り上がってたところを、うっかり撃たれちゃいまして^^;」

ホコツ:「ミカエル!逃げるぞ!」

ミカエル:「え?なんで!?クレアさん?なんで怒ってるんです?
      あ、でも怒ってる顔もセクシー☆」



クレア:「お前ら……コロス……」

ホコツ:「うわあああああああっ!逃げろー!!」

ミカエル:「えーっ!?なんでー!?」

この3人がタムリエルの内戦を終わらせる鍵となるのは、
これからもう少し、先の話である……

第12話につづく









とりあえず、エピソードとしてはいったん区切り。
帝国内戦クエストの一番、最初のクエでした。
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はたホコ ~第10話~

2013年08月24日 | はたホコ


ホコツ:「実は俺も最初は自信がなかったんです……。
     自分にはうまくできないんじゃないかって」



ホコツ:「でも、今時の女性が男性に求めているものって、
     やっぱり『逞しさ』だと思うんです。
     そんな時、このテキストと出会って、
     俺も始めてみようって思ったんです」



ホコツ:「ゴッチ式」

ホコツ:「俺も素人だったから、始めた頃はどうしたらいいか分からなかったんだけど」



ホコツ:「赤パン先生の懇切丁寧な指導で、こんな俺にもあんなに綺麗なジャーマンが。
     それからはもう女の子にもモテモテで、
     ゼミで一緒のあの子も最近、俺を見る目が違うなって分かるんです」



ホコツ:「あなたも始めてみませんか?まずは30日間の無料テキストから……」



ミカエル:「はいはい。あなたの肉体魔法がすごいのは分かりましたから。
      だいたい、スープレックスがWINDOWS8.1に対応してどうなるんですか。
      それにあの赤パン先生もパイルドライバーやラリアットの人でしょう」

