切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

「裕次郎寺」をきっかけに…。

2009-05-29 19:30:00 | アメリカの夜(映画日記)
石原裕次郎の23回忌で国立競技場に寺を建てるって話は、石原まき子さんならずとも「バカみたい」と思うでしょうけれど、映画俳優・石原裕次郎とはなんだったかについて再考するいい機会ではありますよね~。というわけで、雑感。

・裕次郎さんラスト法要で国立に寺建てる

わたしの好きな裕次郎出演作を思いつくままにあげると、

①『あした晴れるか』(中平康監督)
②『あいつと私』(中平康監督)
③『憎いあンちくしょう』(蔵原惟繕監督)
④『太平洋ひとりぼっち』(市川崑監督)
⑤『スパルタ教育 くたばれ親父』(舛田利雄監督)
⑥『人斬り』(五社英雄監督)

といったところかな?

で、あくまで私見だけど、石原裕次郎がなぜアレほどまでに人気があったかというと、要するに「新しかった」ってことだと思うんですよね。

それまでの俳優といえば、歌舞伎界出身だったり、典型的な二枚目だったりして、観客にとってはリアルな感じがしなかったんじゃないですか?

でも、裕次郎の場合は本当の不良青年で遊び人。当時の言葉でいえば「太陽族」そのままの生活をしていたわけで、生活感のない銀幕スターとは違う存在だった。

つまり、裕次郎は庶民的でかつ生々しい存在だったということなんだとわたしは思います。だから、ブレイクしたころのキムタクなんかが割りとイメージ近いかもしれませんね~。

因みに、当時、同じく慶応ボーイで遊び人だった俳優に川口浩という大映のスターがいるんですが、彼の場合は皮肉屋の現代っ子で、陰と陽でいえば陰のひと。

(もっとも、わたしは結構このヒト好きなんですけどね、『くちづけ』とか『巨人と玩具』なんてね。)

で、裕次郎は陽のひとだったといえるんじゃないのかな?製作再開したばかりの日活という映画会社の新しさも影響しているとは思いますけどね~。

わたしがさっきあげた出演作6本は、裕次郎出演作としては地味な作品ばかりかもしれないけど、初期のアクション・スター的なもの(『赤い波止場』など)や後の「ムード歌謡路線」のもの(『銀座の恋の物語』など)とも違う作品をあえて選びました。

①、②は今でいう「ラブコメ路線」。③は大人の大恋愛ドラマ(浅丘ルリ子が素晴らしい!)。④は孤独な青年像を描いた異色作で、⑤は子供に恵まれなかった裕次郎夫妻を考えると感慨深い父親もの。そして、⑥は勝新太郎との夢の共演作で、坂本竜馬役!

というわけで、乱暴にまとめるなら、裕次郎の演じた役はみな「さばけた」人物で、それは本人のキャラと切り離せないものだったということではないのかな?

なので、石原プロの演出によるマッチョな裕次郎像に惑わされることなく、上記の作品を観ていただければ、違ったイメージをもつことができるんじゃないでしょうか?

ま、あんまり観る人いないでしょうけどね…。

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