藤原新也さんの写真集『バリの雫』(2000)を見ました。図書館で借りたこの写真集はかなり使用感があって、ページが一枚抜けそうになっていたから、きっとこの方の写真集はすごい人気があるんだと思います。
写真は、バリの自然や村や人々の風景を写したもの。
素人の僕の印象としては、この写真集の最初のほうを見ると、作為的な感じがまったくしないこと。
僕は写真鑑賞をふだん全然しない方ですが、それでも「写真とはこういうもの」みたいな“パターン”は、一般人として無意識のうちにもっているんだと思います。それは普段から雑誌や本やテレビやネットやなどメディアにぼんやりと接しているうちに、プロのよくできた写真を無意識のうちにたくさん見ているので、よくできた構図のイメージが一般読者としての私にもあるんだと思う。
でも藤原さんの写真を見ると、そういった既成の構図のイメージをもたずに、見たものをそのまま写真に撮っているように最初思いました。それは風景をそのまま撮っているので、最初は「なんだろ?」という感じ。それがもう少し見ていると、バリの自然のダイナミックさと繊細さがじわじわ伝わってくるのです。
藤原さんの写真は「見たものをそのまま」撮っていると言っても、それは“大胆”というのとも違うし、もちろん気取ってもいない。被写体の持つ迫力がそのままこちらに伝わってくる感じ。
なんだかモコモコと色がページから浮き上がってくる感じです。
涼風
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