ホコツ:「アホか。1回転+キックボタンでジャーマン出せるわ!」

ミカエル:「コマンドで会話すんな。コマンドで!
      さっきの話じゃ、実在の人物って扱いだろうが!」



ホコツ:「しょうがないだろう。1パートに1回はボケないと死んじゃう身体なんだよ」

ミカエル:「めんどくさい人だなぁ。もう敵の砦の中に入ってるんですよ。
      尺の長いボケはやめてくださいよ。敵に見つかったらどうするんですか」



ミカエル:「ねぇ?あなたもそう思いませんか?」

山賊F:「え?俺?
     ていうか、お前らっ……!!」



ホコツ:「させるかぁ!!」

山賊F:「み、皆、侵入……うおっ!」



ホコツ:「イヤーッ!」

山賊F:「グワーッ!」



ホコツ:「ミカエル。ここはもう敵地のど真ん中だ。油断するなよ!」

ミカエル:「あんたが一番、理解できてないと思いますよ?」



砦の奥へと進むホコツ達。

ホコツ:「あっ!アイツは!!」



山賊G:「よう、さっき交渉に来て追い出されたやつじゃねーか。
     今度はもっとマシな条件を持ってきたんだろうな?
     言っておくが」



山賊G:「『シャーマンカーン』なんて何枚、持ってきても俺達は出て行かないぜ?」



山賊G:「せめて、『十字架天使』か『ビーナス白雪』を持ってくるんだな。
     そうすれば考えてやっても……」



ホコツ:「うるせぇ!もう交渉は決裂だぁぁぁぁ!!」

山賊G:「グワーッ!」



ホコツ:「よし、あとはあの山賊長だけだ」

ミカエル:「ホコツさん。後でどんな交渉してきたか教えてもらえますかね?(怒」



第11話につづく
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はたホコ ~第9話~

2013年08月23日 | はたホコ
山賊をバッタバッタと倒し続けた、ミカエル。
しかし一瞬の隙を突かれ、どこからともなく放たれた矢に倒れてしまう。



ホコツ:「いやぁぁぁ!どこっ?どこっ?どこから撃つのか。
     黄金バーーーーーット!?」

ミカエル:「ホ……ホコツさん。上、上からです。
     どこか……屋根のあるところへ……」



ホコツ:「屋根っ!?」



ホコツ:「屋根っ!!」



ミカエルを支えて、建物の影に逃げ込むホコツ。



ミカエル:「ホコツ……さん。落ち着いて……。
      ク……クレアさんを……呼んで……ください……」



ホコツ:「バカヤロウ!
     俺がパンと牛乳と漫画を買って、クレアを連れてくるまでの間に、
     お前がやられちまうかもしれないだろうがっ!!」

ミカエル:「あの……寄り道しないでもらえます?」

ミカエル:「そんなことを……言ってる場合じゃないんです。
      このままでは二人ともや、やられてしまう。
      それに……」



ホコツ:「ヤツは増援なんて呼ばねぇよ」

ミカエル:「え?」



ホコツ:「味方がバッサバッサとやられている間も、
     じっと気配を殺して、こっちの隙を伺ってたヤツだ。
     その剣士も矢を受けて負傷。すぐには動けない。
     もう片方はその様子を見て、ギャーギャー泣き喚くだけの腰抜野郎だ。
     つまりヤツは今、圧倒的に有利な立場にある」

ミカエル:「……」



ホコツ:「ノーリスクで仲間を殺しまくった敵を一人で討ち取るチャンスなんだぜ?
     だったら、待つさ。プレッシャーに負けた腰抜けが、そこの出口に逃げる瞬間をな。
     てことはだ、ヤツの視線はここと、そこの出口までってことになる。
     じゃあ、こっちは回り込んでヤツを背後から襲うだけの簡単なお仕事だ。
     まさか、さっきの腰抜けが回りこんで自分を襲いに来るなんて思ってもいねーだろ」



ミカエル:(え?じゃあ……さっきのは……)



ミカエル;(故意と……?)



ホコツ:「じゃ、ちょっと行ってくるわ」

ミカエル:「ちょ……行ってくるって……」

ホコツ:「このバシネットに搭載されたステルス機能を使ってな!!」

ミカエル:「ステルス機能!?」

ホコツ:「こいつのステルス機能は姿を消すわけじゃない。
     影を薄くする効果があるのさ」



ホコツ:「飲み会が終わって会計のときにだ。
     『今日は皆、ありがとねー。あ、一人3500だから。
      今から徴収しまーす。あ、△△ちゃん。ぴったりだね。ありがとー。助かるー(^v^)
      あ……○○君も……って……
      ○○君、いたの!?
      もー、いるならいるでもっと皆に絡んでいかないとー。
      全然、気がつかなかったよー(^v^;)
      あ、3500、ぴったりね。ありがとー。あーーっ!××ちゃーん!
      今日はおつかれさまー☆』ていうくらい、影を薄く……」

ミカエル:「おい、なんか悲しくなるからやめろ」

ホコツ:「じゃ、行ってくるわ」

ミカエル:「いや、でも、近づいたところでどうやって倒すんですか?
      武器も魔法も使えないんでしょう?」

ホコツ:「さっき、思い出したんだ。一つだけ、秘薬がなくても使える魔法がある。
     かなり接近しないと使えない魔法なんだが。
     ま、近づくのは簡単だ。さっき交渉に来たときに見てきたから、
     この砦の外側の構造だけなら頭に入ってる」

ミカエル:(え?じゃあ、交渉に行ったのは……砦の構造を探るため……?)

