v6くるくる日記

「幸せな社会のための技術を語りたい?」日記

NTTフィル第19回定期演奏会を終えて

2006-06-27 01:08:35 | オーケストラ関連

昨日、NTTフィルの演奏会を開いた。2ヶ月ほど前のブログでも書いたように私もイチ団員として、そこでクラリネットを吹いている。私の知人の何人かにもご来場いただいた。アマチュアとしてはお客様に来ていただけるだけで本当にありがたいことだ。

中にはブログに感想を書いてくれた方もいらっしゃる。そのmiya_kohnoさんのブログいわく、
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企業(グループ)内だとやりにくい面もあるかもしれないとも考えたが、役職とか地位とか年齢とかそういったものは全て取り去って、音楽のみを真摯に追求する姿があった。このような視座の転換、そして価値観の柔軟化は、仕事自体にも役立つのではないか。
 同じ業界に身をおくものとして、また、音楽を追求するものとして、大いに刺激になった。仕事と音楽の両立は本当に大変。でも、「両立」と考えると、どうしても時間的制約がネックになるが、そうではなく「統合」と考えたらどうだろう。仕事で得た視座を楽器演奏に活かす。楽器演奏の過程で得た視座を仕事に活かす。高い次元での統合を目指したい、と、思いを新たにした。
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御意。仕事と音楽の両立、これは時間的には大変だが、「統合」と考えると確かに面白い。最近、読んだ本の中に、「ハイコンセプト」というのがある。これから、「弁護士でも医者でも単なる知識は100ドルのCD-ROMに入る時代」で、これから何が強みとなるのか?ということをテーマに書いた本である。この本で示唆しているのが、「ハイコンセプト」と「ハイタッチ」という概念であり、これまで重要視されていた専門力とかロジックとかではなく、「6つのセンス(デザイン、物語、調和、共感、遊び、生きがい)」が重要な資質であるという。仕事と音楽との「統合」は間違いなく、この流れに沿っているに違いない。

実際、オーケストラは分散協調の組織の縮図。先日、私がジーコサッカーを例に引き、個々人が自立的に考え、全体最適化をめざす分散協調について、組織のあり方に参考になると書いた。NTTフィルのインスペクター(*)T氏いわく、「ブログ読みました。オケも本当に分散協調ですね。」 
 (*)注: 演奏面についてコンサートマスターと並んで、取りまとめを行っていく役目

そうなのだ。個々人があるべき音楽を考え、それにむけて練習し、指揮者のタクトの元で、他人の音楽を聴きつつ、自分の譜面を演奏し、そして全体の音楽を作っていく。その際には、全体を生かすためにはたまには自分を殺すことも必要だし、また、自分がソロで他人に生かされることもある。そのそういう「表現」がその次の別の人の「表現」を誘発する。一流の作曲家の曲は、そのように「創りこまれて」いる。

アマチュアのオケでは残念ながら全体の個々人の意識はバラバラであり、実は、技術的な問題もさることながら、それ以前の意識レベルの問題で、そういう理想的な音楽ができあがることはあまりない。今回は指揮者の末廣先生の厳しいご指導のもと、オケ内部でもインスペクター団(私も木管インスペクターというお役目)を中心にだいぶ団員に対しそういう意識付けを行った。少しは効果が出ただろうか? 客観的に後から録音を聞いてみないとわからないかな

 



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