ホコツ:(さぁ、私の交渉を断ったことを後悔させてやるぜ)
ミカエル:(交渉って、ビックリマンシールじゃないですか。
そんなんで出て行くわけないじゃないですか)
ホコツ:(ヘッドだぞ!?キラシールだぞ!?)
ミカエル:(そういう問題じゃないんですけど……)
今、まさに山賊長にホコツたちが襲いかかろうとしていた頃、
外で待っているクレアは……
なんか、そわそわしていた。
クレア:「……あいつら……遅い……。私……不安……。
迷子……なってないか……?
でも……特使……助けるダメ……言った。
私……我慢……」
心配するクレアの目の前に想定外の出来事が起こる。
クレア:「……あれは……」
山賊1:「いやー、今日はいい感じで出たわー」
山賊2:「やっぱあの店のスロットはいいですねー」
山賊3:「いいもなにも。店長脅して無理やり放出させてんだけどなw」
山賊4:「ひっでーwww」
実は砦には一部の山賊しか残っていなかった。
遊びに出ていた山賊たちが帰ってきたのである。
山賊5:「おい、なんか中がやけに静かじゃねーか?」
山賊6:「昼寝でもしてんじゃねーの?」
クレア:「……まずい……。数……多い……。
特使……助けるダメ……言った。
でも……助けないと……あいつら……死ぬ。
もっと……ダメ!」
山賊たちが遊びから帰ってきた頃。
再び中では……
ホコツ:(しつこいな。だから、シャーマンカーンは第2弾のヘッドなんだよ!
キラシールなの!貴重なの!)
ミカエル:(テレビシリーズでもほとんど活躍がなくて、
キラシールなのに全然、人気なかったじゃないですか!)
ホコツ:(戦闘キャラじゃないから!参謀的役割の人だから!
派手な演出とかなかったから!)
なぜかシャーマンカーンの人気について談義が行われていた。
ミカエル:(もういいから、やっちゃってくださいよ!
ていうか、どうしてボクらはバレないんですか!
この山賊長、バカなんじゃないですか?)
ホコツ:(やってやるぜ!!)
ホコツ:「俺の怒りを思い知れ!」
山賊長:「なっ!?」
ホコツ:「肉体魔法。ジャーマンスープレックス!」
ホコツ:「あらよっと」
ホコツ:「これで無事に片付いたな。あれ?ミカエル、なにやってんの?」
ミカエル:「見たところ、こいつらの装備は帝国の新兵に支給されるものより、
いいものですね。せっかくですからボクがもらっていきます。
いい装備があればもっと活躍して、クレアさんに……うふっ……
うふふっふふふふふふふふ……」
ホコツ:「……ちょいちょい危ないな。こいつ……」
ミカエル:「どうですか。帝国から支給される革鎧より、
こいつらの使っていた鉄製の鎧の方がずっと頑丈ですよ」
ホコツ:「そ、そうか……。よくわからんけど、いいんじゃない?」
ホコツ:(あいつ、次回から誰かわからへんのちゃうかな……)
ホコツ:「じゃ、クレアに報告に戻るか」
このとき、ホコツとミカエルは知らなかった……。
外には帰ってきたばかりの山賊たちが待ち構えて……
いるはずであった。
ホコツ:「あのさ……ミカエル?
山賊って、こんなにいたっけ?」
ミカエル:「そ、そうですね。ボクもこんなに斬った覚えは……」
クレア:「お前ら……遅い……」
ホコツ:「あ、クレア」
ミカエル:「クレアさんっ!ボクを待っていてくれたんですか!」
ホコツ:「あ、あのさ。クレア。
そこに転がってる山賊って……」
クレア:「こ……これ……。全部……お前ら……やった。
わ、私……知らない……」
ホコツ:「そ、そうだったかなぁ……」
クレア:「そ、それより……お前ら……よく……がんばった。
特使……喜ぶ。
お前ら……上出来……ぐっじょぶ……ぐっじょぶ……」
ミカエル:「ク、クレアさんに褒めてもらえるなんて、今日は最高だー」
ホコツ:「あんまりはしゃぐなよ。お前、撃たれたんだから」
ミカエル:「こんなの撃たれたうちに入りませんよ」
クレア:「お前……撃たれた……?
傷……見せる……」
ミカエル:「ク、クレアさんがボクの傷を!?
あ、あイタタタタ……、急にあちこち痛み出した」
ホコツ:(こ、こいつ……)
クレア:「どれ……」
クレアがミカエルの傷に触れようとしたとき、一枚の紙がミカエルの懐から落ちた。
クレア:「……これ……なんだ……?」
ミカエル:「あ、これ。この間、撮ったんです。綺麗に撮れてるでしょう?
ボクが撮ったんですよ」
クレア:「ほう……」
ミカエル:「ホコツさんとその写真で盛り上がっちゃいまして。
やっぱりクレアさんは綺麗ですよねー」
クレア:「お前ら……遅い……そんなこと……してた……」
ミカエル:「ホコツさんもこのクレアさんの芸術的なヒップラインにメロメロみたいで^^
さっそく、焼き増ししてポスターにする約束もしたんですよ」
ホコツ:「あ、あの……ミカエルくん?その辺にしておいた方が……」
クレア:「私……すごく……心配……してた……」
ミカエル:「ホコツさんと盛り上がってたところを、うっかり撃たれちゃいまして^^;」
ホコツ:「ミカエル!逃げるぞ!」
ミカエル:「え?なんで!?クレアさん?なんで怒ってるんです?
あ、でも怒ってる顔もセクシー☆」
クレア:「お前ら……コロス……」
ホコツ:「うわあああああああっ!逃げろー!!」
ミカエル:「えーっ!?なんでー!?」
この3人がタムリエルの内戦を終わらせる鍵となるのは、
これからもう少し、先の話である……
第12話につづく
とりあえず、エピソードとしてはいったん区切り。
帝国内戦クエストの一番、最初のクエでした。