ホコツ:「待ってろ。ヤツは俺が仕留めてきてやる」

そろそろと歩みを進めるホコツの背中を見つめるミカエル。



ミカエル:「……まったく……役に立つんだか、立たないんだか……。
      不思議な人だな」



ホコツ:「あのやろー。ミカエルが焼き増しできなくなったら、どうしてくれるんだ!」



ホコツ:「つーかまえたっ!」

山賊:「え!?こ、こいつ!?いつの間に!?」

魔法……。
それは魔力のこめられた文字を刻む。または発することで奇跡を起こす術である。
つまり、魔法とは一つの言語なのだ。



言語には様々な種類が存在するが、
もっとも原始的な言語、それはボディーランゲージと呼ばれる肉体言語である。
魔法とは言語であり、そしてその言語に肉体言語と呼ばれるものが存在するのであれば、



肉体魔法もまた存在するのである。
原始的ゆえ、秘薬を用いずとも使用可能なホコツが体得した肉体魔法。
それが、この



ジャーマンスープレックスなのだ!

ホコツ:「シャーオラー!スッゾオラー!ドッコラー!」

雄たけびをあげるホコツを見つめながら、ミカエルは思った。



ミカエル:「いや……ジャーマンは魔法じゃねーだろ……」


第10話につづく
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はたホコ ~第8話~

2013年08月18日 | はたホコ
山賊A:「おい!さっきのバシネットが誰か連れて戻ってきたぞ!」

山賊B:「なんだと!?」

ホコツ:「いくぞ。ミカエル。突撃だぁ!!」

ミカエル:「あー、もう!なるようになれー!」



ミカエル:「イヤーッ!」



山賊B:「グワーッ!」

ホコツ:「……」



ミカエル:「上に見張りの弓兵。そこだっ!!」

ホコツ:「……」



山賊A:「ひっ!?」



山賊A:「ぐふっ!」



ミカエル:「どうだっ!山賊ども!!」



ミカエル:「イヤーッ!」

山賊C:「グワーッ!」

ホコツ:「……」



ミカエル:「イヤーッ!」

山賊D:「グワーッ!」

ホコツ:「……」



ミカエル:「お前も、戦えやぁぁ!!」

ホコツ:「顔はやめてっ!」



ホコツ:「だから、戦闘力5以下だから戦闘はダメって言ってるじゃないか」

ミカエル:「だったら、それらしくしててくださいよ!
      なんで至近距離でガン見してんですか!」

ホコツ:「いや、なんか心配で……」

ミカエル:「あんたが一番、心配なんだよ!
      てか、武器の一つも持てばちょっとくらい戦えるんじゃないですか?」

ホコツ:「いや、無理だよ。俺、ブリタニアでも魔法使いだったし」

ミカエル:「はぁ!?じゃあ、魔法で戦えばいいでしょ!」

ホコツ:「だったら……頂戴よ」

ミカエル:「は?」



ホコツ:「だったら!秘薬、頂戴よ!!」

UO豆知識:ブリタニアでは魔法を使うためには魔法力(マナ)以外に
触媒となる秘薬と呼ばれるものが必要になります。基本的に秘薬がないと魔法使えません。
(装備に秘薬低減というプロパティがあり、それが100%になるように装備をそろえると
秘薬なしでも魔法は使える。ホコツは素っ裸なので当然、秘薬低減とかありませんw)


ミカエル:「え、えーと。ホコツさんは魔法使いだから武器の扱いが苦手で、
      魔法を使うためには秘薬が必要ということですか?
      そしてその秘薬も」

ホコツ:「ブリタニアでないと手に入らないみたいだね」

ミカエル:「こっちに来るとき、持ってきてないんですか?」

ホコツ:「ないよ。手ぶらで来たもん」

ミカエル:「てことは……」



ホコツ:「そんなことより、俺も驚いたよ。
     ミカエル。強いじゃん。表の山賊はもう片付いちゃったよ。
     キミ、吟遊詩人じゃなかったの?」



ミカエル:「ホコツさん。アナタ、クレアさんのファンになって何年ですか?」

ホコツ:「え?いや、ファン?(ファンってわけじゃないけど)
     えーと、クレアにあったのは昨日だから、まだ1日しか……」

ミカエル:「ボク達、『クレアさんファンクラブ』は設立して3年。
      つまり、クレアさんを3年間、追い続けてきたんです」

ホコツ:「は、はぁ……」



ミカエル:「クレアさんはご存知のとおり美しく、とても強い。
      美しさでは殿堂入り。強さだけでも帝国の中でも1、2を争う人です。
      だから、危険な任務を任されることが多い。
      時には洞窟に現れた強力なモンスターを討伐に向かうこともありました」



