もちろん家計は火の車

読書と映画、クルマにゲーム……いろんなものを愛しつつ、怠惰な日常を送るオッサンのつぶやき。

小野不由美の『屍鬼』が、アニメ化されるらしい

2009年12月21日 | 

小野不由美の小説『屍鬼』といえば、
ご存知の方も多いと思うが、日本を代表するホラー小説。
その緻密な描写&圧倒的ボリューム
(なんたって、初出時のハードカバー単行本は上・下2巻組。
しかも、それぞれが国語辞典なみの厚みを誇っていたというw。
マジな話、読んでいる間は、毎日
カバンの中にレンガを入れて持ち歩いてる気分だった。
たしか、新潮文庫版でも5分冊とかだったような……?)は、
ちょっと、他ではありえないレベルだったりする。

その『屍鬼』がコミック化されてるのは知ってたんだけど、
その流れで、いよいよアニメ化されるらしく、
現在、告知のWebサイトがオープンしている

原作については、思いっきりハマった私であるが、
ジャンプスクエアで連載中のコミック(作画・藤崎竜)に関しては、
正直、「絵が、ちょっと……」というワケで、
手を出しかねていたのだった
(藤崎ファンの方いましたら、スイマセン!)
しかし、こういう展開になって来たとなると、ここは1つ、
コミックも押さえておかねばなるまい。
というわけで、まずは漫画喫茶に行って、
一通りチェックしてこようかな……。
(やっぱ、「いきなり買う」ってのは、ちょっと勇気いるよねw)

ちなみに。
ご存じない方のために一応、ご説明すると、
小野不由美の『屍鬼』とは、
個人的に、日本のホラー小説で「No.1」と考えている作品。
ここで言う「No.1」とは、「いちばん怖い」という意味とは微妙に異なり、
なんというか、そこはかとなく漂う“文学性”を含め、
さまざまな意味での「No.1=金字塔」だと考える。
(純粋に「怖さNo.1」としてなら、私は
『墓地を見おろす家』 /小池真理子・著)を推す。
ラスト3行の、あの“尋常でないヤバさ”は……とにかく読むべし。オススメ!)
ついでに書くと、“ホラー小説”とは別に、
“恐怖モノ実録路線”とでも呼ぶべき一連の作品が存在しており、
こちらに関しては、先日、最新作『DINER(ダイナー)』に
ついてチラッと触れた平山夢明、
“三角屋敷”の話で一時、某巨大掲示板を
おおいに盛り上がらせた加門七海あたりが活躍しているのだが、
そういったあたりについては、また今度……。

で、小野不由美の小説『屍鬼』の話。
冒頭に「To“Salem”s Lot」(セーラムズ・ロットに捧ぐ)と
書いてあることから分かるように、
本書は、かのスティーブン・キングの
『死霊伝説』(セーラムズ・ロット)を意識して書かれた作品。
ひとつの共同体に、ある「おそろしい存在」が
入り込んでくるところから始まり、
“異分子”の存在に気づいた人間側の反撃を経て、
やがて訪れる壮絶な破局に至るまで、
とにかく、「すべてを克明に描ききった」大作である。

キングの原作と異なり、舞台は当然、この日本。
道端に真っ赤な郵便ポストが立ち、
夜になれば電柱に取り付けられた白熱灯が
アスファルトを照らし出す……そんな「見慣れた光景」が、
徐々に侵略され、異形の世界と化していく。
その過程を、とにかくジックリ、丁寧に時間をかけて描いてたら、
「なんだか、とんでもないボリュームになっちゃいました~w」
……ってワケなんだろうが、その効果は絶大である。

読み手は、この「膨大な量のページ」をめくるたび、
物語が、マズイ方向へジリジリ進んでいるのを実感させられる。
でも、どうしても手がとまらない……。
この感覚、例えるなら
「今にも決壊しそうな、満水状態の巨大ダム」に、
一滴一滴、水を注ぎ込んでいるような感じ……と言ったら
おわかりいただけるだろうか?
この先で待つ、絶対にヤバイ“何か”。
でも、事態は止まることなく、着実に破局へ向かって進んでいく。
そう、少しずつ、少しずつ……。

ちなみに。
毎度「ネタバレ上等!」の当blogであるが、
『屍鬼』において
舞台の集落に入り込む“何か”の正体については、
あえて触れないでおく。
興味をもたれた向きは、ぜひとも
原作の小説をお読みいただきたい。
私もこれから、コミック版の『屍鬼』を読んでくる。
(きゃは、「漫喫で満喫!」みたいな~!? ←大バカw)


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