ミカエル:「当然、ボク達もクレアさんを追って洞窟に潜入します」

ホコツ:「えっ!?」



ミカエル:「クレアさんが強力なモンスターと戦っている隣で、ボク達は……」



ミカエル:「撮影ポイントをめぐって、洞窟のモンスターたちと戦ったものです」

ホコツ:「いや、君達。クレアに加勢しないの?」

ミカエル:「懐かしいなぁ。ファンクラブの中でも親衛隊と呼ばれたボクを含めた3人がいたんです。
      『でたらめ矢のジェロニモ』、『百合戦士のアン』、ボクはカメラマンも兼任していたので、
      『写るんですのミカエル』と恐れられていました」



ホコツ:「あの……、君らの二つ名に怖いところ、一つもないよ?」



ミカエル:「これ、ボクが2ヶ月前に撮ったんです。
      クレアさんが洞窟でドラゴンを討伐したときの写真です。
      よく撮れてるでしょ」

ホコツ:「このアングルで撮れる位置にいるって、すごい邪魔だと思うんだけど。
     ていうかさ。君達、撮ってる暇があったら、クレアに加勢しなさいよ」



ミカエル:「残念ながら、ファン暦の短いアナタにはボク達の苦労は理解できないでしょうね」

ホコツ:「俺はお前達のその情熱がもっと他の事に使われないのが残念で仕方がないよ」

ミカエル:「はじめは砦を乗っ取ってる賊と聞いて警戒しましたが、
      これならこの間、潜入した洞窟のゾンビやバンパイアの方がずっと強い。
      行きましょう。奥に山賊のリーダーがいるはずです」



ホコツ:「あー、ミカエルくん。ちょっと待ってくれへんかな」

ミカエル:「え?」

ホコツ:「さっきのクレアの写真やけどな。まだ、ネガとか残ってる?
     焼き増しのお願いでけへんかな?」



ミカエル:「ええ、焼き増しならできますけど?」

ホコツ:「ホンマに?じゃあさ、じゃあさ。
     もうちょっと引き伸ばして、拡大とかできる?
     ポスターくらいの大きさにならへんかな?」



ミカエル:「できますよ。
      ホコツさんもこの写真の素晴らしさが理解できたみたいですね。
      なんだか、初めてアナタと意見があったような気がしますね」

ホコツ:「え?そうかな?
     俺はずっと前から、キミとはええ友達になれるんちゃうかなぁって思てたよ?」

ミカエル:「えー、そうは見えなかったですけどねぇ。はっはっは」

ホコツ:「はっはっは。じゃ、さっさと山賊のボスを倒しに行こか?」

ミカエル:「ええ」

男達の間に奇妙な友情が芽生えた、そのとき……



ミカエル:「うっ!?」

ホコツ:「ミカエル?」

ミカエル:「ゆ……油断しました……」



崩れ落ちるミカエル。
その背中には深々と矢が刺さっていた。

ホコツ:「ミカエル!?大丈夫か?」

ミカエル:「くっ……急所の膝は外れてますが……」

ホコツ:(えっ?膝?)

TES豆知識:タムリエル人の急所は膝。

ミカエル:「こいつはちょっとやばい……かもしれませんね……」

ホコツ:「ミカエルーーーーーーーっ!!」

第9話につづく







そのころクレアは



クレア:「……あいつら……遅い。
     私……心配……」

とても心配していた。
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はたホコ ~第7話~

2013年08月16日 | はたホコ
ここはフラーグスタート砦……




の横の岩陰。

ホコツ:「あれが山賊達のハウスね」



ミカエル:「そうですね」



ホコツ:「じゃ、行くか」

ミカエル:「えっ!?」

ホコツ:「え?じゃねーよ。ここで待ってても賊は出て行かないぞ?」

ミカエル:「そんなこと分かってますよ。
      作戦ですよ。まさか、正面から乗り込むつもりじゃないでしょうね」

ホコツ:「正面から行くよ?」

ミカエル:「あんた前回、自分で戦闘力5以下って言ったじゃないですか!」



ホコツ:「きみはじつにばかだな」

ミカエル:「あぁん!?(イラッ……」

ホコツ:「よく思い出してみろ。特使は賊を砦から追い出せとは言ったが、
     戦って追い出せとは言ってない」

ミカエル:「そ、それはそうですけど……」



ホコツ:「砦から出て行ってもらうように、俺が交渉してくる」

ミカエル:「無理だと思いますけど」

ホコツ:「俺は見てのとおり、丸腰だ。奴等も油断するに違いない」

ミカエル:「丸腰っていうか、ボクだったら、アナタみたいな格好の人が近づいてきたら、
      問答無用で撃ちますけどね」

クレア:「お前……本当に……大丈夫か?」

ホコツ:「任せろって。お前らはここで待ってろ。
     交渉が終わってから砦に入ってくればいい」

ミカエル:「ここで待ってて、そんなのどうやって分かるんですか」

ホコツ:「すぐ分かるさ」

ホコツ:「砦がドンパチ、賑やかになるからな」



ミカエル:「それ、失敗してんじゃん」



ホコツ:「行ってくる。交渉にかかったお金は経費で落ちるよな?」

クレア:「領収書……上様……無理。
     ちゃんと……宛名……『帝国』で……」

ミカエル:「そういうの、あるんだ……」



ミカエル:「ああ、本当に入っていっちゃった。大丈夫なんでしょうか」

クレア:「とりあえず……あいつ……任せる……」



ミカエル:「あれ?もう出てきた。ん?なんかポーズしてますね。なんのサインだろう?」

クレア:「……」



ミカエル:「え!?」






…………
…………
…………
…………

ミカエル:「だから、ダメって言ったじゃないですか。
      しかも、失敗してるのになんで誇らしげなポーズなんですか」



ホコツ:「こうなったらプランBで行くしかないな」

ミカエル:「一応、聞きますけど、プランBってなんですか?」

ホコツ:「特使の言葉をよく思い出してみろ」



ホコツ:「そもそも、砦から賊を追い出せとは言ってな……」

ミカエル:「いや、それは言ってたでしょ。
      あんた、なにしに来たんだ……



ホコツ:「こうなったら実力行使。力ずくで叩き出す」

ミカエル:「あんたが交渉に失敗したせいで、本当に正面から乗り込む羽目になったじゃないか」

ホコツ:「失敗は誰にでもあることだ。気にスンナ」

ミカエル:「それ、自分で言う台詞じゃないから!」

第8話につづく






第6話で次回、戦闘回と言ったな?
ありゃ嘘だ。(区切り悪いので8話にずらしますm(._.)m)
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2013年08月15日 | リアルとか映画とか
はじめました。

https://twitter.com/GoldenCoif
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はたホコ ~第6話~

2013年08月14日 | はたホコ
ホコツ:「あの将校。めっちゃキレてたけど大丈夫かなぁ」

ミカエル:「まぁ、大丈夫なんじゃないですか?」

クレア:「私……あとで……謝る……」

ミカエル:「そ、そんな!クレアさんが謝る必要なんてないですよ。
      謝るなら、ホコツさんが謝るべきです!」

ホコツ:「どう考えてもミカエルが悪いだろうが!!」

山賊が根城にしているという砦へ向かう3人。
その道中、ミカエルが口を開いた。



ミカエル:「ホコツさんって異世界から来たんですよね?」

ホコツ:「ああ、ブリタニアっていう、月額1480円の世界からやってきた。
     ていうか、異世界人って言っても全然、驚かないね。君ら。」

クレア:「異世界の人間……タムリエル……不思議……違う……」

※TESメモ:タムリエルには「オブリビオン界」という異世界からちょいちょい何かが来てます。
ソブンガルデも異世界っちゃ異世界だよなぁ……


ミカエル:「ホコツさんは異世界人なのに、どうしてボクらの言葉を理解できるんです?」

ホコツ:「ふっふっふ……それはな。俺のかぶっているバシネットに秘密があるのさ」



ホコツ:「このバシネットは俺たちホコツがどんな環境でも生きていけるように、
     様々な機能が搭載されている。例えば……」



ホコツ:「全身にうっすら毛が生えているだろ?」

ミカエル:「ええ……」

ホコツ:「タムリエルの寒さに対応するために、バシネットが俺の身体から生やしているんだ」

ミカエル:「気持ち悪っ!!」

ミカエル:「ていうか、全然、足りてないでしょ!タムリエルの寒さに耐えるなら、
      もっと、わっさぁ生えてないと!」

ホコツ:「言葉に関してもそうだ。このバシネットには『翻訳こんにゃく』が搭載されている」

ミカエル:「え!?」

ホコツ:「図にするとこんな感じだな」



ミカエル:「あ、あれ?あれってこういう使い方でしたっけ?
      なんで耳当てみたいになってんですか。
      まぁ、聞こえるのはギリギリ理解できたとして、しゃべる方は?」



ホコツ:「こっち来た時、食った」



ミカエル:「耳にあててる意味はーーーーっ!?」



ミカエル:「もうやだ。この人。
      クレアさんも、なんでこんな人を帝国軍に入れちゃったんですか!」

クレア:「……ん?」



ホコツ:「それは俺も興味あるな。
     だってさ、俺って第0話で『戦闘力5以下』って明言されてるくらい弱いんだぜ?」

ミカエル:「そういうメタい事、平気で言っちゃうんだ。この人……」

クレア:「お前……こっちの人間……違う。
     身内……いない。一人ぼっち……。
     帝国軍……入る。仲間……仕事……たくさん。
     お前……嬉しい……思った。
     でも、お前……戦う…苦手……だったら……」



クレア:「……すまん。
     私……ずっと軍人……他の事……分からない……」



ホコツ:「……」

クレア:「……?」



ホコツ:「なんなん!?この子。
     めっちゃ、ええコやん……」


ホコツ:「やってける。あたい、この町でやってける気がする」

クレア:「お前……がんばる……。私……応援……」

ホコツ:「もうやめてっ!あたいの薄汚れたハートに、あんたの優しさはまぶしすぎるからっ!」

ミカエル:「クレアさん!美人でやさしくて、もう最高ッス!ボク、一生ついていきます!!」



こんなバカ2匹を連れた美女が山賊の待つ砦へと向かっていたのである。


第7話につづく……
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はたホコ ~第5話~

2013年08月11日 | はたホコ


ミカエル:「嫌です」



リッケ特使:「いや……キミねぇ……。
       この任務は新人は皆、やってるのよ」



ミカエル:「こんなのと2人だけで、山賊の砦を落とせなんて、
      『死にに行け』って言ってるのと同じじゃないですか!」

ホコツ:「『こんなの』って言うな」

コナン隊長に指示され、入った部屋にはリッケという将校が待っていた。
リッケから説明された任務はフラーグスタート砦を山賊たちから取り戻すこと。
内戦で混乱が広がっているタムリエルでは、こういった砦が山賊たちの根城になっており、
近隣の町や村を襲撃することが、社会問題化していたのである。



リッケ特使:「普通の新兵ならこれくらいのことは簡単にやってのけるわよ」

ミカエル:「普通?こんなのが普通なわけないじゃないですか」

ミカエル:「どうやったら、こいつを普通って枠に入れられるんですか!?
      物理的に!

ホコツ:「物理!?」



ミカエル:「とにかく、ボクはこいつと心中するつもりはありません。
      ソリチュードに(クレアさん)と残らせていただきます」

リッケ特使:「じゃあ、あなたは入隊試験をリタイアってことでいいのね?
       これは新兵がこの隊でやっていけるかどうかを見定める試験でもあるのよ?
       この試験が受けられないなら、他の隊に行ってもらうわ」



ミカエル:「じゃあ、お金返してくださいよ」

リッケ特使:「は!?」

ミカエル:「たとえばあなたはカツカレーを頼んだとして、
      カツの入ってないカレーが出てきたら文句を言わないんですか?
      そこで文句を言わないとしても、カツの入ってないカレーを食べて、
      レジでカツカレーの料金を払わされたら文句を言わないんですか?
      ボクにとってソリチュード隊はカレーで、クレアさんはカツみたいなものなんですよ!」

リッケ特使:「え!?いや、キミ。何を言ってるの?」

ミカエル:「たとえが悪かったですね。
      じゃあ、嫌いな人間(例えばアナタ)の寿命を10年減らすことができる
      スイッチがあったとします……」

リッケ特使:「なんかお前、怖いわ!
       分かった!分かったから!
       あんたはいかなくていいから!!」



ホコツ:「まぁ、いいですよ。俺、一人でちゃちゃーっとやってきますよ。
     砦の山賊を追い出せばいいんでしょ?」

リッケ特使:「仕方がないわね。悪いけど、あなた一人で行ってもらうわ」



クレア:「……待って」

リッケ特使:「どうしたの?」

クレア:「こいつ……一人……死ぬ。絶対。
     私……同行……」

ミカエル:(ええええええっ!?ちょ……待っ……)

リッケ特使:「そうね。でも、これは試験なんだからあなたはホコツが危ないとき以外は
       手を貸しちゃ駄目よ」

クレア:「……分かった」

リッケ特使:「じゃあ、フラーグスタート砦にはクレアとホコツでいって頂戴。
       ミカエルには別の任務を……」



ミカエル:「ボクもフラーグスタート砦に行きます」

リッケ特使:「はぁん!?」

ミカエル:「クレアさんとあの男を2人きりにするなんて危険です。ボクも同行します」

リッケ特使:「新兵の試験だって言ってんでしょうが!
       なに、あんただけ趣旨変わってんのよ!!」

ミカエル:「いいんです。ボクも行きます。行くんです。行くに決まってます。
      ねぇ……いいですよね。ボクも行っても……」

リッケ特使:「いや……ちょ……おま……」

1時間後……



ホコツ:「えーと……じゃあ、俺とクレアとミカエルで砦に行ってくるってことで
     い、……いいんですよね?」

リッケ特使:「好きにしたらええんちゃう!?
       私なぁ。新兵なんかより、ずーーーーーーっと
       偉い将校なんやけどなぁぁぁぁ!!
       もうあんたらの好きにしたら
       ええんちゃうかなぁああああああああああ!!」


ホコツたちはフラーグスタート砦へと旅立つ。

第6話に続く
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仕事

2013年08月06日 | マイナスオーラが出てます。
お仕事さん。
月曜日からちょっと飛ばしすぎじゃないですかね。
もうちょっと手加減してくれてもいいのよ?
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はたホコ ~第4話~

2013年08月04日 | はたホコ


コナン:「私が、このソリチュード隊の隊長。コナンだ」

ミカエル:「いやいやいやいや!おかしい!おかしいから!
      前回の終わりから、なんでさらーっと話が進められんの!?」

コナン:「お前。何を言っているんだ」



ミカエル:「隣の人ですよ!絶対、おかしいでしょ!
      なんで、こんな歩くボケ製造マシンを放置できるんですか!」

コナン:「そいつの名前はホコツ。ボケなんとかマシンなんて名前じゃないぞ。
     仲間の名前くらいちゃんと覚えろ」

ミカエル:「名前じゃねーよ!ていうか、なんで私が悪いみたいなことになってんだよ!」



ホコツ:「ははぁ~ん。隊長。こいつは異文化を認められない可哀想な人なんですよ。
     だから、見た目で私を変人だと決め付けているんです」

ミカエル:「可哀想なのはお前だよ!これから戦争に参加しようってのに、
      バシネットとパンツ一丁で戦う文化があってたまるか!」



クレア:「お前ら……うるさい……喧嘩……ダメ……」

ミカエル:「ク……ク……クレアさんだああああああぁぁぁぁぁぁ!!
      うわあああああああ!本物だぁぁぁ!
      ボ、ボク。クレアさんの写真集、全部、買いました!
      握手会にも何度も行ったことあるんですよー!」

クレア:「そ……そう……か……。あり……がとう……」

ホコツ:「あ、クレアじゃん」



ミカエル:「え!?」

クレア:「ホコツ……迷子……なってない。ちゃんと来た……エライ……」

ホコツ:「子供か。俺はw」

ミカエル:「あ、あの……ホコツさん……でしたっけ?
      ちょっといいですか?」

ホコツ:「は?」

ミカエル:「あの……クレアさんとはどういうご関係で?」

ホコツ:「え?俺はクレアに勧誘されて、ソリチュード隊に入ったんだけど?」



ミカエル:「はぁん!?」

ミカエルは激怒した。

ホコツ:「いや、えっ!?」

ミカエル:「あなたね。ソリチュード隊に入るってことがどういうことか分かってるんですか?
      クレアさんの人気もさることながら、クレアさん自身の圧倒的な強さのおかげで、
      部隊の死傷者も少ない。志願者は増える一方で欠員が出ないから、
      帝国の中でもトップの競争率の高さなんですよ。ボクが順番待ちのために、
      どれだけの裏金を使ったと思ってるんですか。
      裏金を使ってもなかなか順番が回ってこないから、もうこうなったら、
      ボク自身がソリチュードに乗り込んで、
      『この手で欠員を作り出してやろうか』
      と思ってたところに順番が回ってきたんですよ。
      それくらい大変なことなんですよ。分かりますか!?」



ホコツ:「いや……キミ……。あまり近寄らないでくれる?
     なんか怖いよ。
     いろんな意味で

コナン:「おしゃべりはそこまでにしろ。まずは座れ、今からお前達の任務の話をするぞ」

ミカエル:「待ってくださいよ!
      任務って、こんな裸の人と一緒で任務なんてできませんよ」

コナン:「そういえば、お前、なんで支給した鎧を着ていないんだ」

クレア:「あ……そういえば……お前、なんで裸」

ミカエル:「今頃、気がつくクレアさんの天然っぷり。萌えるぅ☆」

ホコツ:「なんでって、そんなの」



ホコツ:「ホコツだからに決まってんじゃん」



一同:「……」



ホコツ:「いや、君達ね。
     さっきからこの格好のことをどうこう言ってくれるけど。
     ホコツがバシネットと裸で戦うのは」



ホコツ:「ブリタニアじゃジョーシキだから!!
     (※事実です。)」




ホコツ:「え?ちょっと待って。なにこのスベったところをフォローに行ったら、
     さらにスベったみたいな空気。
     『ふーん』とか、そういうリアクション止めて……もっとやさしくしてよ……」

コナン:「それではお前達の任務についてだが……」



コナン:「地図を使って説明したほうがいいな。とりあえず、隣の会議室に行ってくれ」

ホコツとミカエルは隣の会議室に移動する。
その後姿を見つめるコナンとクレア。



コナン:「クレア……。お前の目を疑うわけじゃないが、アイツ、使え……」

クレア:「たぶん……使えない……」






第5話につづく
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